『紀伊民報』のコラムである。文章がうまいわけではない。内容の点で紹介する。
「JRと経営努力」
「ブルータス、お前もか!」というジュリアス・シーザーの言葉に倣っていえば「JR西日本よ、お前もか!」というところだろう。
▼先週、和歌山市で開かれた知事と市町村長の懇談会で、串本町の田嶋勝正町長が質問したJR紀勢線の減便問題である。「JR西日本から、紀勢線の白浜駅以南の乗客が少ないので、地域からの利用促進への協力を数字で示す努力を求められた」「近い将来、減便になり、最後はバスになるのではと心配している」と県の考え方を聞いた。
▼仁坂吉伸知事は「JRは客を増やす努力をしたのか。努力もしていないのに、独占的な地位を得ている」「減便の構想は全部反対。一からやり直せというのが県の考え方だ」と激しい言葉で答えたという。
▼JRの前身は国鉄。官営鉄道として全国に鉄道網を張り巡らせ、地域とともに発展してきた。民営化され、採算が求められるようになると、収益の上がる新幹線や通勤客の利用が多い都市近郊の路線に経営資源を注入。採算の合わない地方路線は次々とリストラしてきた。その波が紀勢線にも及んできた。
▼しかし知事も指摘するように、その流れを食い止める努力を事業者がどれだけしてきたのか、という点には疑問符がつく。不便になったから車の利用者が増え、鉄道の利用が減ったという見方もある。
▼紀勢線はいまも、通学の高校生やお年寄りには大切な鉄道である。安易な減便は認められない。 (石)
私は、「なぜ?」という問いがすごく大切であると思っている。現状を考えるとき、なぜそうなったのか、時間をさかのぼって探ることが必要だ。地方線の減便、あるいは廃線などの源流は、国鉄の分割民営化にある。全国どこでも、住民の足を保障していくという鉄道の公共性が、分割民営化で失われたのだ。JRは、このコラムにもあるように、「採算」、「収益」に振り回されるようになった。「民営化」ということは、私企業化ということである。カネもうけのために、鉄道事業をしているのだ。
国鉄の時代までは、大都市での利益を地方にまわして、地方の公共性を維持してきた。しかし今JRにはそんな姿勢はない。公共性は二の次三の次である。何でもかんでも、「民営化」。それにより、「公共性」というものが捨てられてきた。
もう一度、国鉄にしたい。
「JRと経営努力」
「ブルータス、お前もか!」というジュリアス・シーザーの言葉に倣っていえば「JR西日本よ、お前もか!」というところだろう。
▼先週、和歌山市で開かれた知事と市町村長の懇談会で、串本町の田嶋勝正町長が質問したJR紀勢線の減便問題である。「JR西日本から、紀勢線の白浜駅以南の乗客が少ないので、地域からの利用促進への協力を数字で示す努力を求められた」「近い将来、減便になり、最後はバスになるのではと心配している」と県の考え方を聞いた。
▼仁坂吉伸知事は「JRは客を増やす努力をしたのか。努力もしていないのに、独占的な地位を得ている」「減便の構想は全部反対。一からやり直せというのが県の考え方だ」と激しい言葉で答えたという。
▼JRの前身は国鉄。官営鉄道として全国に鉄道網を張り巡らせ、地域とともに発展してきた。民営化され、採算が求められるようになると、収益の上がる新幹線や通勤客の利用が多い都市近郊の路線に経営資源を注入。採算の合わない地方路線は次々とリストラしてきた。その波が紀勢線にも及んできた。
▼しかし知事も指摘するように、その流れを食い止める努力を事業者がどれだけしてきたのか、という点には疑問符がつく。不便になったから車の利用者が増え、鉄道の利用が減ったという見方もある。
▼紀勢線はいまも、通学の高校生やお年寄りには大切な鉄道である。安易な減便は認められない。 (石)
私は、「なぜ?」という問いがすごく大切であると思っている。現状を考えるとき、なぜそうなったのか、時間をさかのぼって探ることが必要だ。地方線の減便、あるいは廃線などの源流は、国鉄の分割民営化にある。全国どこでも、住民の足を保障していくという鉄道の公共性が、分割民営化で失われたのだ。JRは、このコラムにもあるように、「採算」、「収益」に振り回されるようになった。「民営化」ということは、私企業化ということである。カネもうけのために、鉄道事業をしているのだ。
国鉄の時代までは、大都市での利益を地方にまわして、地方の公共性を維持してきた。しかし今JRにはそんな姿勢はない。公共性は二の次三の次である。何でもかんでも、「民営化」。それにより、「公共性」というものが捨てられてきた。
もう一度、国鉄にしたい。