また秋の山野草の可憐な花をいくつか。これは野鳥のホトトギスと同じ名前がついている野草のホトトギスである。花の紫色の斑点が小鳥のホトトギスにある斑紋と似ていることから名付けられたそうだが、野鳥のホトトギスを見たことがないので、どれくらい似ているのかはよく判らない。紫色の斑点だけでなく面白い形をしているのも印象的だ。
豊田市小原町に咲く四季桜であるが、近くを通ったので行ってみたら、もうすでにチラホラと咲き始まっていた。春と秋に二度咲く桜であるが、いつもなら秋は11月中旬から12月にかけて咲くのに、今年はどういう訳か、時期が少し早いのではないだろうか。
棚田では大きな機械が使えないために農作業は殆ど人力に頼ることになり、労働力の高齢化もあって、最近ではどこの棚田も昔のまま維持していくことが非常に困難になってきているという。各地の棚田で休耕田が増えていくのは実に惜しいことであるが、残念ながら、日本の美しい景観が次第に姿を消していくのも、時代の流れで止むを得ない側面があるのかもしれない。しかし、何とか残していって欲しいものである。
趣きが花や虫から急に風景に跳んでしまったが、イナゴの写真の後なので、典型的な農村らしい風景として棚田の写真を載せておくことにする。「日本の棚田百選」に選ばれている岐阜県恵那市の坂折棚田である。田んぼの稲と畦の景観が、綺麗な模様のようになっているのが印象的であった。先月末の稲刈り前の風景である。
イナゴ
2007-10-27 | 昆虫
田んぼの近くの山道で、愛嬌のある顔をしてこちらを見ていたので何気なく撮ったが、たぶんコバネイナゴだと思う。もしかしたら違うのかもしれないが、農薬の影響なのか、最近の水田にはイナゴがあまりいないと聞く。都会にいた人は知らないかもしれないが、終戦後の食料不足の頃には、田舎では貴重な蛋白源としてイナゴを佃煮にして食べた時代もあった。そんな昔の食糧難の頃を知っているのは、もう還暦をとっくに過ぎた人たちだけであろう。
花には虫眼鏡で見ないと判らないような小さな虫も集まってくる。すでに収穫が終わって畑に残っていたトウガンの花にウリハムシが来ていた。体長が1cmにも満たないウリ科野菜の害虫である。大きな黄色の花と小さな茶色の虫の対比が面白そうだった。ウリハムシは葉を食害するようで、花の蜜を吸う訳ではないと思うのだが、この後、花の奥まで潜り込んで行った。
花に蜜を吸いに集まってくる昆虫もいれば、それを狙って待ち構えている昆虫もいる。サザンカに来たコガネムシの仲間のハナムグリを捕獲したカマキリである。獲物が花に来るのを知っていて、それを陰でじっと待っているのだからなかなか賢い。これはハバヒロカマキリだと思うが、背中の緑が白トビしてしまった。もう少しアップで横から撮るべきだったようだ。
キタテハ
2007-10-26 | 昆虫
自己満足で蝶ばかり続けてきて少し飽きたので、蝶はこれで終わりにしよう。タテハチョウの中で最も一般的なキタテハである。翅の裏側は縞模様の茶色で、表側に比べれば目立たない地味な色をしているが、翅の先のギザギザが面白く、色や姿は綺麗な蝶だと思う。
花の写真では、花だけを撮るよりも、蝶や他の昆虫が花に集まっていたり、周囲を飛んでいた方が面白いと思うのだが、派手な色や模様の蝶があまり目立つと、花が主役か脇役か判らなくなってしまうから難しい。その逆もしかりであろう。
直ぐに逃げられてしまい翅を閉じた写真しか撮れなかったが、翅の表側は茶色の地に光沢のある濃い青色ないしは紫色の大きな模様があったので、ムラサキシジミだろう。翅の裏側は外敵に目立たないようにするためなのか実に地味な色だけど、青色のよく目立つ綺麗な蝶だった。いずれまた今度は翅を拡げた美しい姿を撮ってみようと思う。
翅の裏側が薄茶色で黒っぽい斑点模様からヤマトシジミだと思うが、確信はないので、またあとで訂正することになるかもしれない。シジミチョウの中では、ルリシジミと同様にかなり小さく、翅の表側はやや茶色がかった光沢のある水色をしていたと思うが、翅を拡げたところが上手く撮れなかった。カタバミの花の黄色が白トビしてしまった。
雄のウラギンシジミを撮った時には雌がまったく見当たらなかったが、今日、近くの公園を散策していたらこの雌がいた。翅の表側の模様は薄い水色というより灰色に見える。雌は雄よりやや地味であるが、翅の裏側の銀色はよく目立つ。蝶は雌と雄とで、または翅の表と裏で色や模様が違うのが多いようなので、余計に見分けがつき難い。季節によって色が変わるのもいるらしい。
キマダラセセリから横道に逸れてしまったが、蝶の続きに戻ろう。名前のとおりウラギンシジミである。体が小さいシジミチョウの仲間では大きい方で、モンシロチョウくらいはあると思う。もしかしたらキチョウより大きいかもしれない。翅の裏側が雌雄とも銀色ないしは灰色がかった白色をしているので、飛んでいる姿を見ると、翅の裏の銀色が光ってよく目立つ。畑のレタス苗の葉に付いていた水滴を吸っていた。