浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

やっと解放!

2013-11-01 21:07:24 | 日記
 11月6日、ボクが担当する歴史講座の最後の日。毎週連続10回の講座は、とてもたいへんだった。浜松市東区の歴史を10回話すためには、途轍もないほどの準備が必要だ。今までに研究したことがあるならラクであるが、そうではないのでタダでさえ大変だし、さらに毎週であるから一週間で準備しなければならない。しかし、ボクなりに誠実に取り組んだ。

 最後は、「東区と戦争」である。
 
 まず東区が刊行した『東方見聞録』で、戦争に関わりある記述を指摘する。
 
 次に、東区内にある戦争に関わる石碑(慰霊碑、忠魂碑など)の所在と内容をすべて示し、近代日本がいかに多くの戦争をしてきたかを明らかにする。

 そしてそのなかのひとつの慰霊碑をとりあげる。その慰霊碑には、一つの町の戦没者の氏名、年月日、場所が明記されている。それをとりあげながら、日中戦争からアジア太平洋戦争における戦いの軌跡を話す。そして戦死の状態から判明する事実、たとえば1944年から戦死者が急激に増えることなどを話す。

 次に、東区の区域は三方原台地の東縁も入っている。そこにはたくさんの古墳があるが、その古墳の発掘調査の際、本土決戦のためにこの地方に配置された護古部隊の陣地跡があることが判明している。調査報告書には、そうした戦時下の戦争遺跡の調査結果も記されているので、それを話す。

 そして浜松市が発行している『浜松市戦災史資料』には、空襲の日時、被害状況などの一覧表が掲載されているが、その東区の部分を一覧表にする。そしてそのなかで、パンプキン爆弾という原爆の模擬爆弾が、将監町に投下されていた話しをする。

 『浜松市戦災史資料』の三には、1943年8月の年齢別、男女別の人口統計がある。そのうち、東区内の二つの町の統計を示し、いかに壮年期の男性が少ないか、同時に子どもの数が多い(「産めよ、殖やせよ」政策)ことを指摘する。

 最後に、日本が起こした戦争というものが、いかに無謀であり、また無意味であるか。さらに兵士は自ら上官を選べない、その結果拙劣な作戦でどれほどの無駄な命を落とさざるをえなかったのかを話す。

 そのレジメはほぼ完成した。あとはプレゼンテーションのスライドをつくるだけである。今回は、早々と準備が整うことになる。

 戦争史は、今まで、ボクが引き受けた自治体史で何度も書いてきている。だから材料があれば、戦争の歴史的展開にそれらを位置づければよい。

 解放の日は近い。

 次は、憲法問題、TPP問題のレジメをつくらなければならない。とにかく勉強、勉強である。

 「偽装」は、食べ物だけではない。あらゆることが「偽装」されて、ボクらの前に出されてくる。「偽装」を見破る力をつけなければならないのである。


 
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利益優先の世の中!

2013-11-01 07:02:39 | 日記
 『毎日新聞』記事を紹介する。

 スーパーの肉売り場に行けば、国産牛とオーストラリア牛では、値段が異なる。国産牛のほうがずっと高い。下線を引いたところ、よく言えるものだ。資本主義社会は、末期に来ている。ウソをついてまで、金儲けに奔走する人たちが多すぎる。とくに民間企業の人たち。「効率的に」金儲けをするのではなく、詐欺的に金儲けをしている。

 
食材偽装:ミシュラン掲載の旅館も 近鉄系列で約40万食

毎日新聞 2013年11月01日 07時00分


 近鉄系ホテルのレストランがメニュー表示と異なる食材を提供していた問題で、近鉄ホテルシステムズの二村(ふたむら)隆、近鉄旅館システムズの北田宣之(のりゆき)両社長が31日、大阪市内で記者会見し、計九つのホテル・旅館で少なくとも20品の不適切な表示があったと発表し、謝罪した。2008年4月以降、少なくとも39万9000人に提供したという。ミシュランガイドに掲載された「奈良万葉若草の宿三笠」(奈良市)と「ウェスティン都ホテル京都」(京都市)も含まれていた。両社は同日、消費者庁に報告した。

 問題があったのは東京、大阪、京都、奈良、兵庫、沖縄の6都府県のホテルと旅館。このうち「三笠」では、「和牛朴葉(ほおば)焼き」「和牛ステーキ」と表示しながら、豪州産の成型肉を使うなど10品の不適切な表示があった。格安のタラやサメの魚卵を高級食材の「からすみ」(ボラの卵)、ブラジル産鶏肉を地鶏「大和肉鶏」と表示。中国・韓国産など産地が異なる野菜を「大和野菜」としていた。

 他の8ホテルでは、牛肉の半額ほどの牛脂注入肉や成型肉を「牛肉」などと表示し、バイキングのステーキや単品メニューのしゃぶしゃぶなどに使っていたほか、冷凍魚を「鮮魚」としていた。両社は「値段相応の食材やサービスを提供していた」として、三笠以外の利用客には返金に応じないとしている。

