浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

731部隊の看護師さん

2015-05-02 21:36:17 | 近現代史
 富士市が富士市在住の女性たちから聞き取りを行っている。『ふじの女性たちの歩みを紡ぐ』として、すでに第四号までが刊行されている。様々な体験をされた女性たちの体験談が綴られている。

 そのなかで、関東軍731部隊の看護師さんだった方の体験が掲載されている。関東軍731部隊はもうすでにひろく知られている日本の部隊で、人体実験をおこない、細菌兵器をつくっていた。

 この元看護師さんは、日赤の従軍看護師として731部隊に配属となった。ただし、この女性は診療部の付属病院で、チフスや赤痢、コレラにかかった軍人・軍属を治療しながら研究をするところで働いていた。細菌研究がおこなわれたことは知っていたが、「余分なことは聞くな」と言われていたので、何も聞かずにみずからの職務に励んでいたそうだ。

 敗戦の時は、8月15日早朝軍用専用列車で平壌に逃げ切ったという。「一番早いハルビン脱出だった」。

 そしてその女性の友人で731部隊の看護師であった女性の聞き取りもある。彼女は、731部隊で細菌実験や生体実験が行われていたことを知っていたと語る。彼女の夫も731部隊員で、「平房の解剖室で捕虜や苦力の生体解剖をみた」そうだ。

 明日は憲法記念日。戦時中の、こういう残虐行為の後に制定された日本国憲法の平和主義。とてもとても貴重なものだと思う。
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【本】ヴェルナー・ゾンバルト『戦争と資本主義』(講談社学術文庫)

2015-05-02 21:02:05 | 
 最近ヨーロッパ史に関する本を読んでいるが、ヨーロッパはほんとうによくも戦争に明け暮れてきたものだと感心する。現在EUができて、平和が保たれているのは奇跡ではないかと思ってしまう。

 この本の序文には、「ヨーロッパにおいて戦争がなかった年は、16世紀においては25年間、17世紀においてはただの21年にすぎなかった。したがって、この200年間に戦争があった年は、154年になる」とある。こういうところでは武器が発達するわけである。その武器、とくに火器をもって、ヨーロッパ人はアジアにやってきたのだ。

 さてこの本は、ボクが抱いているテーマには、そぐわないものであることがわかった。いちおう読み通したが、あまり使えない。

 とはいえ、使えるところもあった。それは最初。

 ゾンバルトは、「戦争がなければ、そもそも資本主義は存在しなかった」という。そして16世紀~18世紀の「ヨーロッパで進行した資本主義的組織の独自の発展の前提となった国家の形成について考えている。・・近代国家はひたすら軍備によってつくられた。それは近代国家の外面、国境線、またそれに劣らず、内部の構成についてもいえることだ。行政、財政は、近代的意味において、戦争という課題を直接果たすことによって発展した。16世紀以降の数世紀においては国家主義、国庫優先主義、軍国主義は、まったく同一であった。なんびとも熟知しているように、植民地は大勢の人々の血を流した戦闘によって征服され、防衛された。」として、近代国家の誕生の背景に、戦争があったことを強く指摘する。

 そして、「ピューリタン、軍隊、そして資本主義の美徳は、大部分が同じである」と。

 その後は、第三章の「装備」は参考になる。火器の使用は、14世紀。大砲と携帯用火器。おそらく火縄銃だろう。ただし火器使用の初期の頃は、これらが大いなる働きをしたというわけではない。

 参考になるのは、部分的な本であった。
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持ち上げるのは日本メディアだけ

2015-05-02 07:24:46 | 政治
 以下は、『日刊ゲンダイ』の記事。

安倍首相の演説が笑いモノに「8割の米議員わからず」の声も

2015年5月1日

米上下両院合同会議で演説した安倍首相。日本のメディアは安倍首相の訪米を“大成功”と絶賛しているが、残念ながら、米メディアは、ほとんど関心を示していない。

 日米首脳会談が行われたのに、米主要紙の1面は、警察に拘束された黒人男性が死亡したボルティモア問題に充てられた。オバマ大統領との共同会見も、記者の質問はボルティモア情勢に集中。会見の約4分の1の時間が割かれ、オバマ大統領が「重要な問題なので」と安倍首相に釈明する場面もあった。

 日本メディアが「10回以上のスタンディングオベーションが起きた」と持ち上げている米上下両院での演説も、失笑の対象になっている。

 米メディアが安倍首相を笑いモノにしているのは、安倍首相が英語で書かれた原稿をひたすら棒読みしただけでなく、原稿に日本語で「顔を上げ、拍手促す」「次を強く」などと、あんちょこが書かれていたからだ。「ウォールストリート・ジャーナル」などが、あんちょこペーパーを大きく報じている。アメリカ人記者たちは、「まるで中学生の英語スピーチ大会だ」と笑い合っているそうだ。素直に日本語でやればよかったのだ。

国際ジャーナリストの堀田佳男氏は言う。

「テレビで見ていましたが、リズムが悪すぎて意味がわかりませんでした。米議員の半分以上がスピーチを聞かずに、紙を見ていた。文節の切り方がおかしいし、リズムもない。単語ひとつひとつを明確にしようということなんでしょうが、8割の議員がわからなかったでしょう。安倍首相は演説で自らの留学のエピソードも入れていましたが、ただ恥ずかしいだけです」

 議員の中には途中退席する者もいたという。米議会では、スタンディングオベーションは習慣で、タイミングもあらかじめ決まっている。ありがたがっているのは、何も知らない日本のメディアと、おめでたい安倍首相だけだ。

 税金約1億円も使って、一体何をしに行ったのか。まだ、日本でおとなしくしてくれていたほうが、よっぽど国益のためになったのではないか。
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