<金曜は本の紹介>
「全てがゼロ、だから成功する」の購入はコチラ
この本は、現在、地図・ガイドブックの常備商品1600点を抱え、一部上場企業で、年間売り上げ200億円の”世界屈指の地図会社”「昭文社」の創業者「黒田敏夫」の自伝です。
彼は父親が技術者のサラリーマンとして毎日ひたすら務め続けた結果が、わずかな年金と田舎暮らしという現実に希望がなくなり、商人なることを目指し、神戸中央市場の海鮮問屋で住み込みの丁稚奉公として働くこととなります。
そこでは、すずめの涙ほどの給金で朝から晩まで働きづめで、体力や客との駆け引き等処世術や、帳簿付けなどで力を付けていきますが、そのあまりの辛さで辞めたいと思ったことはしばしばあったようです。
あるとき、「少年倶楽部」という雑誌を読んでいると、山陰の武将「山中鹿助(やまなかしかのすけ)」が家督を継いだ際に「願わくは我に七難八苦を与えたまえ」と念じ、あらゆる困難を乗り越えてこそ、強い男になれるということを信じたという話に感動し、自分が恥ずかしくなり、仕事を続けたようです。
しかし、このまま安い賃金で丁稚奉公を続けても独立資金は貯まらないし、男が勝負するなら東京ということで、東京で地図の販売員として外交に出ることとなります。
ここでは、定価の4割が歩合ということで、東京だけでなく夜行列車や飛行機で全国を回り、8年間で2000万円をため、現在の地図の不満を払拭するために、1960年の28歳のときに地図なら何でも揃っている会社を目指して、昭文社を創業したとのことです。
また、アメリカ大使館へ日本で市販されている地図を全て集めて売るという転機があったため、全国の地図の状況が分かり、それを活かすことができたということもあります。
以下は、この本で、私が「なるほど・・」と思ったことです。
この本は、前向きで、ヤル気が起こるよい本だと思います。お勧めです!!
・すべての決断を直感に頼ってきた。判断、決断、実行に3秒以上かけるのは無駄だと思う。
・「利は元にあり」-商売の基本はお客に対していいものを少しでも安く提供すること。値引きが勝負のしどころ
・決定権をもった人を相手にセールスする。(オフィス内に入り込むのが先決)
・セールスは長居は無用
・東京は大手の地図業者や出版社があるため、大阪で創業して東上した。
・「地図ならなんでも揃っている会社」を目指すこだわりが、ユーザーの信頼感を得た。
・札幌で営業所を作る際には、五番館デパート(現札幌西武)の初対面の外商部長に、事務所探しから人員募集の色々な手続きをお願いし、その代わりに必要なものはそのデパートから2割引!?でまとめ買いした。1日で営業所を立ち上げてしまった。
・大阪万博用のカイドマップ作成で、あらゆる出版社に先駆けてスピード出版し、2ヶ月で70万部の大ヒットとなる。
・相手が一方的につくったルールには従わない(銀行との付き合いは、「金利は最低、担保なし、あるとき払いの催促なし」の3条件で通してきた)
・全国の駅売店で地図販売を行い、全国制覇を達成できた。
・地図でも、商品にはデザインが大切。商品の価値とは、それをつくる技術とデザイン性の高さ、値段とのバランスの3つ。
・日本初のグルメマップをつくり80万部を超えるベストセラーになる(東京・横浜・鎌倉たべあるき地図)
・1969年のアポロ11号月面着陸の際には、月面地図の版権は買ったが売れないと判断し、すぐ転売し、未然に失敗を防げた。
・地図を小型化するという変化の先取りに成功する。(ミニミニマップ)
・観光旅行のガイドマップ市場にも進出し、「ミニミニガイド文庫」で成功する。革新、闘う意識は必要
・コンビニにも進出して販路拡大する
・本業以外にも手を出し、NTT株150株の財テクで2億円以上の売却を得て、全社員をヨーロッパ研修へ。ただ株では失敗もし、副業は本業と切り離すべき。
・撤退は再生のための一歩で、失敗からの逃げ足は速く!
