大島も今日は冷えました~っ!
島の南部の里にも朝8時頃から昼頃まで雪が降りました!
積もりませんけどね。
そんな寒さの中で見つけた春のきざしが見出しの写真↑フキノトウです。
先々週は、水神様でした。その続きで、
今回のテーマは天水です。「てんすい」は、雨水のこと。
1960年代の事典に
「地質上流れに乏しく、泉津、波浮港のほかは天水に依存する」
とあります。
この↑写真は、元町港に近い為朝神社(香殿神社)の参道にあるツボです。
しめ縄が結ばれ、いにしえの習俗を奉っているようです。
近くの木の幹から延びた縄が、ツボの口へと入っています。
この方法で、幹を伝う雨水をツボの中へ導きます。
こちら↑は、椿の木から大きなカメへと、わら縄が掛かっています。
大島では、このような水の採取システムを「シデ」と呼びます。
幹を伝う水の流れ、樹幹流を簡素な方法で上手に捕まえています。
郷土資料館の「しまの家やしき」として展示されています。
ぜひ、行って見てください。
明治時代の中頃まで、このようにしていたそうです。
今でも、
畑などで古い風呂桶やドラム缶を使って
水を溜めているのを見かけます。
これ↑も、同じく資料館で展示されているもので、
天水井戸です。屋根に降った雨を竹の樋(とい)で、
この中に溜めます。
中は深く、円筒形や円錐形などに掘られていて、
ここはコンクリートで囲いが造られていますが、
石垣で出来ている場合もあります。
家の屋根が、かやぶきから瓦やトタンなどになって、
雨水が集めやすくなった頃に、
ツボやカメに溜めるシデから、
井戸に進化したようです。
こちら↑も、地上部が円筒形で同じようですが、
フタもコンクリートで造られています。
差木地のHさんのお宅で、母屋の裏側(北)にある井戸を
撮らせて頂きました。明治頃のものとのことです。
お住まいの方の亡くなられたお祖母さんは、
「お茶碗を洗った水の上澄みで、雑巾がけをし、
その残り水は、庭の草花にやったもんだ」
と話していたそうです。
同じ水を3回使って・・・、
そのくらい水を大切にされていたことが分かります。
お正月の初水を汲む、お水取りは男性がしていて、
井戸の近くの井戸神様を先代がお世話をされていたが、
水道が引けるとなくなってしまった・・・、
・・・など、興味深いお話を伺いました。
こちら↑は、元町のYさんのお宅で、
1960年代に造られた井戸です。
地上部は四角くコンパクトになり、
地下の大きな貯水槽も立方形で、ブロック積みや、
型枠にコンクリートで造られたそうです。
雨どいを濾過(ろか)する仕組みや、
ポンプで汲み上げるようになり、天水井戸がより進化します。
使わなくなった古い天水井戸を埋める場面に立ち会ったことがあります。
縁起が良いように、験を担ぐというのでしょうか、
梅の小枝、手鏡、カヤ1束を、先ず空の井戸に入れてから、
土で埋めていきました。
カヤは大島にない葦(よし)の代わりだそうです。
「ウメ・テ・ヨシ」となるわけです。
こう↑なると、水道と同じです。
雨どいの取り入れ口の向こう側に、
円筒形に見えるのは電動ポンプです。
左側に立ち上がった蛇口をひねると、
出る水で管の中の水圧が下がり、
電動ポンプのモーターが作動します。
私が初めて大島に来たのは40年以上前で、
江ノ島からの定期航路があった遥か昔ですが、
天水を溜めた容器をヒシャクで、コンコンと叩き、
ボウフラが沈んだところで、
さっと汲み取るのを見せてもらいました。
蚊が産卵する水は安全、とのことでした。
その頃の子どもたちは、
雨に濡れてはいけないと言われていました。
子どもでも髪の毛が抜けてハゲるぞ!
と、大人たち(先生も)から脅かされていたのでした。
そんなわけで、不思議に思ったのを覚えています。
アメリカとソ連(現ロシア)の冷戦時代で、
核兵器の開発が競われ、核実験が頻繁におこなわれました。
そこで登場したのが、こちら↓だということです。
全形はこんな具合↑で、高さ70センチ、直径21センチほど。
「ご存知のように原子核爆発によって死の灰が生じ、
このうち放射能の半減期の長いストロンチウム-90や
セシウム-137などが雨水中に入ってきます。
これらのアイソトープは、
体の中に入るといろいろな害があると考えられておりますので、
雨水を飲用される方の健康を守るため、
雨水をこして放射能を取り除く目的で
この放射能濾過器エバクリーナーが作られました。」
と、この装置の仕様書に。
近付くと、ほんとに↓
なんかスゴイですね。
円筒の中は、
エバライトV(焼成バーミキュライト)、木炭、小じゃり粒などが
層になっていて、水をゆっくり上から下へ
水圧で流して濾す仕組みです。
伊豆半島の向こうの駿河湾辺りには、
東海地震の想定震源域があって、その西の御前崎近くには、
浜岡原子力発電所が稼動しています。
生きている大地を解説するネイチャーガイド。
この装置が現代の井戸神様にならないことを祈るばかりです。
(なるせ)
島の南部の里にも朝8時頃から昼頃まで雪が降りました!
