グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

コバンソウ

2010年05月23日 | 植物
この時期、普通の(?)道を歩いていて目に留まるのが風に揺れるコバンソウです。

店の前のズラリと並んだコバンソウ。

これを見た人の感想は「綺麗!」と「虫みたいで気持ち悪い。」との2つに分かれるようですが、
皆さんはどんな感想を持たれますか?

私は、振るとシャラシャラ音がするこの草が、陽光を受けてキラキラ輝くのを見ると
「綺麗だな~。」と思います。

どうでしょう?

輝く“小判”に見えますか?

コバンソウはヨーロッパ地中海沿岸地方が原産のイネ科植物で、
日本には明治初期に園芸用として渡来し、野生化したようです。
大島でも日の当たる道端で元気に生きています。

ところで以前、コバンソウの穂を見た方から
「これって花ですよね?」と聞かれて答えに詰まったことがあります。
ジックリ観察したことが無かったので、コバンソウの花の仕組みがわかりませんでした。

それで今年は、店の前のコバンソウを観察してみることにしました。

5月9日、コバンソウの脇から何か出ているのを、一緒に観察していた小学生が発見。

花粉を中に溜め込んだクリーム色の袋(葯)を持つ“おしべ”と、花粉をキャッチする仕組みを持つ“めしべ”です。
あたりを見回しましたが、こんな風になっているのはまだわずかでした。

5月12日、“おしべ”がたくさん伸び始め、一部花粉を飛ばし終わってシワシワになっていました。

この“めしべ” “おしべ” “それを包んでいる薄い緑色の皮(?)”を1セット毎に“小花”と言うようです。、
あちらこちらから“おしべ”や“めしべ”を伸ばし、どうやら花の盛りのようでした。

5月22日、2割ぐらいが黄色く枯れたような色になって、穂が地上に落ちているものも出てきました。
穂の中はどうなっているのでしょうか?

のぞいて見たら、中が空っぽになっているものが多く、一部はこんな感じに…。

花粉を飛ばし終わった袋が、まだ落ちずに残っていました。

しかし、種はどこでしょう~?
「中身が無い~!」などと言いながら穂を解体したところ…
小花の根元が膨らんでいるのを発見。
ここに種ができてくるみたいです。


今まで全然知らなかったコバンソウの花の仕組みが、少しわかってスッキリしました。
これで「花ですよね?」の質問にも、次からは答えられそうです。(笑)

できた種がどうなるかまで、見とどけたいな~。

(カナ)

コメント (2)
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