<目次>
第1章 2千円が2千万円になった運命の仕事
世界屈指の地図会社
直感こそ「力」
やってきた「人生の転換」
地図業界の全貌をつかむ
”地図王国”ニッポン
目先の利益は追わなくとも
8年間で所持金1万倍!
第2章 七難八苦こそチャンスだ
徹底した現実主義者
「サラリーマンには絶対ならない」
住み込みの丁稚奉公
涙の「おしん」生活のなかで
商売の醍醐味は「駆け引き」にあり
我に七難八苦を与えよ
無鉄砲で道を拓く
第3章 誰もやらなかった全国飛び込みセールス
一攫千金を夢見るセールスマン
表玄関から堂々と
熱意と気合の初セールス
「買ってください」は禁句
「開き直り」でストレスフリー
無差別”徹底”セールスの経験
トップセールスマンの頭のなか
肌がとらえる見えない情報
夜行列車で全国行脚
セールスに長居は無用
「独自の地図」が形成されていく
「一般向けの地図なら売れる」
販売のプロ、経営に乗り出す
第4章 「売る出版」で本領発揮
ビジネスとしての地図制作
昭文社スタートは大阪から
1つのネタで2つの商売
社長自ら店頭回り
「地図ならなんでも揃っている会社」
ライバルとの地図戦争に勝つ
全国制覇をめざして東京進出
一日で立ち上げた札幌営業所
第5章 「即断・即決」で快進撃
めざせ日本一!
万博ガイドマップに賭ける
2ヶ月で70万部の大ヒット
「そちらの勝手な規定にはしたがえません」
老舗の独壇場に切り込む
全国の駅販売店に商品が並ぶ
素晴らしい人たちとの出会い
地図とデザイン性
10年で築いた売れる仕組み
会議や相談は時間の無駄
曲者も使いこなせる会社
海外へと向けられた視線
第6章 グルメブームをとらえた直感
「食べ歩きの地図をつくってみませんか」
グルメブームがやってくる
日本初のグルメマップ誕生
80万部を超す大ベストセラー
何が直感をもたらすのか
失敗を未然に防ぐための習慣
つねに新しい物をつくり出すために
第7章 変化の先取りに成功が待っている
地図を小型化「ミニミニマップ」
あなどれない素人の視点
成功はさらなる成功を生む
”携帯辞典”という発想の転換
経営は”闘い”である
革新を追及すること
創業20年で売り上げ50億円
営業マンのきめ細かなフォロー
基本を基本どおりにやるむずかしさ
販売拡大、コンビニにも進出
第8章 「マップル」誕生、そして店頭公開へ
道路地図戦争-「ミリオン」対「グランプリ」
本末転倒の労働争議には「一切妥協せず」
トップブランド「マップル」誕生
良心に恥じないものづくり
ついに日本一の地図会社となる
「人にやさしい地図」を考えて
女性向け地図「Link Link!」
本業以外にも手を出そう
「NTT会」の財テクで全社員をヨーロッパ研修に
本業とサイドビジネスの区別
店頭公開で50億円の創業者利得
第9章 失敗からの逃げ足は速く
つねに失敗を想定しておく
バンクーバーからの撤退
撤退は再生のための第一歩
「死なない登山家」ドン・加藤
退くことを受け入れる潔さ
韓国昭文社設立は吉か凶か
未回収金1億4千万円の顛末
第10章 地図出版世界一への挑戦
130億円超のデジタル事業SiMAP
孤独な決断が勝利をもたらす
SiMAPで広がるデジタル地図
進退は自分で決めるもの
社長は恐れを感じながら挑戦せよ
アナログとデジタルの共存する世界
海外事業化への熱い思い
ダブリン、カナダでの挑戦
”商売”から”ライフワーク”へ
中国からの客人「方正集団」
夢ははじまったばかり
あとがき
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<今日の独り言>
ホワイトソースのベーコンほうれん草のスパゲティを作りました。なかなか味付けもよく美味しかったのですが、水切りし過ぎて麺がパサついたりホワイトソースを煮込み過ぎてどろどろしてしまったのがちょっと失敗でした。麺がパサつかないようにするには、麺をゆでる時にオリーブオイルを少し垂らすと良いようです・・・。いずにせよパスタは時間との闘いですね^_^;)
