nikkurei社長のひとこと**ケアマネは希望の星だ**

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帰宅したいという高齢者の行動は問題行動なのか

2008-03-05 10:42:53 | ケアマネジメント
特に認知症と呼ばれる高齢者が生活する施設で起こることが帰宅したい、外出してしまう、いわゆる帰宅願望は問題行動でしょうか、それは誰にとって。
問題とは誰にとって問題となっているのでしょうか、ケア専門職にとってでしょうか、入居者にとってでしょうか、おそらくどちらも問題なのだと思います。
入居者にとってわけのわからないところにいることの不安、誰ともわからない人の同居、いつもは異なる寝室や食事でわけがわからなくなってしまっていることが問題なのかもしれません。
ケア専門職にとっては帰宅するという入居者のケアがわからない、どう「対応」したらいいのかわからない、どのように理解してもらったらいいのかわからないで問題なのでしょう。
最近はICFの視点を活かした*ケアプラン実践ガイド・諏訪さゆり氏著日総研刊を読んでいる。まさにこうした事例が彼女の得意分野、帰宅願望の認知症の方へのケアではいったん施設外に出て一周して戻るとか、嘘をいってとか、気をそらすように仕向けるとか、「対応」しているではないでしょうか、それに対して彼女は「なじみの物というよりむしろ、『なじめる物、なじめる環境』が認知症高齢者にとって大切なのだ」P.126そして「認知症高齢者をなじみの環境に置くことがケアの目標にならないように、認知症高齢者が『今、何を望んでいるのか』、そしてそれを支えるケア専門職の『ケアとは何か』を常に問い続けて」いこうと呼びかけている。
ここで「対応」というがそれに対しても彼女は「対応について考えていたのでは、利用者が何に困り、本当はどうしたいと思っているにかということが一切見えて」こない。「ケア専門職同士で『どう対応する?』『どう対応したらいいのだろう』という問いかけをやめることです。その代わりに、『この方は何に困っているのだろう、本当はどうしたいのだろう』と自分自身に、また周りのケア専門職に問いかけて」みようと呼びかけている。

問題はケア専門職にとってでしょうか、認知症の方にとってでしょうか、今一度考えることが解決の糸口のような気がします。

コメント (2)
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