この日は雨上がりの後で川は増水しており、虹も出ていて、いつもとはやや様子が違った。この矢田川も、今ではコンクリートで護岸工事がされているので、かなりの増水があっても堤防が決壊するようなことは先ずないだろうが、昔は台風で増水すると堤防が決壊したり木造の橋が流されたりしたことがあった。もう半世紀も前のことである。川の様子も周辺の風景も当時とは一変してしまって、今では昔の面影は全くない。
昔は、上流の瀬戸市から陶土を含んだ薄茶色に濁った水が流れ込んでいて、魚が殆どいなかったように思うが、今では水質が良くなり透明度もはるかに改善されたお陰で、いろんな魚が棲めるようになって、一見すれば綺麗な川のように見える。しかし、川辺には上流から流れ着いた種々雑多なゴミが散乱し、河川敷には家庭ゴミだけでなく粗大ゴミや産業廃棄物の不法投棄も酷いのが実情だ。よく散歩をする親近感のある川ではあるが、あまり自慢したくなるほどの川ではなくなった。