ガスケット1枚取っ替えるために。
こないだは寒冷前線の通過で、当地5℃まで冷え込んで、9月だけどストーブ焚いてしまった。
前線通過後も天気は不安定だったけど、懸案だったサンパーのヘッドガスケット交換。延ばし延ばしにしてきたけど、車検も近づいてくることだし、ここらで重い腰を上げることにしよう。
まずはリアを高々とジャッキアップ。
ホットロッドな感じ。
時折けっこうな雨が降るので、車庫のシャッターから荷台にシートをさしかけて、作業場所を確保。
ラジエターのドレンコックからクーラントを抜きつつ、エンジンのウォーターホースを切り離して、そこからも水を抜く。
エキマニを外して、エキマニガスケットを見たら、2番と3番の間あたりからオイルが垂れてたようだ。
タイベル外すためには、クランクプーリーを外さなきゃない。
ところが、インパクトででも締めたのか、ウチの非力インパクトでも、センターボルトにレンチ掛けてのセルでもまったく緩まない。炙っても浸透潤滑剤くれてもダメ。
悪戦苦闘の結果、バイクのプーリーやマグネトーローターを外すためのバンドホルダーでプーリーを固定して、超ロングハンドルでセンターボルトを回したら、やっと緩めることができた。
クランクプーリーのセンターボルトのトルクは10kgmだから、ホイールのナット程度のはずなのだが、何十キロで締め込んだんだか。
クランクプーリーを外すと、クランク側のタイミングスプロケットが見える。
タイベルカバーを外して、タイベルを外す。
ついでに、ウォーターポンプのドレンを開けて、エンジンブロック内の水を完全に抜く。
インマニとデスビと、ウォーターハウジングをシリンダーヘッドから切り離して、ヘッドを外す。
こっちはシリンダーブロック側。
黒く見えるヘッドガスケットがまだくっついてる状態。
ガスケットをめくると、ガスケットの中央の楕円穴からオイルが漏れていたように見える。
クランクシャフトを回すと、楕円穴に対応した2つの穴のうち、下の穴からオイルが出てきた。
なるほどな。
古いガスケットを除去して、シリンダーの中を一応見てみる。
とくに傷もなく、キレイだな。
1気筒あたり2バルブなので、こんな眺めになる。
ヘッド側もクリーニング。
500mlのペットボトルくらいの細いボア。
ヘッドの、吸排気マニフォルドのフランジ面もクリーニング。
交換用ヘッドガスケット。
サンの社外品。
手前の黒いのが、付いてたやつ。
穴の位置やサイズはすべて同じだけど、縁の切り欠きが違っている。
整備書では、この社外品の切り欠きはスーチャー用と同じということになるけど、まあ大丈夫だべ。
新しいガスケットとヘッドを載せる。
写真が黄色っぽいのは、日没を過ぎて作業灯の明かりで照らしてたからだ。
タイベルをセット。
去年の納車時に交換したばかりだから、合いマークが残っている。
これはカムスプロケ側。
クランクスプロケ側。
タイミングカバー周り復旧。
ロッカーカバー復旧。
時間も遅いのでこの日はここまで。
翌日。
排気管とマフラーを外して、サビを落として塗装。
事のついでというか、せっかくだからな。
デスビを組んで点火タイミングをとる。
と思ったら、このサンバーはフルトラ点火で、タイミングライトがないとちゃんと合わせれないんだった。
しかたないから、安いタイミングライトを発注しておいて、とりあえずポイントデスビと同様の簡易タイミングで回せるようにしとこう。
ただし、フルトラだから、デスビをジワッと回したんでは反応しない。ある程度の早さでデスビを回すとスパークするので、正確ではないけどだいたいその辺に合わせておいた。
で、排気系復旧。
切り離した冷却系統を復旧して、面倒な冷却系統のエア抜き。
タンクにクーラントをゆっくり注いで…。
エンジン側のエア抜きを開けて、タンクが減った分補充、を繰り返す。
エンジン始動。
点火位置がテキトーなわりには、普通に始動した。
ヒーターも開けて、水温が上がってラジエターファンが作動するまで回して、再度クーラントのチェック。
メンドくさいけど、サンバーはこれキチンとやっとかないとオーバーヒートしたりするからな。
急坂を含む10kmほど試運転して、異常無しだった。
オイル漏れもなかったけど、エンジンマウントの鉄板の間に染み込んでた漏れたオイルが、熱で流れ出してきていた。
洗ったんだけど洗いきらなかったんだな。再度パークリでよく流しておいた。
これでとりあえずいいみたいだから、久々に洗車して、ワックス掛けてやった。
ガスケット1枚交換するだけなんだけど、なかなかの大騒ぎだったでや。