グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

イイジマムシクイ

2010年05月29日 | 
鳥を知らない人にとっては「なんじゃそりゃ?」な名前でしょう(笑)
イイジマは人の名前、動物学者の飯島魁(いいじま いさお)氏からです。

ウグイスやセッカと同じウグイス科の鳥で日本には夏にやって来る夏鳥です。
しかし三宅島や八丈島、南西諸島などでは冬にも観察例があります。
その分布は局地的で渡りの時期には本州の太平洋側で見られることもありますが、繁殖は島嶼部(特に伊豆諸島。他にトカラ列島)に限られています。
世界的に見ても希少種で天然記念物に指定されています。

この仲間は地味でこれといった特徴もなくほかのムシクイ類との識別がかなり困難です。
特にセンダイムシクイと。

でも私は「これはイイジマムシクイだー!!」と大威張りで言えます!

なぜかって?

それは大きな声でさえずっていたからです。

「ショリショリショリ・・・」とか「チョリチョリチョリ・・・」と聞こえる声や「チョイーョチョイーョチョイーョ」という南国風な鳥(?)を思わせる声、「チー、チー」とメジロに似た声も出します。

今の時期にこんなさえずりをする鳥はイイジマ君のほかにいません。




今日は天気が悪くなるという予報だったので、昨日の午後毎年イイジマムシクイがやって来る山へ行ってきました。

八丈島や三宅島ではあちこちにたくさんいるというイイジマムシクイですが、ここ伊豆大島では限られた場所に少数しか生息していないのです。
私の観察がまだまだ足りないのでしょうか?
でも去年は元町の林道や、なんと自宅でもさえずりを聴きました!
さすが、鳥です(笑)



この場所に来れば声は必ずと言っていいほど聴くことができます。
しかしその姿を見るのはなかなか難しいのです。
いつも声が聴こえてくる沢のほうへ森を少し入ってみました。
落ち葉がふかふかです。


切り立った沢の縁でしばらく待つことにしました。


聴こえてくるのはオオルリ、ホトトギス、ウグイス、ホオジロ、メジロ、カラスバト、シジュウカラ、コジュケイ・・・そしてイイジマムシクイの声。

イイジマ君には縄張りがあって、その中をぐるぐる回っているようです。
沢の上のほうで鳴き声が聴こえたり下のほうで聴こえたりしています。
んー・・・なんとなく近づいているような、いないような~。



そんなこんなで40分近く経ったころでしょうか。

突然、私のすぐ目の前の枝にやって来たのです!
んもう、ビックリです。



ひゃー!!
元気にさえずっている!!
3~4メートルくらいの距離です。




少し上の枝に飛び移りました。



丸まってる~。
かわいいねぇ~。

かなりの枚数撮ったのですが、シャッター音をまったく気にしませんでした。
いい子いい子(笑)





頭央線(とうおうせん)がないのがセンダイムシクイとの識別点のひとつです。



この場所でさえずっていたのはほんの3分ほどでした。
私には至福の3分でした。

これを僥倖と言わずしてなんと言おう!!(大袈裟?)




そして昨日は更なる驚きがありました。




じゃーーーん!!







サンコウチョウのメスです。

初めて見たのだって去年の秋なのに、今年の初夏にも見ることができるなんて!!

イイジマムシクイを待っているときに近くでヤマガラが騒ぐので見てみると、このサンコウチョウがオタオタしていました。
ヤマガラは1羽でしたが物凄い剣幕で怒っていて、メジロやウグイスが「ナンダナンダ!?」と見に来ていました。

一体なにがそんなにヤマガラの気に障ったのでしょうか?

このサンコウチョウがヤマガラに負けずに(笑)、大島で伴侶を見つけて子育てしてくれるとうれしいです。







そして本日のオマケ。
今日のシノリガモです。



相方はいなくなっちゃったけど、1羽がまだ残っています。







今日出会った鳥たち(声のみを含む)
ウミウ、シノリガモ、オオミズナギドリ、オオセグロカモメ、ウミネコ、クロサギ、キアシシギ、トビ、コジュケイ、キジ、キジバト、ホトトギス、アマツバメ、ツバメ、イソヒヨドリ、ウグイス、セッカ、イイジマムシクイ、オオルリ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト


         がんま

コメント
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