浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

歴史認識と自己認識

2015-05-26 21:51:57 | 日記
 5月15日に早稲田大学で行われた集会の模様を撮影した動画を見た。

http://www.news-pj.net/movie/21230

 最後のシンポジウムは、中身が濃いものだった。特に作家・浅田次郎氏の発言は考えさせるものであった。

 ボクなりに要約すると、こういうことだ。

 現在の問題は、日本人が近現代史についての歴史知識がないということからきている、歴史的な知識のうえに構築される歴史認識、それがないと歴史を情緒的にしか捉えられなくなる。
 たとえば、歴史小説とか、テレビの歴史物とか、そこから形成されるイメージをあたかも歴史的事実であるかのように思い込む。

 きちんとした歴史認識がないと、自己認識すら危うくなる。

 今生きている人は、自らの幸不幸の由来を尋ねるべきだ。今の幸せ(不幸せ)は、どこから生じてきたのかを、家族の歴史のなかに見つけ出す。それは日本の近現代史をさかのぼることになる。


 浅田次郎の小説はいくつか読んだが、ハッピーな結末になる、優しい小説だと思ったことがある。今度は、彼の歴史小説に挑戦してみよう。

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『大杉栄全集』

2015-05-26 21:22:24 | 
 『大杉栄全集』の既刊分が届いた。大杉の本は、文庫本で少しもっているし、大杉の著作がすべて入っているといわれる『ザ・大杉栄』という本ももっている。しかし、これは読みにくい。そこで、全集を購入した。

 大杉の著作は、『自叙伝』など主なものは読んでいるが、2023年の大杉栄・伊藤野枝・橘宗一虐殺100周年まで墓前祭に関わらなければならないボクにとっては、やはり彼の著作はすべて読み通す必要があると考えたのだ。もちろん今は他の仕事があるので読めないけれども、いつかは読めるだろう。ちなみに伊藤野枝の全集は、ずっと前から本棚に飾ってある。

 本を買ってあると、それをつかって何ごとかをしようという意欲が湧いてくる。あるところで今年行う講座の内容は、今までにボクが購入した本を有効につかおうという決意から決めたものだ。しかしその内容を詰めていけばいくほど、新しい本を購入しなければならなくなるので、さらに本が増えていく。

 今回刊行された全集は、読みやすくなっている。編集に携わった人々の功績であろう、感謝したい。

 また出版社には、買いやすい値段にしていただいた。感謝である。
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権力を握る者

2015-05-26 09:18:02 | 政治
 「ポツダム宣言」も読んだことがないなど、彼の言動は全く教養がないことを常時示し続けている、その彼が首相なのだ。

 能力のある者は、他人の話をきちんと理解して、それに応じて話す。コミュニケーションというのは、相互に理解力があることを前提とする。ところが彼には、それがない。だから質問に対しては、それに応えないで自らが言いたいことを話し続ける。

 そういう彼は、国民を見下している。「俺が言いたいことを言い、やりたいことをやるのだ」と。
 小選挙区制という悪魔の制度と政党交付金制度を導入してから、政党の総裁は人事権のみならずカネも支配しているので、とても強くなる。みずからの周囲に「お友だち」をおいておけばさらに強くなる。同時に自民党の議員はじめ、議員の質もここまでいくかと思えるほどに落ちている。そういう輩は、自らの思想がないので、「親分」に付き従う。
 かくて首相の資質を持たない者が首相として強権をふるう。

 今度の参戦法案。首相は「他国の領土、領海、領空で戦闘行為を行わない」と言明する。他方、菅官房長官は「新三要件に当たれば、他国での戦闘も、敵基地への攻撃もあり得る」と言う。
 どちらが正しいか。もちろん後者である。そのために「参戦法案」が国会に上程されたのである。

 なぜ首相はそう言うのか。要するに、大方の国民にはだまし通せると思っているのだ。とにかく法案を通過させ成立させる、そのためには「嘘も方便」なのだ。

 これほどまでに、理解力のない、ただ自らの思い込みや妄想による政治を推し進めている安倍晋三という輩に政治をやらせたくはない。

 ところが経済界などには、その政治によってカネが転がり込むことを期待している輩が多いのだ。経団連という巨大企業の経営者たちだ。
 またネットには、政治権力にひたすら盲従し、盲従しない者に悪罵を投げつける輩もいる。

 日本は、まさに劣化しているとしかいいようがない。劣化している者が権力を掌握し、わが国を闇の中に迷い込ませようとしている。
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