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秋田の子供はなぜ塾に行かずに成績がいいのか(浦野弘)

2009年10月23日 01時00分00秒 | 
<金曜は本の紹介>

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 全国学力テストで、2007年、2008年と2年連続、秋田県の小学6年生は1位になったようですが、この本はその秘密に迫ったものです。

 主に、親が子供を変える方法・教師の育成等・学力を伸ばす学校の取り組み・学習術等について書かれてあり、特に幼稚園生や小学生を持つ親、学校関係者にはとても参考になると思います。

 特に、早寝早起き、朝食をきちんととること、大学生チューター制度、読書、低学年は反復ドリル学習、体力向上等が大切ということがよく分かりました。

 とてもオススメです!!

 以下はこの本のポイントなどです。

・全国学力テストとは、日本全国の小学6年生と中学3年生を対象にしたテストで、正式名称は「全国学力・学習状況調査」といいます。算数・数学、国語の二科目で、それぞれに知識を問うA問題と、知識の活用力を問うB問題の二種類からなります。その全国学力テストで、2007年、2008年と2年連続、秋田県の小学6年生は両科目で1位になり、中学3年生は両科目とも3位以内に入るという好成績を残しています。

・また、同時に行われた学習・生活状況のアンケートである質問紙調査では、秋田の子供たちの授業や学習に向かう姿勢のよさが表れ、それを支える教師・保護者・地域の取り組みが注目されました。

・秋田県の子供たちのほとんどが、毎日30分以上の学習を家庭で行っており、予習・復習を丁寧にしている様子が分かりました。これは、それを導く大人たちの力なしには成し得ません。また、先生方の授業への取り組みに先進性があることも大きく影響しています。情報を覚えるという単純な学習だけでなく、熟考する、評価する、活用するといった作業を必要とする学習が、いい結果を生み出したのは確かでしょう。

・1 早ね早起き朝ごはんに家庭学習
 2 学校の話題ではずむ一家団らん
 3 読書で拓く心と世界
 4 話して書いて伝え合う国語
 5 難問・難題にも挑戦する算数・数学
 6 新発見の連続、広がる総合
 7 きまり、ルールは守ってあたりまえ
 8 いつも気をつけている言葉づかい
 9 説明は筋道立てて伝わるように
10 学んだことは生活で学校ですぐ活用

以上が「秋田わが杉っ子 学びの10か条」です。これは、質問紙調査において、全国平均よりもいい結果を出した項目を組み合わせて作成しており、秋田の子供たちの生活習慣、学習意欲、学校や地域の取り組みを端的に表したものです。

・2007年度、全国学力テストで秋田県がトップになったとき、もっとも驚いたのは秋田県の教育関係者でした。実は、学力テストが中断された1964年当時、秋田県の成績は全国最下位クラスだったからです。問題を深刻にとらえた秋田県は、そのころから様々な取り組みを行ってきましたが、もっとも効果が出たと思われるのが、秋田県教育庁が独自に進めてきた学力調査です。これは毎年小学4年生から中学3年生の全員を対象にして行ってきた学力調査です。このおかげで、全国学力テストが中断されていたあいだも、秋田県では県内の学習状況や学習課題を、しっかりと把握することができていました。各学校へ個々に順位を教えて指導しているようです。

・秋田では地域協力の一例として、県教育庁と秋田大学が連携して、「大学・地域人材活用学力向上チャレンジプロジェクト」という事業を展開しています。これは将来教師を目指す大学生が学校教育現場にボランティアとして出向く活動です。まず大学の学生たちに呼びかけ、希望者を募ります。そこに集まった学生たちがチューター(勉強会などの講師)として、放課後や夏休み、冬休みに小中学校へ勉強を教えに行く、また学校行事の手伝いに行きます。最近では放課後だけでなく、担任教師の手助けをする立場として、普段の授業へ参加するという広がりも見せています。チューターが参加することによって、より多くの質問に丁寧に答えることも可能となり、授業の内容を理解できないままの状態になってしまう子供も少なくなります。

・「秋田わか杉っ子 学びの十か条」のなかに、「読書で拓く心と世界」という項目があります。このように、秋田では以前から子供たちに読書の習慣をうながしてきました。今では全国の小中学校で行われている、毎朝、授業が始まる前の10分間に全校で読書をするというような活動も、秋田は早くから開始した地域の一つです。短時間でも習慣的に本を読むことで、読書に慣れ親しむことができ、文字を読むことで脳が活性化され、その後の授業での集中力も高まります。

・私が教員研修で先生方にもすすめていることの一つが、寝る前の10分間の読書です。自分の好きな本で構いません。親が、子供に読書をしている姿を見せることがとても大切。あるいは、読んでいるところを直接見せなくても、本が家のなかにあるだけで、好奇心旺盛な子供たちに知的興味を与えるには十分です。さらに、親子で読書することによって、共通の話題を持つこともできます。親子でおすすめの本を教え合うのもいいかもしれません。

