「朝鮮陶磁 - 柳宗悦没後50周年記念展」 日本民芸館

日本民芸館目黒区駒場4-3-33
「朝鮮陶磁 - 柳宗悦没後50周年記念展」
4/1-6/27



創設者、柳宗悦の没後50周年を記念し、彼の眼によって選ばれた館蔵の朝鮮陶磁、約270点を展観します。日本民芸館で開催中の「朝鮮陶磁 - 柳宗悦没後50周年記念展」へ行ってきました。



大谷石の外観も特徴的な民芸館の建物からして見どころであるのは言うまでもありませんが、大壺から水滴など、大小様々な朝鮮陶磁の名品がこれだけ揃ったことなど他になかったかもしれません。乳白色の虚空の中に秋草が靡く染付の他、土の温もり感じる大井戸茶碗、さらには黒い光を妖しく放つ飴釉の茶碗など、魅力ある作品が惜しげもなく展示されていました。



また朝鮮陶磁総ざらい展ということもあって、やや変わった作品が出ているのも見逃せないポイントです。餅の表面に紋様をつけるための「餅型」、またニンニクなどをすりおろす「おろし器」などの小品類にも興味深いものがありました。実際のところ、出品の全270点のうち、こうした小品が多数を占めるため、そう数が多いという印象は受けませんが、それでも朝鮮陶磁を愛でるのにはこの上ない機会となりました。

また陶磁の他、朝鮮に関連した文字絵、さらには民画などの絵画類も必見ではないでしょうか。中でもいわゆるヘタウマ系のタッチでお堅い主題をまとめた「瀟々八景図」には思わずニヤリとさせられました。またその他、宗達画を連想させる子犬の登場する李巌の「花下遊狗図」や、多数出ていた蓮池に主題をとった民画類なども素朴な味わいも醸し出しています。「ミニ朝鮮絵画展」が併催されていたと言っても良いかもしれません。

本展にあわせて刊行された図録「日本民芸館所蔵 朝鮮陶磁図録」(2500円)もなかなか力が入っていました。図版229点他、いくつかの論文を交えた本図録は、国内で手に入る朝鮮陶磁図版の決定版であるかもしれません。



なおいつものように民芸館では会期中、毎月第2水曜・第2土曜・第3水曜・第3土曜日に旧柳宗悦邸を公開しています。

 

ちなみにこの展示に関連する「柳宗悦 朝鮮とその藝術」展が、6月に四谷三丁目の韓国文化院にて開催されます。



「韓国文化院新庁舎オープン1周年記念事業 柳宗悦 朝鮮とその藝術」
場所:韓国文化院1階ギャラリーM1(新宿区四谷4-4-10
日時:6/9~6/19。10:00~17:00/日曜休館/入場無料

講演会なども予定されているようです。出来ればこちらも拝見したいと思いました。



「朝鮮陶磁」は6月27日までの開催です。おすすめします。
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