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グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

冬がはじまるよ

2009年12月06日 | 
 12月に入って今日で6日目。さすがに気温が低くなってきましたが、昨夜は雨が降ったためかまだヒキガエルが何匹も道路を歩きまわっていました。 
 今日のように晴れた日にはカネタタキの声がまだ聞かれています。
 時々蛾の仲間や成虫で越冬するチョウの仲間を見かけることもあります。

 しかし、やはり冬は多くの生き物にとって厳しいもの。特に昆虫たちはその種類によって卵を残して死に絶えたり、蛹になって春を待ったり、様々な方法で寒さをしのぎ、捕食者の目を逃れ、また数ヵ月後にやって来る春を謳歌します。

 夏から秋にかけて伊豆大島を彩り賑わしていた虫達。彼らはそっと命をつなぎ静かだけれども力強く生きています。
 
 朝、家の近くで画像のヒメクダマキモドキの雌が横たわってるのを見つけました。もう死んでしまっているのかと思い拾い上げると弱々しく脚を動かしました。 その姿になんとも言えない気持ちになって冷たいアスファルトの上から土の上に移動させてやりました。

 彼女の命はあとわずか。一夏の命を懸命に生きたのでしょう。自力で移動することも出来なくなってもその眼には「誇り」のようなものが見えたような気がして、敬意を表したくなりました。
 彼女の最後の瞬間を写真に撮り、その生き様から誰かが何かを感じてくれたら、と思いこのブログを書いています。

 たった数ヶ月を生きる虫たち。卵を残し、冬の訪れとともにその命を終える。来年の春に生まれ来る決して見ることのない我が子らに全てを託して。
 
 そしてその営みは来年も、再来年も繰り返され、我々人間を包み込んでいる大きな世界を支えてくれているんだと気付きました。彼らの命は短いように感じるけれども、その命は脈々と太古から受け継がれてきているものであるということに。

(あまの)
コメント
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