クロタマホシクサ

シラタマホシクサの対照としてクロタマホシクサというのもある。先端の花の部分が銀色ないしはやや黒っぽく見えるのでそう呼ぶようだ。これは春日井市の都市緑化植物園で栽培されていたものを9月下旬に撮ったもので、草丈は低く10～15cmくらいしかなかった。たぶん野生種ではなく、観賞用の園芸種かもしれない。

シラタマホシクサ （2）

近寄ってみると、こんな丸い形をした小さな花の集合体である。

シラタマホシクサ （1）

シラタマホシクサは、伊勢湾沿岸の湿地だけだけに生える東海地方固有の１年草である。花は9月初め頃に咲くので、もう終わったかと思っていたら、10月になってもまだ満開の時と同じように咲いていた。細い茎の先の白い部分に、微細な花が丸く固まったように咲いているが、白い花の部分の直径は1cmにも満たない。“賞見（賞味）期限”が切れそうであるが、秋に咲くこの地方固有の野草のひとつなので、遅ればせながら載せておく。

ウメバチソウ

シラヒゲソウのついでに、これは同じ仲間のウメバチソウである。これも湿地に咲く可憐な花であるが、他の植物の間に隠れて少しだけ咲いていた。シラヒゲソウより開花時期がかなり遅いようだ。

ウメバチソウだけをアップで撮ろうと思ったが、花までの距離があって他の植物の茎や葉が濃く写り込んでしまった。ちなみに、ウメバチソウの葉はシラヒゲソウと同じような小さくて丸い形をした葉である。

シラヒゲソウ （2）

9月上旬、最初に行った時に撮ったものだが、時期がやや早かったようで、まだ群生して咲いている状態ではなかった。花を横からアップで撮るには、他の花が重ならずかえって良かったようだ。3本が一つになって環状に並んでいる黄色の蜜腺が印象的である。

シラヒゲソウ （1）

先月上旬にシラヒゲソウを撮りに岐阜県恵那市まで出掛けたが、近くを通りかかったついでに、その後どうなっているかと思ってまた同じ場所に行ってみた。まだ咲いている花もかなり残っていて、まさか1ヶ月も咲いているとは思わなかった。すでに花が散ったものと盛りで咲いているものとが混在していて、むしろその対比が面白かった。自然の妙というか、この花も実に変わった形をしている。