グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

第一中学校・ジオパーク学習

2014年03月13日 | 火山・ジオパーク
昨日、表題の校外学習が行われ、小川氏(シーサウンド)と私がガイドを担当しました。
3日前の校長先生との現地打ち合わせで、生徒さんたちに「紹介しよう」と決めたものは…

もともとあった火山灰を、27年前の溶岩流が赤く焼いていった部分。

溶岩流や土石流、空から降って積った溶岩などが島の地面を作っていることを伝えたかったのです。

しか~し!
昨日は強風で火山灰が舞い上がり、みんな「寒い~」「目が痛い~」と不快そう…。

火山灰、恐るべし!

災害直後は、流木と土砂で満杯だった“長沢砂防ダム”にも注目。
(写真は、昨年の10月20日撮影)




溜まっていた土砂をどけて、今ではすっかりキレイになりました。

これならダムとしての機能は果たせそうですね。

土砂流の表面で、新しい葉を出したイタドリも観察しました。

さすがイタドリ、逞しいです。

ここで皆に見てほしかったのは、この場所。

左側の大小さまざまな白い石が混ざっている厚い地層は、およそ1700年前、山のてっぺんが吹き飛んで大きな穴(カルデラ)が開いた時の噴火の、土石流が積ったもののようです。(火山専門家の間では“S2”と呼ばれています)

これからもこんな大きなことが、起きる可能性もある大島。
このことを、生徒さん達にどう伝えればいいのか…事前にかなり、悩みました。

そして、果たして本当に避難ができるのか?

その答えを専門家に聞いて、全員への配布資料にまとめました。

私たちはある程度のリスクを覚悟しつつ「学んで逃げる」しかなさそうです。
しかし…ズッシリ重い学習テーマでした…。

最後に、大きく崩れた壁面を双眼鏡で観察。

みんな楽しそうに、交代で双眼鏡をのぞいていました。

赤い壁が、良く見えたかな??


さて、後半は長根岬で、クイズです。
6班に分かれて、相談して答えを出してもらいました。

ここも強風でしたが、火山灰が舞い上がっていないだけ楽でした。

質問1「もう1本の、海に突き出た溶岩はどこ?」(70年ほど前の米軍航空写真を見ながら)
これ、ほとんどのグループが「桟橋じゃない?」と当てていました。

質問2 目の前の伊豆半島の500万年前の姿はどれ?
4択で…○今と同じ ○南の島の火山島 ○地下にあって地震で出て来た ○同じ場所でひとつの大きな山だったのが崩れた。

これはスマホアプリをゴシゴシすると回答が出てくる…というように準備したのですが、私の方のiPadの調子が悪く、30人でひとつの小さな画面を見ることに…(汗)

質問3 火山を100歳まで生きる人に例えたら、富士山は何歳?大島は何歳?
この答えは、グループごとに様々でしたが、全員が「富士山の方が年上」と思っているのがわかって、面白かったです。

このあと双眼鏡で伊豆半島の溶岩流跡を観察しようと思っていたのですが、残念ながら全く見えませんでした。こんど天気の良い日にしっかり写真を撮っておかなければ…。

ところで、昨日は気象庁から「はれるん」が駆けつけてくれました。
「はれるん」大モテです!

「はれるん」は今日離島するとのことだったので、会えて良かったです。
気象庁の皆さん、忙しい中ありがとうございました。

(今回の私が写っている写真も気象庁の加治屋さんにいただきました。)


(カナ)










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