残念ながら、読んでいてあまり愉快な本ではない。やっぱりか、という絶望感が湧いてくるような内容だ。結論的に言って、裁判所は「権力の補完機構」であること、それが事実に基づいて記されている。
瀬木氏は、もと裁判官。おそらくエリート裁判官だったのだろう、そのルートを歩んできたのだが、違和感をもちつつ生きてきた。そして退官。外から裁判所を見る中で、その異常さをまざまざと認識する。
数々の事件をミクロから事実を積みあげて肉迫した書物を著している清水氏がさまざまな質問をし、瀬木氏から裁判機構の内部を明らかにしていく。読めば読むほど、権力の腐臭に絶望感をもってしまう。
裁判所が完全に「権力の番人」となり、腐臭をたてはじめたのが2000年代だという。まさに小選挙区制の選挙制度により、民意が踏みにじられた選挙が行われるようになってからだ。
日本の政治権力が、腐臭を放つようになったとき、裁判所も歩調を合わせ始めたのだ。
私は、この本をぜひ読んでもらいたいと思う。
絶望の中から希望を拾い出すためには、絶望をきちんと認識することが必要だ。なぜそうなったのかを知るとき、その絶望からどうやって抜け出すことができるのかを知ることができる。
報道に携わる者は必読である。
砂川事件の最高裁判決は、日本の裁判所を骨抜きにした源であると再認識した。
瀬木氏は、もと裁判官。おそらくエリート裁判官だったのだろう、そのルートを歩んできたのだが、違和感をもちつつ生きてきた。そして退官。外から裁判所を見る中で、その異常さをまざまざと認識する。
数々の事件をミクロから事実を積みあげて肉迫した書物を著している清水氏がさまざまな質問をし、瀬木氏から裁判機構の内部を明らかにしていく。読めば読むほど、権力の腐臭に絶望感をもってしまう。
裁判所が完全に「権力の番人」となり、腐臭をたてはじめたのが2000年代だという。まさに小選挙区制の選挙制度により、民意が踏みにじられた選挙が行われるようになってからだ。
日本の政治権力が、腐臭を放つようになったとき、裁判所も歩調を合わせ始めたのだ。
私は、この本をぜひ読んでもらいたいと思う。
絶望の中から希望を拾い出すためには、絶望をきちんと認識することが必要だ。なぜそうなったのかを知るとき、その絶望からどうやって抜け出すことができるのかを知ることができる。
報道に携わる者は必読である。
砂川事件の最高裁判決は、日本の裁判所を骨抜きにした源であると再認識した。
瀬木比呂志・清水潔『裁判所の正体』(新潮社)を読んでいる。メディア関係者は、この本は必読である。裁判所がいかなる状態になっているかを知った上で取材すべきだからだ。
さて、裁判所では,2000年代以降、こうなっているそうだ。
「所長クラスが我先に最高裁に尻尾を振るような状況になってしまった。・・(上は-引用者注)組織の気風に従う人かどうかをみている・・・非常に優秀な人が局付にならない一方で、どうしてこんな人がという人が局付になる。あるいは、新任ですら、どうしてこの人がなれないのかと思うような人がだめだといわれ、どうしてこんな人がなるのかと思うような人が採用される」「統制のシステムがだんだん腐敗してきて、相当にひどいところまできてしまった」
要するにヒラメが「出世」していくという構造だ。上に素直に従う者が「出世」していく。
それはどこの世界でも同じで、言うべきことをきちんと言う人は「出世」しない。
学校現場も、きっとそうだろう。
<福井・中2自殺>校長や教頭が叱責やしつこい指導目撃
さて、裁判所では,2000年代以降、こうなっているそうだ。
「所長クラスが我先に最高裁に尻尾を振るような状況になってしまった。・・(上は-引用者注)組織の気風に従う人かどうかをみている・・・非常に優秀な人が局付にならない一方で、どうしてこんな人がという人が局付になる。あるいは、新任ですら、どうしてこの人がなれないのかと思うような人がだめだといわれ、どうしてこんな人がなるのかと思うような人が採用される」「統制のシステムがだんだん腐敗してきて、相当にひどいところまできてしまった」
要するにヒラメが「出世」していくという構造だ。上に素直に従う者が「出世」していく。
それはどこの世界でも同じで、言うべきことをきちんと言う人は「出世」しない。
学校現場も、きっとそうだろう。
<福井・中2自殺>校長や教頭が叱責やしつこい指導目撃