「まなざし 阪本トクロウ展」 ギャラリー桜の木銀座

ギャラリー桜の木銀座中央区銀座5-3-12 壹番館ビルディング3階)
「まなざし 阪本トクロウ展」
5/15-29



ギャラリー桜の木銀座で開催中の「まなざし 阪本トクロウ展」へ行ってきました。

プロフィールについては作家本人のWEBサイトをご参照下さい。(ツイッターアカウントあり)

profile@阪本トクロウ

なおその中に本展出品の作品画像も掲載されています。

最近では08年のVOCA展の他、09年のキドプレスの個展なども印象に深い阪本ですが、少なくとも今回は私が知る限りでは近年にない出品数、新作20点を含む30点超もの作品が展示されています。「日常の延長線のなかでみつけた風景の断片」(DMより一部引用)を、時に余白を残しながら切り取っていく様子は、あたかも色のついた影絵のような独特の静寂に満ちた景色を作り上げていました。なお本展は同ギャラリーが5年も待ち望んでようやく開催された待望の個展です。質量ともに確かに充実していました。

進みゆく高速道路から、どこか刹那的な視点に空を見上げるお馴染みのハイウェイシリーズをはじめ、何気ない街角の一ページを切り絵のように取り出した「呼吸」など、最近の変わらぬ阪本の魅力を味わえるのは言うまでもありませんが、本展ではそこからの変化、つまりはこれまでにはない展開を見せる作品がある点も見逃せません。特にまるで足元にうつる木漏れ日を写したような「地図」などからは、余白や構図の取り方にもまた一歩、新たに進んだ阪本の視点が伺い知れるのではないでしょうか。私としては湖の浮かぶスワンボートを大胆な構図で切り取った「山水」(VOCA出品作)のような作品に一番惹かれますが、白い光を巻き込んで水色に染まる空を描いた「sky」の美しさもまた格別でした。

5月29日まで開催されています。
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