ミステリー小説というより政治をめぐる小説といった方がいい。話はある女性の銃殺死亡事件の捜査にあたる警官の動きがミステリーの要素を持つが、事件の発生経過と事件の関係者である政治家一家の動き、さらには選挙にでるための党公認をめぐる動きが渦をまいて、様相は複雑を呈する。
事件物から政治にまつわる駆け引き、内輪話を描き、読んでいて想起したのは松本清張だった。
松本清張は事件物から始まり政治や時代物まで、取り上げたものは幅広い。読んでいて感じた松本清張の深さがこの作者にも通じる。この作品を読んで日本の政治力学を見た憾がある。
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