閑人の暇つぶし

気ままな自然観察日記 “Idler's idle talk and nature photos”

正法寺の有楽椿

2010-04-18 | 樹木・花木
長福寺の直ぐ近くでちょうど見掛けた満開の桜につられて偶然にも立ち寄った正法寺の境内に、「有楽椿(ウラクツバキ)」という名前の古木があった。案内板によれば、織田信長の弟の織田有楽斎という茶人が好んだことからこの名前が付いたとかで、侘助系の「太郎冠者」という品種だという。樹齢が約400年で、豊川市の天然記念物になっている由緒ある銘椿だそうだ。

調べてみたら、織田有楽斎如庵(織田長益)は、織田信長の長男である信忠に仕えており、本能寺の変の時には辛うじて明智光秀軍から逃れて生き延びた後、信長の次男である信雄に仕えたようだ。関ヶ原の戦いには東軍に属して参戦し功績を挙げたそうだが、その後は、大坂城に入って豊臣秀頼の後見人をしていたとか。晩年は隠居して京都に住んだようだが、武将でありながら、千利休の弟子として、むしろ茶人として有名だったそうだ。犬山市の犬山城近くにある「有楽苑・如庵」という庵は、京都にあった有楽斎の茶室を移築したもので、国宝に指定されているという。織田有楽斎という名前も全く知らなかったが、そんな歴史的な謂われのあるツバキの古木が、たまたま立ち寄ったこの寺にあるとは思わなかった。








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