グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

室戸ジオパーク報告・その2「宝の山」

2015年12月04日 | 火山・ジオパーク
室戸ジオパークでは、滞在中に様々な場所に案内していただきました。
そして「素晴らしい~!」とコーフンした場所がいくつもありました。

備長炭窯元「炭玄」

大学のゼミで室戸ジオパークに来たのがきっかけで、ここで働き始めたというHさんが、資料を使って説明してくれました。移住体験で室戸滞在中の若いご夫婦も一緒です。

「炭にする木の太さは、だいたいこれぐらいです」とHさん。

(炭になるとこれが重さは10分の1、太さは3分の1,長さは10分の7になるそう)

釜に木を入れる時の様子の説明は、写真を使って…。


釜から出した時の写真がマグマ色(?)だったので、親近感を持って温度を聞いたら「1200度ぐらい」とのことでした。

(かなり近い…)

黒炭と備長炭の違いも実物で説明してくれました。

左が黒炭です。
きちんと説明資料も整えられていることに感心しました。

オーナーの黒岩さんは、自分が炭焼きをして大変だったので、通常9時~17時、窯出しの時は交代制という若者が働きやすい環境を作り、移住してくる若い人の職場を作っているそうです。(17時以降は釜に蓋をして休ませるので、炭ができるまでに20日と通常よりも日数がかかるそうです)ジオパークにも積極的に関わってくれているとのこと。http://www.pref.kochi.lg.jp/~chiiki/iju/shoukai/topics/【室戸市】高知で働く%E3%80%82『土佐備長炭%E3%80%80窯元-炭玄/

青のり養殖施設「うみ路」
大学で海藻の研究をしているという蜂谷さんの施設。

ここで室戸の海洋深層水を使って青のりを養殖し販売しているそうです。

蜂谷さんは「室戸は大きな地震で新しい地面ができる場所だから、急な崖があり、海の中も急に深くなっていて、その地形を利用して水深374mから深層水を取水。その水は光合成に栄養分が使われないため栄養分が多い。その水を使って育てると、青のりが良く成長する」という内容のことを、順を追って現場でわかりやすく説明してくれます。


これはひとつの海藻ではなく、何本もの海藻が絡み合ってできているのだそうです。


海藻を育てた排水でアワビやトコブシを養殖できないかの研究もしているそうで…

食べた海藻の色によって貝の色が変わると言うことも教えてくれました。(左は紅藻を食べて育ったもの)

蜂谷さんもジオパークに積極的に関わってくれ、青のり収穫の体験プログラムなども行っているそうです。若い人々が新しい発想で室戸に住み着き、自分で仕事をしていることに驚きました。(もっと詳しい活動を知りたい方はこちらへhttp://www.shikoku.meti.go.jp/shikokubito/interview/43/

室戸世界ジオパークセンター


黒板を意識して作ったという説明板や…


展示されている地元食材を…

丸い台の中央に置くと、次々に説明文が現れる参加型の展示が面白かったです。

センター内に、地元食材にこだわった料理を出してくれるレストランや、地元素材を使ったお土産屋さんがあり…

その中のひとつが、今回とてもお世話になったガイドの北村さんの作っているドライフルーツです。

砂糖を全く使わない、フレッシュな味!
もうメチャクチャ美味しくて、すっかりファンになりました。
(ぜひ通販始めてほしい…)

アクアファーム(深層水の資料館)、もしっかり室戸の地形と深層水との関わりが説明されており、ここを最初に訪れて水中の地形の成り立ちを説明した後、フィールドを歩くことも多いそう…。




そして室戸の古い町並みには、通り抜ける台風の中でも丈夫な、瓦屋根を使った平屋が残り…

道の中央には地震でできた段差が…これを見て「室戸」を実感しました。

ダイナミックな室戸岬の風景ももちろん素敵ですが、人も産業も宝の山でした。
室戸世界ジオパーク、面白いです!!

(カナ)
コメント
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