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NTTドコモのバフェット流投資判断

2008年01月26日 01時00分00秒 | バフェット流投資判断
<土曜は株のおはなし>

「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」の購入はコチラ  

 「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」という本では、バフェット流銘柄選択術が示されており、具体的には以下の13の質問を満足できれば、その株式を購入した方が良いというものです。

 私はこの本にとても感銘を受け、このブログの左側の方にもオススメな本として紹介している次第であります。

 今回は、NTTドコモについて具体的に判断してみたいと思います。株式投資の参考になればと思います。

 データは、四季報CD-ROMが主ですが、Yahoo(ホームページ)ロイター(ホームページ)MSN(ホームページ)を参考にしました。


1消費者独占力を持っているか?
NTTドコモは、携帯電話シェア6割弱でブランド力が強いため、消費者独占力があると思います。

2事業内容を理解しているか?
NTTグループで携帯電話事業が99%を占めます。


3製品・サービスは20年後も陳腐化していないか?
携帯電話事業は、機器の進化はあっても、20年後も陳腐化しないと思われます。

4コングロマリット(直接の関係を持たない多岐に渡る業種・業務に参入している企業体)か?
携帯電話事業に専業のため、コングロマリットではないと思います。


5 1株当たり利益(EPS)は安定成長しているいか?
 EPS BPS ROE(EPS/BPS) 配当 配当性向 株価(年末) PER(株価/EPS)
2004,3 13,099.01 76,234.00 17.2% 1,500 11.5% 243,000 18.55
2005,3 15,771.01 84,455.27 18.7% 2,000 12.7% 189,000 11.98
2006,3 13,491.28 91,109.33 14.8% 4,000 29.6% 180,000 13.34
2007,3 10,396.21 95,456.65 10.9% 4,000 38.5% 188,000 18.08
平均               15.4%      23.1%      15.49
-7.4% (EPS成長率)
EPSはここ3年は下落傾向です。


6安定的に高いROE(平均)をあげているか?
2003,3 6.30% ←ロイター
2004,3 18.10% ←ロイター
2005,3 19.64% ←四季報、YAHOO、ロイター
2006,3 15.34% ←四季報、YAHOO、ロイター
2007,3 11.14% ←四季報、YAHOO、ロイター
平均ROE 14.1%
ROEは平均で14.1%あり高いと思います。


7強固な財務基盤を有しているか?長期負債/税引利益倍率
1.32
 この本では長期負債となっていますが、有利子負債で計算しました。この負債を返済するのに1.32年かかる財務となります。負債は少ないと思います。


8自社株買戻しに積極的か
MSN(財務諸表→10年間の概括)で10年間の発行済み株式数のデータあり
1998,3 47.9 (百万)
1999,3 47.9 (百万)
2000,3 47.9 (百万)
2001,3 50.2 (百万)
2002,3 50.2 (百万)
2003,3 50.2 (百万)
2004,3 48.6 (百万)
2005,3 46.3 (百万)
2006,3 44.5 (百万)
2007,3 43.6 (百万)
2007年6月の株主総会で、100万株(上限とする) 2,000億円(上限とする)の自社株買いを予定していて、自社株買いに積極的だと思います。


9製品・サービス価格の上昇はインフレ率を上回っているか?
KDDIとソフトバンクと価格競争となっていて、サービス価格の上昇はインフレ率を下回っていると思います。

10株価は、相場全体の下落や景気後退、一時的な経営問題などのために下落しているか?
株価は競争激化のため長期的には下落傾向だと思います。ここ1年では2007年10月に底を打ったような感じです。

11株式の益利回り(今期のEPSを現在の株価で割る)と利益の予想成長率を計算し、国債利回りと比較せよ
2008.1.18の株価 \173,000
A:株式の益利回り(今期のEPSを現在の株価で割る)
6.0%
B:予想EPS成長率
-7.4%
A+B -1.4% :長期投資の期待収益率
国債の利回り
1.723% 10年国債
2.436% 30年国債
米国で当時7%
株式の益利回りは6.0%ありますが、予想EPS成長率が-7.4%あるため、長期投資の期待収益率はマイナスとなっています。


12株式を擬似債券と考え、期待収益率を計算せよ
株主資本の予想成長率
=ROE(1-配当性向)
10.9%
10年後の予想BPS=直近のBPS×(1+株主資本の予想成長率)^10
267,426

10年後の予想株価=10年後の予想BPS×平均ROE×過去10年間の平均PER
\584,252

今後10年間の期待収益率=(10年後の予想株価/現在の株価)^(1/10)-1
12.9%
擬似債券と考えた期待収益率は12.9%と高い値となっています。

13過去のEPS成長率をもとに計算する手法で期待収益率を計算せよ
過去の平均EPS成長率=(直近のEPS/10年前のEPS)^(1/10)-1
-7.4%

予想EPS=直近のEPS*(1+過去の平均EPS成長率)^10
4,812

10年後の予想株価=予想EPS×過去10年間の平均PER
\74,539

期待収益率=(10年後の予想株価/現在の株価)^(1/10)-1
-8.1%
EPS成長率をもとに計算した期待収益率は-8.1%となっています。

<まとめ>
 NTTドコモは、携帯電話事業が主力で消費者独占力があり、事業内容は分かりやすく、サービスは20年後も陳腐化しないと思われ、コングロマリットではありません。また安定的に高いROEで、負債が少ないため強固な財務基盤を有していて、自社株買いに積極的です。

 擬似債券と考えた期待収益率は高く、10年後の予想株価は現在の株価の約3.4倍となります。また株価は下落傾向にありますので、今が買いかもしれません。

 しかし、EPSは下落傾向で、サービス価格は競争激化のためインフレ率を下回っていると考えられ、EPS成長率をもとにした予想株価は、現在の株価の約0.43倍となります。これらを考えるとあまりお勧めできないようです。

 国内の携帯電話普及率はほぼ飽和し、少子化を考えると先行きが怪しいですが、会社四季報によると、海外事業を再強化、国際ローミング収入拡大を目指すようですので、その収益が大きいのであれば買いかもしれません。


株のお話しまとめ(2007年)
株のお話しまとめ(2006年)

<今日の独り言>
 3歳10ヶ月の息子に小学3年生の漢字を覚えさせているのですが、3年生になると、マイナスイメージの漢字を習うんですね・・・。「悪い」とか「苦しい」とか「暗い」とか・・・^_^;)逆に小学1年生や2年生では、プラスイメージの漢字ばかりを習うようです。もうその頃のことはすっかり忘れてしまってますけど・・・^_^;)

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