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この本は、現在、地図・ガイドブックの常備商品1600点を抱え、一部上場企業で、年間売り上げ200億円の”世界屈指の地図会社”「昭文社」の創業者「黒田敏夫」の自伝です。
彼は父親が技術者のサラリーマンとして毎日ひたすら務め続けた結果が、わずかな年金と田舎暮らしという現実に希望がなくなり、商人なることを目指し、神戸中央市場の海鮮問屋で住み込みの丁稚奉公として働くこととなります。
そこでは、すずめの涙ほどの給金で朝から晩まで働きづめで、体力や客との駆け引き等処世術や、帳簿付けなどで力を付けていきますが、そのあまりの辛さで辞めたいと思ったことはしばしばあったようです。
あるとき、「少年倶楽部」という雑誌を読んでいると、山陰の武将「山中鹿助(やまなかしかのすけ)」が家督を継いだ際に「願わくは我に七難八苦を与えたまえ」と念じ、あらゆる困難を乗り越えてこそ、強い男になれるということを信じたという話に感動し、自分が恥ずかしくなり、仕事を続けたようです。
しかし、このまま安い賃金で丁稚奉公を続けても独立資金は貯まらないし、男が勝負するなら東京ということで、東京で地図の販売員として外交に出ることとなります。
ここでは、定価の4割が歩合ということで、東京だけでなく夜行列車や飛行機で全国を回り、8年間で2000万円をため、現在の地図の不満を払拭するために、1960年の28歳のときに地図なら何でも揃っている会社を目指して、昭文社を創業したとのことです。
また、アメリカ大使館へ日本で市販されている地図を全て集めて売るという転機があったため、全国の地図の状況が分かり、それを活かすことができたということもあります。
以下は、この本で、私が「なるほど・・」と思ったことです。
この本は、前向きで、ヤル気が起こるよい本だと思います。お勧めです!!
・すべての決断を直感に頼ってきた。判断、決断、実行に3秒以上かけるのは無駄だと思う。
・「利は元にあり」-商売の基本はお客に対していいものを少しでも安く提供すること。値引きが勝負のしどころ
・決定権をもった人を相手にセールスする。(オフィス内に入り込むのが先決)
・セールスは長居は無用
・東京は大手の地図業者や出版社があるため、大阪で創業して東上した。
・「地図ならなんでも揃っている会社」を目指すこだわりが、ユーザーの信頼感を得た。
・札幌で営業所を作る際には、五番館デパート(現札幌西武)の初対面の外商部長に、事務所探しから人員募集の色々な手続きをお願いし、その代わりに必要なものはそのデパートから2割引!?でまとめ買いした。1日で営業所を立ち上げてしまった。
・大阪万博用のカイドマップ作成で、あらゆる出版社に先駆けてスピード出版し、2ヶ月で70万部の大ヒットとなる。
・相手が一方的につくったルールには従わない(銀行との付き合いは、「金利は最低、担保なし、あるとき払いの催促なし」の3条件で通してきた)
・全国の駅売店で地図販売を行い、全国制覇を達成できた。
・地図でも、商品にはデザインが大切。商品の価値とは、それをつくる技術とデザイン性の高さ、値段とのバランスの3つ。
・日本初のグルメマップをつくり80万部を超えるベストセラーになる(東京・横浜・鎌倉たべあるき地図)
・1969年のアポロ11号月面着陸の際には、月面地図の版権は買ったが売れないと判断し、すぐ転売し、未然に失敗を防げた。
・地図を小型化するという変化の先取りに成功する。(ミニミニマップ)
・観光旅行のガイドマップ市場にも進出し、「ミニミニガイド文庫」で成功する。革新、闘う意識は必要
・コンビニにも進出して販路拡大する
・本業以外にも手を出し、NTT株150株の財テクで2億円以上の売却を得て、全社員をヨーロッパ研修へ。ただ株では失敗もし、副業は本業と切り離すべき。
・撤退は再生のための一歩で、失敗からの逃げ足は速く!