積もりませんけどね。
そんな寒さの中で見つけた春のきざしが見出しの写真↑フキノトウです。
先々週は、水神様でした。その続きで、
今回のテーマは天水です。「てんすい」は、雨水のこと。
1960年代の事典に
「地質上流れに乏しく、泉津、波浮港のほかは天水に依存する」
とあります。
この↑写真は、元町港に近い為朝神社(香殿神社)の参道にあるツボです。
しめ縄が結ばれ、いにしえの習俗を奉っているようです。
近くの木の幹から延びた縄が、ツボの口へと入っています。
この方法で、幹を伝う雨水をツボの中へ導きます。
こちら↑は、椿の木から大きなカメへと、わら縄が掛かっています。
大島では、このような水の採取システムを「シデ」と呼びます。
幹を伝う水の流れ、樹幹流を簡素な方法で上手に捕まえています。
郷土資料館の「しまの家やしき」として展示されています。
ぜひ、行って見てください。
明治時代の中頃まで、このようにしていたそうです。
今でも、
畑などで古い風呂桶やドラム缶を使って
水を溜めているのを見かけます。
これ↑も、同じく資料館で展示されているもので、
天水井戸です。屋根に降った雨を竹の樋(とい)で、
この中に溜めます。
中は深く、円筒形や円錐形などに掘られていて、
ここはコンクリートで囲いが造られていますが、
石垣で出来ている場合もあります。
家の屋根が、かやぶきから瓦やトタンなどになって、
雨水が集めやすくなった頃に、
ツボやカメに溜めるシデから、
井戸に進化したようです。
こちら↑も、地上部が円筒形で同じようですが、
フタもコンクリートで造られています。
差木地のHさんのお宅で、母屋の裏側(北)にある井戸を
撮らせて頂きました。明治頃のものとのことです。
お住まいの方の亡くなられたお祖母さんは、
「お茶碗を洗った水の上澄みで、雑巾がけをし、
その残り水は、庭の草花にやったもんだ」
と話していたそうです。
同じ水を3回使って・・・、
そのくらい水を大切にされていたことが分かります。
お正月の初水を汲む、お水取りは男性がしていて、
井戸の近くの井戸神様を先代がお世話をされていたが、
水道が引けるとなくなってしまった・・・、
・・・など、興味深いお話を伺いました。
こちら↑は、元町のYさんのお宅で、
1960年代に造られた井戸です。
地上部は四角くコンパクトになり、
地下の大きな貯水槽も立方形で、ブロック積みや、
型枠にコンクリートで造られたそうです。
雨どいを濾過(ろか)する仕組みや、
ポンプで汲み上げるようになり、天水井戸がより進化します。
使わなくなった古い天水井戸を埋める場面に立ち会ったことがあります。
縁起が良いように、験を担ぐというのでしょうか、
梅の小枝、手鏡、カヤ1束を、先ず空の井戸に入れてから、
土で埋めていきました。
カヤは大島にない葦(よし)の代わりだそうです。
「ウメ・テ・ヨシ」となるわけです。
こう↑なると、水道と同じです。
雨どいの取り入れ口の向こう側に、
円筒形に見えるのは電動ポンプです。
左側に立ち上がった蛇口をひねると、
出る水で管の中の水圧が下がり、
電動ポンプのモーターが作動します。
私が初めて大島に来たのは40年以上前で、
江ノ島からの定期航路があった遥か昔ですが、
天水を溜めた容器をヒシャクで、コンコンと叩き、
ボウフラが沈んだところで、
さっと汲み取るのを見せてもらいました。
蚊が産卵する水は安全、とのことでした。
その頃の子どもたちは、
雨に濡れてはいけないと言われていました。
子どもでも髪の毛が抜けてハゲるぞ!
と、大人たち(先生も)から脅かされていたのでした。
そんなわけで、不思議に思ったのを覚えています。
アメリカとソ連(現ロシア)の冷戦時代で、
核兵器の開発が競われ、核実験が頻繁におこなわれました。
そこで登場したのが、こちら↓だということです。
全形はこんな具合↑で、高さ70センチ、直径21センチほど。
「ご存知のように原子核爆発によって死の灰が生じ、
このうち放射能の半減期の長いストロンチウム-90や
セシウム-137などが雨水中に入ってきます。
これらのアイソトープは、
体の中に入るといろいろな害があると考えられておりますので、
雨水を飲用される方の健康を守るため、
雨水をこして放射能を取り除く目的で
この放射能濾過器エバクリーナーが作られました。」
と、この装置の仕様書に。
近付くと、ほんとに↓
なんかスゴイですね。
円筒の中は、
エバライトV(焼成バーミキュライト)、木炭、小じゃり粒などが
層になっていて、水をゆっくり上から下へ
水圧で流して濾す仕組みです。
伊豆半島の向こうの駿河湾辺りには、
東海地震の想定震源域があって、その西の御前崎近くには、
浜岡原子力発電所が稼動しています。
生きている大地を解説するネイチャーガイド。
この装置が現代の井戸神様にならないことを祈るばかりです。
(なるせ)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます