都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「レンズを通して語る 地中海の神話」 イタリア文化会館 6/25
イタリア文化会館(千代田区九段南2-1-30)
「レンズを通して語る 地中海の神話 ミンモ・イョーディチェ写真展」
4/27-6/25(会期終了)

いつも山種美術館で展覧会を見終えた後は、神保町へ繰り出して本屋などを幾つか廻ります。この日も「緑雨の景観」展を見て、直ぐさま千鳥が淵の方向へと歩き始めました。ところが、一緒にいた連れの一言、「イタリア文化会館で何かやっていたような…。」で思い出します。そうです、すっかり忘れていました。ちょうどこの日まで開催されていた写真展です。イタリア人のミンモ・イョーディチェによる、地中海の遺跡を撮影した展覧会でした。

彼のモノトーン的な写真はとても動的です。ピントを意図的にずらしているのでしょうか。対象が半ばぼやけているように収められていました。そして被写体は、古代ギリシャ、あるいはローマの遺跡です。どれも彫像などを大きくクローズアップするようにして、その存在感を強調します。またどの写真からも、その遺跡に詰め込まれた時の長い経過が感じられました。ただいくつかの作品、特に彫刻作品では、まるでつい先ほどまで生きていたかのような気配さえ漂わせている。生き生きとしたポーズ。見開いた目。どれも力感に溢れていました。

光の陰影をとても大事にして表現しているのでしょうか。海を撮影した作品からは海の透明感が、また遺跡内部を撮影したものからは石の重みがぽっかりと抜け落ちて捉えられています。つまり、そこに当たった光だけが、美しい影を従えて示されているのです。また、パンフレットには「静謐さと緊張感の漂う」とありましたが、私には特に被写体と撮影者(ミンモ)の間との緊張感を強く感じました。ただ、少なくともあまり静謐ではありません。その場のかつての賑わいを想起させるような、ガヤガヤとした写真が目立ちます。

入場は無料でした。イタリア文化会館は、オープニングのエトルリア展以来すっかり音沙汰がありませんでしたが、思わぬ偶然にて、しかも閉館間際の滑り込みで見ることが出来ました。これからも是非、このような写真を含めたイタリアのアートを紹介していただきたいものです。
「レンズを通して語る 地中海の神話 ミンモ・イョーディチェ写真展」
4/27-6/25(会期終了)

いつも山種美術館で展覧会を見終えた後は、神保町へ繰り出して本屋などを幾つか廻ります。この日も「緑雨の景観」展を見て、直ぐさま千鳥が淵の方向へと歩き始めました。ところが、一緒にいた連れの一言、「イタリア文化会館で何かやっていたような…。」で思い出します。そうです、すっかり忘れていました。ちょうどこの日まで開催されていた写真展です。イタリア人のミンモ・イョーディチェによる、地中海の遺跡を撮影した展覧会でした。


彼のモノトーン的な写真はとても動的です。ピントを意図的にずらしているのでしょうか。対象が半ばぼやけているように収められていました。そして被写体は、古代ギリシャ、あるいはローマの遺跡です。どれも彫像などを大きくクローズアップするようにして、その存在感を強調します。またどの写真からも、その遺跡に詰め込まれた時の長い経過が感じられました。ただいくつかの作品、特に彫刻作品では、まるでつい先ほどまで生きていたかのような気配さえ漂わせている。生き生きとしたポーズ。見開いた目。どれも力感に溢れていました。

光の陰影をとても大事にして表現しているのでしょうか。海を撮影した作品からは海の透明感が、また遺跡内部を撮影したものからは石の重みがぽっかりと抜け落ちて捉えられています。つまり、そこに当たった光だけが、美しい影を従えて示されているのです。また、パンフレットには「静謐さと緊張感の漂う」とありましたが、私には特に被写体と撮影者(ミンモ)の間との緊張感を強く感じました。ただ、少なくともあまり静謐ではありません。その場のかつての賑わいを想起させるような、ガヤガヤとした写真が目立ちます。

入場は無料でした。イタリア文化会館は、オープニングのエトルリア展以来すっかり音沙汰がありませんでしたが、思わぬ偶然にて、しかも閉館間際の滑り込みで見ることが出来ました。これからも是非、このような写真を含めたイタリアのアートを紹介していただきたいものです。
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