都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「リュック・タイマンス展 『Restoration』」 WAKO WORKS OF ART 6/10
WAKO WORKS OF ART(新宿区西新宿3-18-2-101)
「リュック・タイマンス展 『Restoration』」
5/12-6/24
KENJI TAKI GALLERYと隣り合うギャラリーです。ベルギー出身の画家、リュック・タイマンスの個展が開催されています。「イエズス会」をテーマとする大きな絵画作品が並んでいました。

教会を描いた大きな油彩画が目に留まります。淡い色合いの油彩絵具。画面全体がかげろうのように揺らいでいます。そして奇妙な立体感。まるで粘土細工のような質感です。白く、光に溶けてまどろむ教会の姿。光が建物の色と形を支配している。画面に包み込まれるような印象も受けました。
しばらくこの教会を見ていると、とある印象派の作品を思い出しました。それはモネが連作として手がけた「ルーアン大聖堂」です。同じ構図を執拗に描き、それぞれの瞬間の光の移ろいを描いた名作。タイマンスの教会も、そんなモネの光を受け継いでいます。建物を見ているのではなく光を見ている。とても心地良い感覚です。
タイトル(Restoration=教皇権の復活)をひも解くと、何やらとても難解なイメージがありますが、(キャプションは非常に哲学的です。)この油彩の味わいだけでも大切にしたい作品かと思いました。今月24日までの開催です。
「リュック・タイマンス展 『Restoration』」
5/12-6/24
KENJI TAKI GALLERYと隣り合うギャラリーです。ベルギー出身の画家、リュック・タイマンスの個展が開催されています。「イエズス会」をテーマとする大きな絵画作品が並んでいました。

教会を描いた大きな油彩画が目に留まります。淡い色合いの油彩絵具。画面全体がかげろうのように揺らいでいます。そして奇妙な立体感。まるで粘土細工のような質感です。白く、光に溶けてまどろむ教会の姿。光が建物の色と形を支配している。画面に包み込まれるような印象も受けました。
しばらくこの教会を見ていると、とある印象派の作品を思い出しました。それはモネが連作として手がけた「ルーアン大聖堂」です。同じ構図を執拗に描き、それぞれの瞬間の光の移ろいを描いた名作。タイマンスの教会も、そんなモネの光を受け継いでいます。建物を見ているのではなく光を見ている。とても心地良い感覚です。
タイトル(Restoration=教皇権の復活)をひも解くと、何やらとても難解なイメージがありますが、(キャプションは非常に哲学的です。)この油彩の味わいだけでも大切にしたい作品かと思いました。今月24日までの開催です。
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「村岡三郎展 『Memory』」 KENJI TAKI GALLERY/東京 6/10
KENJI TAKI GALLERY/東京(新宿区西新宿3-18-2-102)
「村岡三郎展 『Memory <1944-2006>』」
6/8-7/15
初台は、新国立劇場やアートギャラリーなどでしばしば足を運んでいますが、ギャラリーまでへ行ったのは今回が初めてです。KENJI TAKI GALLERYでは、彫刻家、村岡三郎(1928~)の個展が開催されていました。

宙から吊るされた鋭利な金属片と、その先にある人のサイズほどの立て板。金属板には踏み台と肘掛けが出っ張っている。どうやらこれは、上の画像のように人がぽっかり入る装置のようですが、「Saburo Muraoka sleeping on the Standing Bed」(2006)というタイトルはかなり謎めいています。と言うのも、この形、そして手前の金属との関係が、まるで拷問具のように見えるからです。尖った金属片がこのBedに入った者を突き刺す。痛々しいイメージ。そんな恐怖感すら覚える作品でした。
ところで村岡三郎の作品は、今、東京国立近代美術館の常設展示の「持続/切断」(7/30まで)でも見ることが出来ます。こちらは河原温や草間彌生らの作品とともに、「折れた酸素」などの彫刻が展示されているとのことでした。こちらも是非拝見したいです。今月15日までの開催です。
「村岡三郎展 『Memory <1944-2006>』」
6/8-7/15
初台は、新国立劇場やアートギャラリーなどでしばしば足を運んでいますが、ギャラリーまでへ行ったのは今回が初めてです。KENJI TAKI GALLERYでは、彫刻家、村岡三郎(1928~)の個展が開催されていました。

宙から吊るされた鋭利な金属片と、その先にある人のサイズほどの立て板。金属板には踏み台と肘掛けが出っ張っている。どうやらこれは、上の画像のように人がぽっかり入る装置のようですが、「Saburo Muraoka sleeping on the Standing Bed」(2006)というタイトルはかなり謎めいています。と言うのも、この形、そして手前の金属との関係が、まるで拷問具のように見えるからです。尖った金属片がこのBedに入った者を突き刺す。痛々しいイメージ。そんな恐怖感すら覚える作品でした。
ところで村岡三郎の作品は、今、東京国立近代美術館の常設展示の「持続/切断」(7/30まで)でも見ることが出来ます。こちらは河原温や草間彌生らの作品とともに、「折れた酸素」などの彫刻が展示されているとのことでした。こちらも是非拝見したいです。今月15日までの開催です。
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