「101TOKYO Contemporary Art Fair 2008」 旧練成中学校

旧練成中学校(千代田区外神田6-11-14
「101TOKYO Contemporary Art Fair 2008」
4/3-6(本日17時終了)



有楽町の「アートフェア東京」が現代アートの攻め口の大手門としたら、こちらはその搦め手かもしれません。日本、または世界各地より厳選されたという若手ギャラリー、または現代アーティストの集う、「101TOKYO Contemporary Art Fair 2008」へ行ってきました。

出展ギャラリーは公式サイトをご覧下さい。在京14、海外14の計28軒のギャラリーが紹介されています。

国内画廊の例:ARATANIURANO(新富町)、FOIL GALLERY(東神田)、magical, ARTROOM(清澄)、MISAKO & ROSEN(北大塚)、成山画廊(九段)、YUKARI ART CONTEMPORARY(学芸大学)

当然ながら量の面において、100軒以上の集うアートフェア東京にかなうはずもありませんが、その分、現代アートに特化した、しかもその上でまだ評価の定まらない作家までを網羅した、半ば尖った『今』のアートを見ることが出来ます。また、出展の半数が海外画廊であるというのも大きな特徴です。旧小学校跡地の建物の一室(展示規模は有楽町の3分の1にも及ばないかもしれません。)を用い、多様なアート作品が何やらジャングルを彩る木々のようにひしめていました。そこになるのがまさにアートの実というわけです。

印象深かった画廊、または作品を羅列します。

11 Galeria de Muerte:植田圭(細密な鉛筆のドローイング。シーラカンスを描いたようなモチーフの生き物に重厚感あり。)
12 YUKARI ART CONTEMPORARY:大畑伸太郎(巨大なアクリル画とオブジェ。駅のホームで別れを告げる男女の姿か。緑に統一された面的なタッチがエキゾチック。)
17 FOIL GALLERY:川内倫子(ナイフで果実を剥く姿が驚くほど美しい。氷の写真も瑞々しさに溢れる。今月末より個展開催。4/24~。)
15 成山画廊:松井冬子(霊の潜む絵画。例の謎めいたタイトルの作品よりも、腑分図などの臓器の解剖学的なドローイングの方が良い。それ自体が別の生き物のよう。)
25 magical, ARTROOM:大庭大介(ミニマル的な絵画。レイヤー状に折重なる色面がキラキラと光沢を放つ。)
22 Workplace Gallery:Laura Lancaster(静物画。かばんの残像に確かな存在感。)
18 nca | nichido contemporary art:越中正人(新宿などの街角写真。撮影したものを接写して別個の景色を作る。無関係に行き交う都市の人々の孤独感。10月に個展あり。)
8 Galerie Sho Projects:MASAKO(以前見た個展でも圧倒的だったMASAKOのアクリル画数点。デュマス以上の力強さ。既に全点完売。)
3 ARATANIURANO:梅津庸一(現在、個展開催中の梅津の絵画。見ていて嫌悪感を感じるほど内的でプライベートな感触を露にしている。そこが逆に強み。)

もちろん上記以外にも、特に外国の画廊の作品に見入るものがありました。あくまでも一例です。

 

量的に入場料の1000円が見合うかどうかは微妙なところですが、私としてはこの後出向いた本丸、アートフェア東京よりも愉しく拝見することが出来ました。

本日17時までの開催です。有楽町からのハシゴを是非おすすめします。
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