 阪急阪神ホテルズの問題を受けて調査したところ、豪州産成型肉を使用した三笠の料理長は「和牛と思い込んだ」と説明したが、肉の容器には「豪州産」と明記されていたという。北田社長は「あってはならないことで弁解の余地がない」と述べ、謝罪した。

 問題が発覚したのは、シェラトン都ホテル東京(東京)▽シェラトン都ホテル大阪(大阪)▽天王寺都ホテル(同)▽大阪国際交流センターホテル(同)▽ウェスティン都ホテル京都▽奈良万葉若草の宿三笠▽橿原観光ホテル(奈良)▽都ホテルニューアルカイック(兵庫)▽沖縄都ホテル(沖縄)。【田所柳子】
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ブラック企業の横行

2013-11-01 06:38:39 | 政治
 以下は、共同通信配信記事である。


勤務先は「ブラック企業」 20代の4人に1人

 連合のシンクタンク、連合総研が民間企業で働く2千人を対象に実施したアンケートで、20代の23・5%、30代の20・8%が、自分の勤務先が長時間労働や残業代不払いなど違法な働かせ方で若者を使い捨てにする「ブラック企業」に当たると考えているとの結果が出た。

 過酷な違法労働をさせるブラック企業が社会問題となる中、4~5人に1人の若者が勤務先への不信感や職場環境に不安を抱いている実態が数字で裏付けられた形だ。厚生労働省は労働基準法違反などがないか、全国の約4千社を調査している。


 厚生労働省、本当に調査しているのか。労働基準法、いったいそれが守られている事業所なんかあるのか。ほとんどない、とボクは断言できる。学生時代、ボクは労働法を主に勉強してきた。社会に出たら、あまりにそれがないがしろにされているので、その是正のために頑張ってしまった経験がある。それから30年以上、労基法違反を、多数、中断することなく見聞きしている。

 そしてそういう風土があるからこそ、労基法なんかをものともしない企業が多数跳梁するようになってきたのである。ブラック企業、という、労働者を酷使して、みずからの収益を極限にまで拡大させようとする者たち。その一人が、国会議員にまでなった。

 まだ総評がある頃、他の職場の労働者の権利が奪われている事実を知った労働者は、そういう労働者の権利を守るべく、職場をこえて権利擁護にはしったものだ。今や、連合という大企業の労働者の全国組織があるが、その多くは「御用組合」だという。労働組合の幹部への就任は、会社の総務部管轄の人事に呑み込まれ、労働者全般の権利擁護のためには動かなくなっている。

 労働者の「冬の時代」が続いている。とりわけブラック企業の跳梁により、労働基準法は、実際には凍結されているかのようだ。

 労働基準法違反を監視する機関は、労働基準監督署であるが、果たして実効的な働きをしているのか。公務員減らしの中で、労働基準監督官は十分足りているのか。きわめてすくない人数でやっているという情報をボクは得ている。

 このような「冬の時代」に「春風」を吹かせるためには、まず労働者がきちんと労働基準法をはじめ、労働者の権利をしっかりと身につけることが必要だ。

 何事も、勉強なのだ。「知」こそが、未来を創っていく。
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『POSSE』という雑誌

2013-11-01 00:54:48 | 読書
 ボクが購読している雑誌の一つに、季刊誌の『POSSE』がある。「新世代のための雇用問題総合誌」をうたう。

 労働問題については、『労働法律旬報』(旬報社)がある。昔は『月刊労働問題』などもあった。『労働情報』というマイナーな雑誌もあったが、今はどうなっているのだろうか。

 この雑誌を読んでいる理由は、とくに若者を中心として、労働者の人権がないがしろにされ、低賃金(ひどい場合は無賃金)、超長時間労働で働かされている人がたくさんいるからだ。

 法学部で労働法のゼミを経験しているボクとしては、看過できない事態なのである。残念ながら、ボクの友人が出身大学の労働法の教授になっているが、今では新自由主義的な労働法を唱えているようだ。

 今日送られてきたのは、20号である。特集は、「安倍政権はブラック企業を止められるか?」というものだ。その特集については未読だが、ワタミをはじめとしたブラック企業の実態が、実際そこで働いていた人の経験により記されている。読めば読むほどひどい実態だ。

 無賃金、長時間労働で働かせて平気でいる会社の幹部らには、人間性というか倫理性というか、そういうものがまったくないように見受けられる。もちろんワタミの創始者もだ。

 今ほど若者に労働法の知識が必要な時代はないような気がする。無知をいいことに、いいように働かせている。あまりのひどさに会社のあくどさ(労働者の権利の無視)を知っていくのだが(なかにはそれでもわからない者もいる)、そのときはその会社を辞めざるを得ない時である。

 高等学校でも、きちんと労働者の権利、労働基準法をしっかりと教えるべきだ。

 今、大学に通っている卒業生諸君。在学時代に、労働者の権利を学んでおくように。今紹介できる本をここに挙げることはできないが、いつか紹介しよう。

 この『POSSE』は1200円。大学の図書館にもあるかもしれないので、読んでみよう。
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