グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

本土と大島

2010年05月13日 | 植物
昨日、FIT(森林インストラクター東京会)の荘司さん、
4日間ダイビングをされたお客様、鴻池と私の計4名で山を歩きました。

荘司さんは里山をフィールドとして様々な活動をしている方で、
大島と本土の、植物、虫、鳥などの共通点や相違点など
興味深い話を沢山聞きながら、とても楽しい時間を過ごしました。

たとえば今、山で花期真っ盛りの通称マムシグサの仲間ですが、
本土では花の大きさが大島の2倍ぐらいあるそうです。

大島のマムシグサの仲間は何で花が小さいのでしょうか?
もしかしたら、花粉を媒介するハエが本土と大きさが違うとか???

しかし、これは例外!

超巨大なマムシグサをみつけました。
こんな大きなマムシグサを見たのは初めてだったので大いに盛り上がりました!

その大きさをたたえて、さらにアップの1枚。


そして、オオモミジの新緑を前に、“一斉開葉”という葉の開き方を教えてもらいました。

オオモミジは冬芽の中に小さく畳まれていた1年分の葉を約1週間の間に全て開ききり、
それ以降は新しい葉をつけないのだそうです。

確かに目の前のモミジは明るい、爽やかな緑色の葉を一面に広げています。
紅葉の時には様々な色を楽しませてくれるモミジですが、この華やかな緑一色の景色もとても綺麗ですね。
何だか気持ちがすがすがしくなる春の色です。

新緑に見とれていたら、上から小さな黄色い粒が降ってきました。

イタヤカエデがもう受粉を追え、花を落としていたのです。
おしべと花弁だけの黄色の小さな花が、あたり一面に散っていました。

オオモミジもイタヤカエデも一年分の葉を一気に開いたと思ったらあっという間に花をつけ、
受粉が済むとさっさと散ってしまうのですから何とも潔い樹木ですね~。

そして、山を下ってきたら、私の大好きなオオバエゴノキの花が咲き始めていました。
本土のエゴノキより葉も花も大きいそうです。
(大島ではオオバエゴノキはイズサと呼ばれています。)

この木の真下に立って上を見上げると、頭上を覆う可憐な白い花の隙間から空が見えて
なんとも言えない幸せな気分になります。

私はこの、花の天井が大好きです。

芳香を放つ木の花と、忙しく飛び回る虫たち。
見るものが多くて中々前へ進まない、最高に面白い季節がやってきました。

週末の山歩きも楽しみです!

最後に、今回一緒に歩いたFITの荘司さんから著書をいただきました。
里山生きもの博物記 (Nature discovery books)

里山の四季の、自然の魅力が満載の本です。
水が乏しい大島とは全く違う環境の、里山で暮らす生き物たちの姿は、とても新鮮で魅力的です。
ご一読をお勧めします。

島の方で一度内容を見てみたいと思われる方は、お貸しすることもできますので、いつでもご連絡ください。

(カナ)
コメント (2)
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