運搬車のブレーキ、私のブレーキ

以前、“トラックへ荷物を渡すための作業”をしていた時のこと…　私が荷物を積んだ運搬車を持っていったところ、“それをドライバーさんへ渡す手続きをするポジション”の人が「すぐに（トラックの荷台へ）持っていくから！」と言ったので、私はテキトーな場所に運搬車を止めて、その場を立ち去ろうと歩き始めたのだが…　その時、背後から「すぐに持っていくって言っただろうが！」という“呟き”が…　私に聞こえるくらい大きな声で耳に入ってきたのである。

一瞬、私は「なんだ、その言い方は～！」と思ったけれど、その人が“運搬車のブレーキを蹴り上げるように外している姿”を見た私は、「あぁ、なるほど…　“すぐに持っていく＝テキトーな場所に置いておけばいい”だけでなく、“ブレーキも掛けなくていい”という意味だったのか！」と理解した私は、お詫びの気持ちを込めてもう一つ別の運搬車を持ち、その人の後を追ってトラックの方へ向かったのだった…

ずっと正社員から「運搬車のブレーキは必ず掛けなければならない」と言われていたので、もしも私が「余計なことは何も考えず、絶対に社内ルールを守る！」という人間だったら、そこで喧嘩になっていたに違いない。しかし、私は…　いや、大半の人が「ケースバイケースだ」と考えていて、スムーズに作業を進められるように行動している（と思う）。それはトラックのドライバーさんも同じようで…　トラックから降ろされた運搬車のブレーキが掛けられていない場合も多々あるのだ。

さて、その翌日…　冒頭の人と一緒に同じ区画で作業することになったのだが、普通に私に話し掛けてくれたので、「あぁ、反射的に反撃しなくて良かった！」と思った。そう、自分の半生を振り返ってみると…　そういう場合が多いような気がする。が！　もちろん「あぁ～　反撃しとけば良かった！」と思うこともあり…　そういう“もやもやエネルギー”は溜めて溜めて溜めて…　「ここぞ！」という時に“悪の組織”へ向けて放射するのだ。なんちゃって～（オマエの貯蔵タンクは穴だらけ…　常にエネルギーが“アホな発言や文章”となって漏れ出ているんじゃないのか？　ハハハ…）