◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

自動詞と他動詞、昨日の続き。

2007-06-28 09:14:56 | 気になる言葉、具体例
                      手に入る
 昨日、自動詞と他動詞の定義を紹介しましたが、それを踏まえて次の例文について考えてみてください。「さあ、始まろうか、というときに」「歌詞から思い浮かぶことができますよ」「到底手に入ることができない」、おかしいですか、おかしくないですか。
 始まる、浮かぶ、入る、これらは自動詞ですね。「始まろうか」って、聞いたことありますか。これは「始めようか」ではないですか。「思い浮かぶことができます」っておかしくないですか。これは「思い浮かべることができます」ですよね。同様に、「手に入ることができない」も、「手に入れることができない」ですね。そんなの当たり前じゃないの、とお思いになったかたは大丈夫、だけど、うーん、分からない、というかたは・・・危ないですよぉ。
 あくまでも自動詞の形で言うなら、つまり、積極的な意味を持たせないで言いたいということでしたら、「さあ、始まるぞ、というときに」「歌詞から浮かんできますよ」「到底手に入らない」となります。ちなみに、「思う」は他動詞であり、これに自動詞である「浮かぶ」をくっつけて「思い浮かぶ」というのはちょっと無理がありますね。それで、「歌詞から浮かんできますよ」です。え、何が浮かんでくるのかって? 懐かしい風景とか、ほのぼのした光景とか、ね。
コメント
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