「岩田壮平・阪本トクロウ」 いつき美術画廊

いつき美術画廊中央区京橋3-3-8 新京橋ビル1階)
「岩田壮平・阪本トクロウ」
3/24-4/5

 

愛読ブログ「徒然と(美術と本と映画好き...)」でもご紹介のあった、今年度のVOCA展出品作家、阪本トクロウの岩田壮平との二人展です。いつき美術画廊での表題の展示を見てきました。

小さな画廊での二人展と言うことで、阪本の展示作は計5点ほどでしたが、その殆どがあのマットな『阪本グレー』に彩られた、静けさとどことないほのぼのとした風情の漂う風景画です。阪本に道路を切り取らせると、刹那的で寂し気な佇まいに何とも言えない魅力を感じますが、今出品作でもその道路を素材とした絵画に特に惹かれました。鉄塔の聳える山の前を一本の道路が淡々と進みゆく「アフターイメージ」(2008)や、高速道に乗っていて頭上を見上げた時に映る照明のイメージをそのまま絵画に表したようなものなど、どれもが阪本ならではの控えめでかつ冴えた構図感を見る美しい作品です。また今回はその道路に、都会的でまたクールな印象を見るようにも思えました。何気ない光景を、ストイックなまでに単純化した色面に置き換えています。あたかも目に差し込む光の陰影だけを見ているかのような、心地良い残像を残してくれました。

今週の土曜日まで開催されています。
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