おぢのニセコ山暮らし

山暮らしと世間のあれこれを書き綴ります

死ぬシステム

2006年04月05日 | Weblog
           (札幌大通公園は春の気配じゃ)


富山で、医師が末期がん患者7人の人工呼吸器をはずしたことが過日明るみに出た。
地元警察はこの医師を、殺人、嘱託殺人などの容疑で捜査しておるのだという。
この件に関していえば、末期がん患者を抱える身内ゆえ、いささかなりとも言う権利がある、と思っておる。

結論からいえば、この国には、キチンと死なせるシステムがない。
ヨーロッパのあちこちでは、すでに積極的な安楽死が定着しておる。
積極的な安楽死とは、本人、家族の同意があれば、薬品の投与で安らかに死ぬことができるシステムじゃ。
北欧では末期がん患者がこうして安らかに逝くことができる。

ひるがえって、わがニッポンでは、まだ「消極的な死」すら認められてはおらん。
消極的な死ってのは、たとえば今回のように、末期がん患者の人工呼吸器をはずすこと。
こんなことでさえ、担当医師は刑事事件の被告になりかねない。
50年は遅れてるおるね。

うちのババは元気なときから「白菊会」に入っておった。
白菊会は死後、北海道大学に献体するための会じゃ。
ようするに、遺体を医学生の皆さんに提供する会なのよ。

そこまで決めておるババゆえ、意識もなく人工呼吸器だけで生きておることに満足などするはずがないと、アホ息子は推察する。
痛みがあるなら、トットと楽に逝かせてあげるのが親孝行ってもんだ、と思っておる。

なにせ末期のガンなのだ。
この先、バラ色の未来などまったくないわけで、身近に迫ったその時には、苦しまないようきっちり決着をつけるのが正しいことだと思っておる。

04年、北海道の羽幌病院で、患者の人工呼吸器をはずした医師が殺人容疑で書類送検された。
家族の同意があったにもかかわらずじゃ。

今回の富山の医者が、この事件を知っておったのか、知らんかったのか。
そこらあたりは判らんけど、いまのニッポン国では、すんなり認めてくれんことをしちゃった。
きっといい医者だけど、アホウじゃ。

もうこんな良心的な医者?にしんどい思いをさせるのは、いかがなものじゃろか?
小泉あんちゃんは、この国の経済をハチャメチャにして毎年3万人が自殺する。
これがもう何年続いているの?
生きていたかった、生きることができた人の死を放置して、あきらかに先のない末期がん患者を楽に逝かせてやるシステムがないってのは、まったく変じゃ。

いびつなこの国のシステムに未来があるとはとても思えんね。
こんなことすら議題に上らん国会ってなんじゃろねぇ~
ジャマしてるのは、宗教団体かぁ!?