『週刊朝日』の北原みのり氏の
コラムを読んだ。そのなかに、彼女が女性検事に取り調べを受けたときの模様が記されてた。
女性検事に、検事よりも年上の男性の検察事務官。女性検事は、その男性検察事務次官を叱責していたという。階級社会が、霞ヶ関では貫徹しているのだ。だから、国家公務員たちは、必死に上昇しようとあがき、あらゆる手を使う。同窓会、付け届け、ごますり、有力者とのつながり・・・・
しかしこのような傾向は、社会全体にまん延しているのではないだろうか。
こういうタテ社会を、まず体験するのが中学校の部活動である。まさに完全なタテ社会が貫かれる。ほとんどの子どもたちは、体育系の部活動に入る。親が薦めたり、あるいは体育系の部活動に入部した方が高校受験にはプラスであるという情報が流される。
後者については、静岡県ではほぼ100%近くの高校でスポーツ推薦の別枠入試がある。その子どもたちは、部活動をするために高校に入る。
そして企業。そこでも階級社会である。タテの関係が重視される社会を、ほとんどの人が体験する。もちろん職場によってはゆとりがあって、そこでは昔ながらの長幼の序などが働くこともある。
いずれにしても、リタイアしていない人々は、タテ関係のなかで暮らしていかざるを得ない。
すでにそういう社会と離れている私は、タテ関係から完全に自由に暮らしている。といっても、職場にいる頃から、私はタテ関係をほぼ無視していた。「人間みんなチョボチョボ」という小田実の思想を実践し、言いたいことを言ってきた。
地域に生きていると、タテ関係はなく、それぞれの人間の「素の姿」が見られる。この人はこういう人なんだ・・・・ということがわかり、それに対応したつきあいが可能であり、いやならつきあうことをやめることができる。
対人関係が、もっともストレスを生み出すのだろう。今は、ストレスなしである。若干、上昇志向のある人がいるが、別に利害関係はないので無視できるし、基本的につきあわない。
「人間みんなチョボチョボ」という思想は、いいなあ。