・全国学力テストの質問紙調査のなかでの質問「普段(月~金曜日)、何時ごろに起きますか」に、「7時より前に起きる」と回答した子供の割合が、秋田県は小学校で91.1%(全国平均+16.6%)、中学校で82.2%(全国平均+18.3%)と全国平均を大きく上回っていました。さらに、「家の人と普段、朝食を一緒に食べている」「今住んでいる地域の行事に参加している」「今住んでいる地域の歴史や自然について関心がある」と回答した割合が、小中学校ともに、全国平均を上回っています。しかも、朝食を食べていると答えた子供の正答率は、食べていない子供の正答率より高いことが分かりました。

・家庭での学習、とくに低学年ならば反復を要するドリル学習が効果的です。

・夏休みだけではなく、普段から家庭で日記や絵日記をつけさせるのも効果的です。そして、日記に書いた事柄に関連する話題がテレビなどで出てきたら、その該当箇所を日記の中から探す。そして、親子でそれについてさらに掘り下げた話をする。そうすることによって、子供たちは「なぜそうなるのか」と、物事の原因と結果を常に考えるようになります。また、それをさらに書きとめることによって、ノートを取る意味を理解し、取り方も洗練されていくのです。

・秋田県教育庁は、全国学力テストで好成績を出せた背景の一つに、大学生チューターの存在を挙げています。比較的年齢が近い大学生の学校訪問は、お兄さん・お姉さんと一緒に勉強をして、様々な話をして生き方に触れるいい機会になります。自らの生き方を考えるきっかけにもなり、その意味では、キャリア教育が自然と行われているといえるでしょう。とくに中学生という多感な時期の子供であれば、なおさらこういった出会いが大きな意味を持ちます。それが学習意欲に繋がっていれば、大学生チューターは成果を上げているといっていいのではないでしょうか。

・2001年から、全県を挙げて「てくてくとくとく歩いて学校へ行こう運動」を始めました。これは、自家用車送迎の自粛を呼びかけ、徒歩通学を奨励する運動です。歩くという行為を日常化させ、慢性的な運動不足を解消すれば、体力の向上や健康の増進に繋がると考えたわけです。この運動には、体力向上だけではなく別の効果もありました。バスや自転車で通っていた子供が、徒歩通学に切り替えるとなると、その通学時間の差だけ早く起きて、家を出なければなりません。そのため早寝早起きの習慣が身につき、朝食をしっかり食べるなど、規則正しい生活が送れるようにもなりました。授業が始まる時間には頭もすっきりと目覚めますから、理想的な状態で学習に臨めます。


<目次>
はじめに---すべての学科で全国トップ
第1章 秋田が大躍進した秘密
 大学進学塾も脱帽
 全国トップになった理由
 秋田の常識「十か条」とは?
 もとは全国最低レベルだった秋田
 様々な学力テストで分かること
 学力低下ではなく「学力格差」
 学校教育の改革が始まる
 大学生の力を活用する方法とは
 即戦力が求められる新人教師
第2章 親の力が子供を変える
 本当に子供のためなのかを重視
 家庭での会話と学力の関係
 地域や保護者の授業参加の効果
 教師との良好な関係を支えるには
 なぜ不登校になるのか
 大人が勉強すると子供は変わる
 ルールを守ることと成績の関係
 テレビも使い方次第で効果あり
 テレビは教材になるのか
 何が子供の表情を奪うのか
 物事の原理について考えてみる
 「勉強は面白い」と思わせるコツ
 自然と机へ向かわせる方法
 朝食を食べるとテストの成績は?
第3章 ベテラン教師の力と若い教師の力
 非効率な研修制度
 地域差をなくすための方策
 小・中連携での改革
 基礎力と応用力のバランスが大切
 子供の歩みを記録する授業
 教育者の自主的な会合と活動
 新しいものを受け入れる県民性
 本当は算数が好きな子供たち
 ほとんどの生徒が英検に合格
 大学生チューターのこれから
第4章 学校を作る地域、地域の中心となる学校
 自ら発見して考えるから面白い
 勝利よりも協力で能力アップ
 本当の意味での総合学習とは
 総合学習は過去に失敗している
 フィンランドの総合学習の秘密
 学力とスポーツの関係
 運動能力を高めた創意工夫
 学力を上げるための生活習慣
 東京都が上位にいない理由
 「夜スペ」和田中は成功したのか
 学習塾の上手な活用方法
 塾で得た知識をさらに広げるには
 学力をさらに伸ばす取り組み
 80人を2人の担任で見る
 学年や教科の壁を越えるために
 これから取り組むべき課題
 知識の活用を学ぶことの重要性
第5章 子供の学力を上げる学習術
 国語における課題点とは
 「読みの技術」がすべての基本
 正しい情報を読み取る力を
 学校間の差と思考活動の関係
 過程を振り返る学習の有効性
 図や表で思考する力を高めると
 「社会や生活で役立つ数学」とは
 分かりやすいノートを作る効用
あとがき---求められる未来的学校像とは


面白かった本まとめ(2009年上半期)


<今日の独り言>
5歳の息子は、おじいちゃんから電車の本やおもちゃを買ってもらって大喜びです。帰る途中なのに、待ちきれずに本を読み出しました^_^;)

コメント
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