グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

聖夜~ヒイラギ系

2009年12月25日 | 植物
 クリスマスの聖なる夜。Holy night:ホーリー ナイトに、ちなんで、Holly(Lの小文字が1つ多い)について少し。

 アメリカ映画の中心地Holly-woodの「ホリー」はヒイラギのことです。ヒイラギはリース飾りに使ったり、今日頂いたポストカードにも赤い実とトゲトゲした葉がデザインされていました。欧米でクリスマスに飾るのは、セイヨウヒイラギ、アメリカヒイラギで、最初と次の写真は、その近縁種のシナヒイラギです。こちらは、葉には鋭いトゲがありますが、全体に丸みのある葉で、この時季に直径1センチほどの赤い実をつけます。原産地は中国で、チャイニーズ・ホリーとも呼ばれます。



 シナヒイラギやアメリカヒイラギは、モチノキ科ヒイラギ属で、庭木などとして移入されたものです。マンリョウと同じような赤い実ですが、鳥たちはヒイラギの実の方がお好みで、ほとんどの実が食べられてしまいました(涙)

 それで、この写真は10日程前に撮っておきました(勝!)




 こちらが、本物のヒイラギです。というのは、ウソです(笑) 失礼しました、上の写真は、ヒイラギの葉の「そっくりさん」で、ヒイラギナンテンといいます。これも庭木としての移入種で、江戸中期に中国・台湾方面から渡来したそうです。春に黄色い花をたくさん房状に付け、秋に黒紫色の実になります。写真のボツボツは、これから春に向かって大きくなっていく蕾(つぼみ)の子どもです。



 こちらは、ホソバヒイラギナンテン。上のヒイラギナンテンと同じく、メギ科ヒイラギナンテン属。秋に黄色い小さな花を房状にたくさん付け、次の年の2~3月に黒に近い藍色の実に熟します。こちらも中国原産で明治初期に移入されたそうです。「南天:なんてん」の近縁種だけあって、どちらも薬用にされます。

 それで、次に国産の純正「ヒイラギ」を登場させるはずだったのですが・・・(汗)、写真が間に合いませんでした。(!涙!)
 メンバーから「大島公園にある!」「元町の○○にある!」と情報をもらったものの時すでに遅く、時間切れでした。今度、節分までに写真を撮っておきましょう。
 図鑑によると、ヒイラギは福島以西の本州・四国・九州・沖縄・台湾に分布しています。残念ながら大島には自生していないらしく、『伊豆大島の植物』総目録に記載がありません。

          ≪ここにヒイラギの写真が入る予定≫



 
 (上の写真は、後から撮って入れました。お正月でも花が少し残って良い香りをさせていました。)


 この国産ヒイラギは、モクセイ科モクセイ属で、11月頃香りのよい白い花を咲かせます。翌年の初夏に黒紫色の実が熟しますから、クリスマスに使うわけにはいかないですね。

 「木」偏に「春」は、椿:ツバキで、「木」偏に「冬」が、柊:ヒイラギです。大島は常春(とこはる)の島と言われる椿の島なのでした!

 なお、タイトル「ヒイラギ系」の「系」は、「科」や「属」のような学術的な意味は一切ありませんので、念のため(笑)

 今年の私の日記担当は、今夜が最後です。

 皆さま、どうぞ良いお年をお迎えください。  (なるせ)

コメント
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