車の事故で故障したとき自動車保険は車の修理は走行できるように修理することの保険で保険給付の目的がある。要介護状態高齢者への保険給付を行う介護保険でも負担の軽減と悪化の防止という目的なしに給付を行うことはない。
保険給付の実実質的決定権をもつ介護支援専門員が作成する居宅サービス計画も保険給付は負担の軽減であり悪化の防止を果たす目的となる。いかし、負担の軽減や悪化の防止を目指しても直ちに目的を果たすことは難しい。そのために保険給付の具体的な目的として中短期の目標を設けたい。
短期の目標は4か月でも6か月でも、その利用者の状態とかかわりをも介護など関係者との状態を総合的にみて期間を設ける。したがって一律に6か月とはならず、ときには4か月を目標とすることもあるだろう。次の目標の期間は利用者と関係者との状態をみて判断をすることから前の期間と同じであるとは限らない。むしろ目標の達成状況が期間設定の要素に加わることから、次の期間は同じとはならないだろう。
目標を達成していくためには設定の事柄と同じくどのくらいで実現できるかという期間も大事になる。
短期の目標も毎月の介護の提供からすると大きな目標で、日々の生活、活動の行われ方の積み重ねによって短期の目標は達成される。短期の目標を設けたとしても、その目標に対する進捗状況を毎月確認しておくと期間の途中での修正ができる。
介護支援専門員は短期の目標にそった毎月のテーマを決めておくと管理がしやすい。できれば毎月のテーマも関係者とも共有しておきたい。毎月のテーマがあることにより、毎月確認する項目が明らかになり、期間途中での再修正や関係者間での調整を行うことになり、短期で設けた目標を実現される。
毎月のテーマは実現可能な内容にして、実現したという成功体験をすることが大事だし、成功体験は次のテーマの実現につながる。
介護支援専門員は業務として介護を見ているが、初めて要介護となった利用者と家族にとっては、介護サービスの何事も初めての経験となる。訪問介護の人はどんな感じなのか、ディサービスのなかで感じるのもこれまでの80年の人生ではない初めての経験だ。
介護サービス事業者が利用者との最初のかかわりに注意を払っていても、そのサービスを利用する側は初めてのことなので戸惑いはあるだろう。初めてサービスを利用する月は介護支援専門員が思っている以上に緊張しているかもしれない。
そこではじめは介護サービスの利用になれることだけにしてもいい。なれるのは本人家族だけでなく介護サービス等関係者側もだ。介護支援専門員の話と事業所ごとのアセスメントで利用者家族の状況はわかっているが、実際のサービス利用開始でいままでわからなかったこともわかるようになり、その利用者の状態を把握していく期間でもあるから、提供する側にとっても馴れる時間は大切だ。
サービスの利用に馴れてきたら、ここで短期の目標とした事柄の実施にかかる。
中短期の目標には本人家族の目標も設けたい。薬を飲むのは本人だ。周りから支援があっても本人が口にしてのみ込まなければ薬効は得られない。
薬が飲めない事情があるなら短期で薬を飲むことを本人の目標とするかもしれない。服薬困難な理由は、いつどの薬を飲むか自分で管理できないなら、お薬カレンダーなど使ってみたい。それでお薬カレンダーの説明をして理解をしてもらうのだが最初、これができるかどうか様子を見るのが次の月、できれば継続していくが、お薬カレンダーでも時に飲み残しがあったりしたときはお薬カレンダーのことを理解しているか確認をしたり、ほかの方法の検討に入る。ときには薬剤師に一回に飲む複数の薬を一つにまとめてもらうのがいいかもしれない。そもそも薬の種類と量が多くて家人でも関係者でも戸惑うような薬の状況なら薬剤師に複数の医師から出ている処方箋それ自体を管理してもらい薬を整理して本人が飲み安いようにしたら短期の目標が達成の方向になる。
毎月の薬の飲み具合をテーマにしておくと、毎月の薬の服用が確認でき、さらに次の方法を見出すことができて短期の目標を達成することができる。
本人にも目標を持ってもらい、介護の受け手でなく当事者であることを意識させるのが中期の目標になるかもしれない。
介護支援専門員が設けた中短期の目標の達成の状況を確認していくが、その方法には自分が利用者宅を訪問して自らが確認することに加えて関係者からも状況の報告があるようにしたい。介護支援専門員が関係者からの報告をえるには、なにか利用者にことがあったら連絡をもらう仕組みを作りたい。利用者の病状が急変して入院したということ以外に病状確認やその検査のための入院は前もってわかっているが、その連絡が家族などからあるようにしておきたい。緊急時での入院では家族は慌てているかもしれず連絡もままならないかもしれない、そのような事態に備えるためにも近所の人との関係も築いておきたい。
関係者からの報告には指定介護サービス事業所から定期に毎月末に予定票に対するサービス提供の実績の報告がある。
実績報告の確認は給付管理上の算定のためだけでなく、介護支援専門員が設けて関係者の会議で合意した計画にある予定との確認でも報告もある。予定に対して実施回数の増減があったときには、事業所側の都合なのか、本人の方からの変更なのかその増減の原因は確認をしたい。
事業所側で介護職員の移動離職による人材不足なのか、それとも実績の積み増しのためなのか、人材不足だとしたらこれからも利用の継続が可能なのか人員基準に触れるかどうか、関心をもって見守りたい。また、サービスの積み増しが目的だとしたら、十分なコミュニケーションが大事だ。
経営上の判断によるとしたら介護保険制度そのものへの認識と理解ということについて話をしなければならないし、是正を求めるための労力とこれからの付き合いも考慮される。最悪の場合は介護支援専門員自身の身を守るため保険者に連絡、相談となるかもしれない。
誤記による違いであれば修正と対策をお願いしたい。介護サービス提供事業所からの実績に自動的にあわせることだけは避けたい。
予定に対する実績が符合しないことに利用者家族の側に原因があるときも確認がかかせない。その予定をわすれたかもしれないし、思わぬ予定が入ったことが理由かもしれない。その理由によっては計画が利用者の状態にあっていないことが原因かもしれない。利用者の状態や状況を反映していない計画と分かったときは、その要因を把握し、利用者の状態の確認や解決方法の妥当性、介護サービスの実施内容を見直し、計画を立て直すことになる。
短期の目標の達成の具合の確認には、達成した場合と達成しなかったときの両方がある。達成しなかったときは、その達成しなかった理由を探り、次の短期の目標を設ける際に対策を各関係者と相談し、対策を講じて次の短期の期間に何をするかどうするか再設定する。
目標が達成されたときは、これもなぜ達成されたか理由を確認して次の計画やほかの利用者への支援に活用したい。成功の理由を知り他に生かすと介護支援専門員にあらたな知見
が加わり、さらに利用者のために役立つ。
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