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異国トーキョー漂流記(高野秀行)

2006年03月10日 01時00分00秒 | 
<金曜は本の紹介>

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 著者の高野秀行さんは、アフリカに怪獣を探しに行ったり(幻獣ムベンベを追え)、中国の山奥へ野人を探しに行ったり(怪しいシンドバット)、幻のシルクロードを探しにアジアの密林に突入したり(西南シルクロードは密林に消える)、アヘン栽培をする少数民族と生活したり(ビルマ・アヘン王国潜入記)実に破天荒な生活を海外で送っています。

 そんな著者がトーキョーで出会った外国人の8つの物語を記したものがこの本です。

 どの物語も味がある外国人が出てきて、泣き笑い切なさがありとても面白いです。

 自分も近くに外国人がいたら気軽に声をかけてみたいなぁと思ってしまいます。とてもお勧めな本です。

 この著者の他の本も読んでみたいと思います。

 なお、将棋の棋士に同姓同名の高野秀行さんがいますが、この著者とは別人ですのでお間違いのないように・・・

 この本の内容は以下の通りです。

(1)30歳のシルヴィという女性から1時間3000円で、ガイジン長屋でフランス語をいい加減?に教えてもらう話です。またこの女性はパンツ1枚で顔も体も白一色に塗りたくり、ほっそりとした体をくねらせて舞踏する芸術を行っているのですが、その感想をフランス語で訊ねられて著者は困ります・・・でも実は踊っている本人が一番よく分かっていなかったりします・・・

(2)著者はアフリカのコンゴへ怪獣を探しに行くのですが、その前にコンゴの言葉を学習しなければならないということで、コンゴ人からリンガラ語を教えてもらうのですが、そのコンゴ人がマイケルジャクソンを目指していたり、もう1人のコンゴ人からはそんなに知り合いでもないのに結婚式に呼ばれ、またスピーチを頼まれるが、その家族からものすごく感謝される話などほのぼのとした話です。著者はこの縁で大学を卒業できることにもなります・・・

(3)南米のアマゾンへ行くために今度はスペイン語を学ぶことになりますが、今度はスペイン人の32歳の女性で、今度はキチンとした形でスペイン語を教えてもらいます。今回は色々と事情があって、著者の初めての彼女と一緒にスペイン語を学ぶことになるのですが、切ない話へとなっていきます。よくありがちな失敗の話を冷静に分析して書いています・・・

(4)著者が大学を卒業できることになったコンゴ人作家が来日した際に、歌舞伎町や浅草や京都や奈良を案内しますが、日本人よりもコンゴ人の方が色々と詳しかったりします・・・

(5)自称日系3世のペルー人と飛行機の中で知り合い、自分の3畳の部屋に泊めたり歌舞伎町へ連れて行って爆笑されたりし、お世話をする話です。3ヶ月の観光ビザが切れて就労ビザを取得しようとしますが、お祖父さんがウエキ キンタロウと申請するペルー人が半年で100人以上いるということで却下されてしまいます^_^;)

(6)大連で中国語を教えてもらった先生の息子が日本にやってきてお世話をする話です。来日当初はヘビメタドラえもんだったのですが、日本での会社員生活で日本人っぽくなり、彼女もできるという話です。

(7)「フセイン独裁下のイラクで1年間生活する」ということで、来日したばかりのイラク人にアラビア語を教えてもらう代わりに日本語を教え、バイト先を一緒に探して苦労する話です。イラクの実態を垣間見ることができます。

(8)日本のプロ野球大好きなアフリカのスーダンからやってきた盲人の留学生との交流です。著者もプロ野球が大好きで、トーキョードームへ一緒に見に行き、「実況解説ごっこ」で声がらがらになる話です。


<目次>
はじめに
第1章 日本をインド化するフランス人
第2章 コンゴより愛をこめて
第3章 スペイン人は「恋愛の自然消滅」を救えるか!?
第4章 開戦!異国人バトルロワイヤル
第5章 百一人のウエキ系ペルー人
第6章 大連からやってきたドラえもん
第7章 アリー・マイ大富豪
第8章 トーキョー・ドームの熱い夜
あとがき
解説 蔵前仁一

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<今日の独り言>
 1歳11ヶ月の息子は、ついに3を「サッ」と言えるようになりました。後は4と6と8を特訓すれば10まで言えるようになります!やっぱり得意なのは5ですね^_^;)

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