最近、「歴史は繰り返す」ということばを、あちこちで聞くことが多くなった。安倍政権になったら、平和と民主主義を象徴する「戦後」というものが、遠くかすんでいくようになった。
その後ろから、新しい「戦前」が垣間見えるようになってきた。秘密保護法など、まさに「戦前」である。あの暗い時代を、再び生きていかなければならないのか。
歴史は繰り返す
(2013-11-15更新)
「これもあれも秘密となると、非常に危険なことにはならないか」
「決して国民に目をふさぎ、耳をおおえというような、昔の代官時代の立法でない」
これを読んで、国会で審議されている特定秘密保護法案のやりとりだと思う人もいるだろう。そうではない。今から76年前、1937年(昭和12年)8月にあった帝国議会の衆議院軍機保護法改正法律案委員会での議員と陸軍の担当者の質疑応答だ。
軍機保護法は戦前の国家秘密法だ。国家機密のうち軍事機密を保護の対象とし、探知、収集、漏洩を処罰する。最高刑は死刑で、軍人以外に民間人も対象だった。当たり前だが、秘密が広がって大丈夫なのか、と心配する意見が当時もあった。それが杞憂でなかったのはその後の歴史をみれば、わかる。
例えば、1937年のこの法律による摘発者は76人だったが、1941年には749人に上ったという調査がある。そして、日本がアジア・太平洋戦争を始めたその日、冤罪事件が起こる。北海道帝国大学の学生・宮沢弘幸が、旅行の見聞を北大予科の教師ハロルド・レーン夫妻に話したことが軍機保護法に違反するとして逮捕された「レーン・宮沢事件」だ。根室の海軍飛行場などの存在を探知し、漏洩したという容疑だったが、秘密でも何でもなく、公知の事実だった。
獄中で患った結核が悪化して27歳で亡くなった宮沢の妹さんが心配していた。「戦前のように機密の範囲が何の歯止めもなく拡大していくのではないでしょうか」(朝日新聞8日付朝刊)
歴史は繰り返す。こんな法律を作ってはならない。
http://www.kenpou-media.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=63
その後ろから、新しい「戦前」が垣間見えるようになってきた。秘密保護法など、まさに「戦前」である。あの暗い時代を、再び生きていかなければならないのか。
歴史は繰り返す
(2013-11-15更新)
「これもあれも秘密となると、非常に危険なことにはならないか」
「決して国民に目をふさぎ、耳をおおえというような、昔の代官時代の立法でない」
これを読んで、国会で審議されている特定秘密保護法案のやりとりだと思う人もいるだろう。そうではない。今から76年前、1937年(昭和12年)8月にあった帝国議会の衆議院軍機保護法改正法律案委員会での議員と陸軍の担当者の質疑応答だ。
軍機保護法は戦前の国家秘密法だ。国家機密のうち軍事機密を保護の対象とし、探知、収集、漏洩を処罰する。最高刑は死刑で、軍人以外に民間人も対象だった。当たり前だが、秘密が広がって大丈夫なのか、と心配する意見が当時もあった。それが杞憂でなかったのはその後の歴史をみれば、わかる。
例えば、1937年のこの法律による摘発者は76人だったが、1941年には749人に上ったという調査がある。そして、日本がアジア・太平洋戦争を始めたその日、冤罪事件が起こる。北海道帝国大学の学生・宮沢弘幸が、旅行の見聞を北大予科の教師ハロルド・レーン夫妻に話したことが軍機保護法に違反するとして逮捕された「レーン・宮沢事件」だ。根室の海軍飛行場などの存在を探知し、漏洩したという容疑だったが、秘密でも何でもなく、公知の事実だった。
獄中で患った結核が悪化して27歳で亡くなった宮沢の妹さんが心配していた。「戦前のように機密の範囲が何の歯止めもなく拡大していくのではないでしょうか」(朝日新聞8日付朝刊)
歴史は繰り返す。こんな法律を作ってはならない。
http://www.kenpou-media.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=63