カトリオーナ・マッケイは、スコティッシュ・ハープを抱えて、スリムな長身を跳ねるように登場。身体にぴったりの銀ラメのミニのスーツに、黒いタイツ。真っ赤な太いベルトが印象的だ。黒髪には赤い髪飾り、そしてもちろん、お定まりの美人。
私などには、ハープというとお琴のようにひそやかで、ゆったりとした妙なる調べというイメージがあった。カトリオーナの弾く曲には、もちろん、しみじみした曲もあったが、激しいリズムの曲も、踊るような楽しい曲もあり、ハープはなかなか幅広い楽器だと再認識した。
途中から、「ハンサムなゲスト」としてデュオの相棒でもあるクリス・スタウトが紹介され、以降、フィドル*との合奏となった。
*:フィドルfiddle とは、民族音楽で使われるヴァイオリンで、奏者がフィドラー
曲により、フィドルは、歌うようなメロデイがなく、ただ、ギーコギーコ(表現が悪いが)していて、ハープの音が消されてしまう。しかし、途中でフィドルが哀切なスコットランド民謡らしき曲を奏でたときは、切々としたメロデイにハープの音がよくあっていた。
アンコール2曲目、スコットランド民謡の蛍の光で幕となった。
カトリオーナ・マッケイ Catriona Mackay は、イギリス・スコットランドで、伝統音楽家を父として生まれ、王立ノーザン音楽大学でスコティッシュ・ハープ (ケルティック・ハープとも言う) とグランド・ハープを専攻。ソロのほか、フィドラーのクリス・スタウトとデュオを結成し、ヨーロッパを中心に活躍。「フィドラーズ・ビド」のメンバーとしても活動し、キーボードも弾く。
また、彼女の公式HP(英語)をのぞくと、「伝統音楽家であるが、フォーク、ジャズ、クラシックなどとコラボレーションし、またチューニング・パターンを変えられる新しいハープ(STARFISH)を共同設計するなど実験的芸術家でもある」と書いてある。実際、今回の演奏中も、何回も上部のスイッチらしきものを煩雑に切り替えることがあった。このハープがおそらく新開発のものだろう。また、弱音でかすかに弦をはじくとき、携帯扇風機らしきものをセットして弦に風を送っているように見えた。
彼女の長い指とご尊顔を拝みたい方はYouTubeの「"SWAN LK 243" - Catriona MacKay 」を。
同じYouTubeの「Fiddlers˚ Bid - 'Fezeka's' - Acoustic concert in Shetland 2007!」を見ると、観客が手拍子を打っていて、いかにも伝統音楽を楽しんでいる感じがする。彼女のハープのソロの部分も楽しげだ。今回の演奏でも、クリス・スタウトはフィドルを演奏しながらかなりな音を出して足で拍子をとっていた。