グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

クリスマスイヴの勉強会

2009年12月24日 | 植物
今日も勉強会で山を歩いてきました。
テーマは“逞しく生きる植物の姿が楽しめるコース”を一番リクエストの多い半日でどう時間配分するか…でした。

まずは普通に山頂へ。

あら!伊豆半島を解説した看板が飛んでいます!数日前の西風のせい?

まだ新しい看板を吹き飛ばすとは、恐るべし風の力!
特に山の縁は平地の何倍にも風力がアップするので、相当な力が加わったのでしょうね。

お客様を案内する時にはくれぐれも慎重に行かなきゃ~、などと考えながら歩いていたら
足元に森の中でよく見かける葉があることに気づきました。シュスランの葉です!

シュスランは常緑の森の半日蔭の環境に生える植物です。
(シュスランの花が見たい方は9月17日の日記をご覧ください。)

それがなぜ風が強くて日が当たり、土の栄養分も少ない火山の頂上付近にあるのでしょう?
不思議です!!

ランの種はとても小さくて軽く、風に乗ってかなりの距離を移動するそうです。
このシュスラン達の種も風に乗ってたまたまこの場所に降り立ち、
山にかかる霧の水分とイタドリの葉が作る日陰で、何とか生きてきたのでしょうね。


けれど今は冬。日蔭を作っていたイタドリも葉を落してしまいました。
まるで落ち葉の蒲団の中で暖を取りながら、冬を越そうとしているかのようなシュスランの葉っぱ達。
彼らは無事ここで生きられるのでしょうか?また時々様子を見に行かなくちゃ…。

温泉ホテルに向かう道では散り始めたマユミの葉がボロボロでした。
「前はここにミノウスバが居たんだよね。寒くなったからさすがに居ないよね~。」なんて話をしながら葉をめくってみたら…
シャクトリ虫が出てきました!

急に葉をめくられて、かなり慌てて動き回っています。

ヒトスジマダラエダシャクというマユミやツルマサキを食べる幼虫のようです。
もう冬になるというのに幼虫のままで大丈夫なのでしょうか?
ムシャムシャ食べていたであろうマユミの葉は、あと少しで完全に落葉してしまいそうなのですけど?
まあ、ツルマサキは常緑だから、運良く見つけられれば食べ物はありそうですが…。

薄暗い森の中では今回も、イヌツゲの明るい緑色の葉が目立ちました。
でも周囲のイヌツゲは皆濃い緑の葉を身にまとっています。
そういえば新しい葉が出てくる季節ではないような…?

どうやら木の幹をバッサリ切り落とされたものだけが新緑の色の葉を伸ばしているようです。

太陽の光を受け止めて、生きるための栄養を作りだす大切な葉。
その葉が全く無くなってしまった木は慌てて新しい葉を伸ばし、葉が沢山付いている木はひっそりと冬に備えているのかもしれません。

ところで、今日はクリスマスイヴです!

勉強会の帰り道、林道でイヴにピッタリのクリスマスカラーを見つけました。
たわわに実ったアオキの実です!

アオキの実は鳥たちに人気があるようで、赤くなったと思うと数日で食べられてなくなってしまうような気がします。
それなのにこれほど沢山の実が残っているとは!

イヴの日にツヤツヤ光る緑と赤の色を楽しませてくれるために、鳥たちが残しておいてくれたのかもしれませんね。

ということで(どういうこと?)
メリークリスマス!!

(カナ)
コメント (2)
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