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ヤマハのバフェット流投資判断

2008年03月22日 01時00分00秒 | バフェット流投資判断
<土曜は株のおはなし>

「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」の購入はコチラ  


 「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」という本では、バフェット流銘柄選択術が示されており、具体的には以下の13の質問を満足できれば、その株式を購入した方が良いというものです。

 私はこの本にとても感銘を受け、このブログの左側の方にもオススメな本として紹介している次第であります。

 今回は、以前紹介した日本、北米、欧州以外の新興国への利益依存度が2006年9月中間~2007年9月中間の間に上昇している主な企業の中からヤマハについて具体的に判断してみたいと思います。株式投資の参考になればと思います。

 データは、四季報CD-ROMが主ですが、Yahoo(ホームページ)ロイター(ホームページ)MSN(ホームページ)を参考にしました。


1消費者独占力を持っているか?
 ヤマハは楽器事業で世界最大で、ピアノ等消費者独占力は持っていると思います。

2事業内容を理解しているか?
 楽器事業で世界最大で、携帯電話用音源LSIでトップです。中国市場深耕も本腰を入れているようです。楽器59%、AV・IT13%、電子機器・電子金属10%、リビング8%、レクリェーション3%、他6%で、海外比率は47%もあります。

3製品・サービスは20年後も陳腐化していないか?
 楽器事業は20年後も陳腐化しないと思います。


4コングロマリット(直接の関係を持たない多岐に渡る業種・業務に参入している企業体)か?
リビング事業(キッチン バス等住宅設備機器)、レクリェーション事業(リゾート施設の運営)が気になりますが、その割合は低いのでコングロマリットではないと思います。リゾート施設は売却し、特に音楽事業に回帰しているようです。

5 1株当たり利益(EPS)は安定成長しているいか?
     EPS BPS ROE(EPS/BPS) 配当 配当性向 株価(年末) PER(株価/EPS)
1998,3  65.25 1,123.09  5.8%      10   5.3%   1,480     22.68
1999,3  -76.89 1,040.56 -7.4%      6   -7.8%   1,170     -15.22
2000,3 -197.45 1,073.75 -18.4%      3   -1.5%   664     -3.36
2001,3  64.50  952.62  6.8%      7   10.9%   1,120     17.36
2002,3  -49.75  978.15 -5.1%      8   -16.1%   970     -19.50
2003,3  86.65  1,040.06 8.3%      10   11.5%   1,097     12.66
2004,3  210.63 1,259.28 16.7%      15   7.1%   2,105     9.99
2005,3  95.06 1,334.51 7.1%      20   21.0%   1,564     16.45
2006,3  136.04 1,532.62 8.9%      20   14.7%   1,961     14.41
2007,3  135.19 1,680.91 8.0%      20   14.8%   2,520     18.64
平均   3.1% 7.0% 7.41
8.4% (EPS成長率)
 EPSは1999~2002にかけてマイナスとなったりして、安定成長とはいえないようですが、ここ5年はプラスとなっているようです。

6安定的に高いROE(平均)をあげているか?
2003,3 8.60% ←ロイター
2004,3 18.40% ←ロイター
2005,3 7.36% ←YAHOO
2006,3 9.51% ←YAHOO
2007,3 8.41% ←YAHOO
平均ROE 10.5%
ROEは平均10.5%あり、まあ高いと思います。


7強固な財務基盤を有しているか?長期負債/税引利益倍率
0.92
 この本では長期負債となっていますが、有利子負債で計算しました。この負債を返済するのに0.92年かかる財務となります。負債はかなり少ないと思います。


8自社株買戻しに積極的か
MSN(財務諸表→10年間の概括)で10年間の発行済み株式数のデータあり
1998,3 206.5 (百万)
1999,3 206.5 (百万)
2000,3 206.5 (百万)
2001,3 206.5 (百万)
2002,3 206.5 (百万)
2003,3 206.1 (百万)
2004,3 206.2 (百万)
2005,3 206.1 (百万)
2006,3 206.1 (百万)
2007,3 206.1 (百万)
 自社株買戻しには積極的ではないようです。


9製品・サービス価格の上昇はインフレ率を上回っているか?
 製品価格の上昇はブランド力があるため、インフレ率を上回っていると思います。

10株価は、相場全体の下落や景気後退、一時的な経営問題などのために下落しているか?
 2005年1月から2008年1月まで上昇傾向でしたが、それ以降は相場全体の下落のせいか、下落傾向にあります。

11株式の益利回り(今期のEPSを現在の株価で割る)と利益の予想成長率を計算し、国債利回りと比較せよ
2008/3/14の株価 \1,946
A:株式の益利回り(今期のEPSを現在の株価で割る)
6.9%
B:予想EPS成長率
8.4%
A+B 15.4% :長期投資の期待収益率
国債の利回り
1.723% 10年国債
2.436% 30年国債
米国で当時7%
長期投資の期待収益率は15.4%と高い値となっています。

12株式を擬似債券と考え、期待収益率を計算せよ
株主資本の予想成長率
=ROE(1-配当性向)
9.7%
10年後の予想BPS=直近のBPS×(1+株主資本の予想成長率)^10
4,252

10年後の予想株価=10年後の予想BPS×平均ROE×過去10年間の平均PER
\3,296

今後10年間の期待収益率=(10年後の予想株価/現在の株価)^(1/10)-1
5.4%
 株式を擬似債券と考えた期待収益率は5.4%程度です。

13過去のEPS成長率をもとに計算する手法で期待収益率を計算せよ
過去の平均EPS成長率=(直近のEPS/10年前のEPS)^(1/10)-1
8.4%

予想EPS=直近のEPS*(1+過去の平均EPS成長率)^10
304

10年後の予想株価=予想EPS×過去10年間の平均PER
\2,251

期待収益率=(10年後の予想株価/現在の株価)^(1/10)-1
1.5%
 EPS成長率をもとにした期待収益率は1.5%とそんなに高くはありません。

<まとめ>
 ヤマハは、楽器事業で世界最大で消費者独占力はあり、事業内容は分かりやすく、その製品は20年後も陳腐化しないと思われ、コングロマリットではないと思います。

 EPSはまずまずの成長率で、ROEもここ5年平均は10.5%もあり、負債はかなり少ないです。また、株式の益利回りは15.4%とかなり高く、相場は下落傾向にあるので、今が買いかもしれません。

 ただ、自社株買戻しには積極的ではなく、EPS成長率をもとにした期待収益率は1.5%とそんなに高くはありません。

国内減少を特に新興国など海外で、今後どのぐらい増やすことが出来るかが鍵だと思います。

バフェット的にはギリギリ買いだと思います。"



株のお話しまとめ(2007年)
株のお話しまとめ(2006年)

<今日の独り言>
 3歳11ヶ月の息子が短期間で自転車に乗れるようになったと思っていたら、激しく転んでしまい、それ以来怖がって乗らなくなってしまいました・・・。残念。まだ地面に足が着かないというのは問題ですね。またチャレンジです!

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