グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

箱根ジオパークの皆さんと歩きました。

2015年12月24日 | 火山・ジオパーク
一昨日、箱根ジオパークの皆さん(研究者の方、ガイドさん、事務局の方など13名)がツアーをリクエストしてくれたので、一緒に歩きました。

山頂口~火口~裏砂漠~樹海と歩く予定で出発。

まずはフレッシュな縄模様の溶岩を、見ていただきたくてここへ。

温泉地学研究所の萬年先生、「縄模様の刻まれた溶岩のイスでくつろぐ」の図。

「ブラタモリを伊豆大島に呼んだ方がいい」とアドバイスをいただきました(^▽^)

ガイドさんの中には箱根で植物のガイドをされている方もいて、皆さん熱心に観察。

1人の方から「ハナヤスリはありますか?」と聞いた事のない植物の名前を言われて、ビックリしました。

その方は、小さな2枚の葉を持つ小さな植物を指さしていました。
「これシダですよ。胞子嚢が出ている」(写真ボケていてすみません)

そう言われてよく見たら、確かに茎だと思っていたものは胞子をつけた葉でした!
イヤ~、驚きました。

少し詳しく調べて見ないとわかりませんが、もしかしたら大島初記録かもしれません。
スバラシイ~。

そして別のガイドさんからは、崖の上のこの景色を見て「1986年の溶岩はどこまで流れたんですか?」という質問がありました。

「右側の黒く盛り上がった部分には植物が見えないが、左側には緑色の木(ハチジョウイヌツゲ)が生えているので、植物がない部分は新しい溶岩と言うことなのですよね?」という意味の質問でした。

何気なく見ていると何も見えてこない景色の中から、これだけのことを読み取れるとは…さすがです!

神社の前の大岩が、どうやってここに現れたかのクイズも全員正解!


黒い溶岩に取り包まれた白い石の謎に迫り


ひとつの石で、白い部分と黒い部分がキレイに分かれている石の謎解きにも皆で挑戦。


時には、季節外れのコケリンドウの花に注目し…

普通に歩くの時の倍の時間がかかる私のツアーの、平均所要時間を遙かに超える時間をかけて(笑)歩きました。

萬年先生は、割れ目噴火口のそばで、「この近くで「アタカマイトという銅が見つかるはず」と言って探しに行き、あっさり緑色の石を持ってきて見せてくれました。

これまた初めて見る色の石に感動!
こんなのが転がっていることを初めて知りました。
知るって楽しいです。

時間が足りなくなって、裏砂漠も立ち寄るのをあきらめ、樹海で崖崩れ現場を見学し・・・


全員無事に歩き終わり、お弁当を食べた後も地層観察!

皆さんが集まって何か観察しています。

この「模様があっていない理由」について議論中。

別の専門家は、「これは木が倒れたのかも…」と語られていましたが、萬年先生は「これは液状化で柔らかくなった地層が、出口を探していたんではないか?」と持論を展開。

こうやって皆で謎解きを楽しむ時間が、とても楽しかったです。

ゆっくり歩いたので予定の4分の3ぐらいしか歩けませんでしたが、岡田港では5分間だけ町なかツアーをさせてもらいました。

お近くですので、また来ていただけるのを楽しみにしています。
箱根ジオパークの皆さん、ありがとうございました。

(カナ)
コメント
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