<目次>
第1章 2千円が2千万円になった運命の仕事
世界屈指の地図会社
直感こそ「力」
やってきた「人生の転換」
地図業界の全貌をつかむ
”地図王国”ニッポン
目先の利益は追わなくとも
8年間で所持金1万倍!
第2章 七難八苦こそチャンスだ
徹底した現実主義者
「サラリーマンには絶対ならない」
住み込みの丁稚奉公
涙の「おしん」生活のなかで
商売の醍醐味は「駆け引き」にあり
我に七難八苦を与えよ
無鉄砲で道を拓く
第3章 誰もやらなかった全国飛び込みセールス
一攫千金を夢見るセールスマン
表玄関から堂々と
熱意と気合の初セールス
「買ってください」は禁句
「開き直り」でストレスフリー
無差別”徹底”セールスの経験
トップセールスマンの頭のなか
肌がとらえる見えない情報
夜行列車で全国行脚
セールスに長居は無用
「独自の地図」が形成されていく
「一般向けの地図なら売れる」
販売のプロ、経営に乗り出す
第4章 「売る出版」で本領発揮
ビジネスとしての地図制作
昭文社スタートは大阪から
1つのネタで2つの商売
社長自ら店頭回り
「地図ならなんでも揃っている会社」
ライバルとの地図戦争に勝つ
全国制覇をめざして東京進出
一日で立ち上げた札幌営業所
第5章 「即断・即決」で快進撃
めざせ日本一!
万博ガイドマップに賭ける
2ヶ月で70万部の大ヒット
「そちらの勝手な規定にはしたがえません」
老舗の独壇場に切り込む
全国の駅販売店に商品が並ぶ
素晴らしい人たちとの出会い
地図とデザイン性
10年で築いた売れる仕組み
会議や相談は時間の無駄
曲者も使いこなせる会社
海外へと向けられた視線
第6章 グルメブームをとらえた直感
「食べ歩きの地図をつくってみませんか」
グルメブームがやってくる
日本初のグルメマップ誕生
80万部を超す大ベストセラー
何が直感をもたらすのか
失敗を未然に防ぐための習慣
つねに新しい物をつくり出すために
第7章 変化の先取りに成功が待っている
地図を小型化「ミニミニマップ」
あなどれない素人の視点
成功はさらなる成功を生む
”携帯辞典”という発想の転換
経営は”闘い”である
革新を追及すること
創業20年で売り上げ50億円
営業マンのきめ細かなフォロー
基本を基本どおりにやるむずかしさ
販売拡大、コンビニにも進出
第8章 「マップル」誕生、そして店頭公開へ
道路地図戦争-「ミリオン」対「グランプリ」
本末転倒の労働争議には「一切妥協せず」
トップブランド「マップル」誕生
良心に恥じないものづくり
ついに日本一の地図会社となる
「人にやさしい地図」を考えて
女性向け地図「Link Link!」
本業以外にも手を出そう
「NTT会」の財テクで全社員をヨーロッパ研修に
本業とサイドビジネスの区別
店頭公開で50億円の創業者利得
第9章 失敗からの逃げ足は速く
つねに失敗を想定しておく
バンクーバーからの撤退
撤退は再生のための第一歩
「死なない登山家」ドン・加藤
退くことを受け入れる潔さ
韓国昭文社設立は吉か凶か
未回収金1億4千万円の顛末
第10章 地図出版世界一への挑戦
130億円超のデジタル事業SiMAP
孤独な決断が勝利をもたらす
SiMAPで広がるデジタル地図
進退は自分で決めるもの
社長は恐れを感じながら挑戦せよ
アナログとデジタルの共存する世界
海外事業化への熱い思い
ダブリン、カナダでの挑戦
”商売”から”ライフワーク”へ
中国からの客人「方正集団」
夢ははじまったばかり
あとがき
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<今日の独り言>
ホワイトソースのベーコンほうれん草のスパゲティを作りました。なかなか味付けもよく美味しかったのですが、水切りし過ぎて麺がパサついたりホワイトソースを煮込み過ぎてどろどろしてしまったのがちょっと失敗でした。麺がパサつかないようにするには、麺をゆでる時にオリーブオイルを少し垂らすと良いようです・・・。いずにせよパスタは時間との闘いですね^_^;)