hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

香山リカ『女は男をどう見抜くか』を読む

2015年06月12日 | 読書2

 

香山リカ著『女は男をどう見抜くか』(集英社文庫か46-3、2015年㋂25日発行)を読んだ。

 

 はじめに

  1. 男のプライドと嫉妬の本質
    初対面の女性に対し、精神科医であると自己紹介すると、身を乗り出して興味を示し、質問攻めや経験談の語りが始まる。ところが男性は、完全無視を決め込んだり、話題を変えたりする。
    男性たちは、突然目の前に現れた精神科医が、自分の心の中にあるかもしれない異常や弱点を見抜くかもと不安になり、精一杯の虚勢をはるのだ。
     
  2. まじめな人、謙虚な人はソンかトクか?
    人を蹴落としてでも自分が先に行きたい、目立ちたい、という人たちは、「私は正しい」「ほかの人は私に気をつかって当然だ」と確信し、反省しない精神医学で言う「自己愛が異常に強い人たち」だ。今の社会は未成熟な子ども社会だから、自己愛人間が幅をきかせることとなる。
     
  3. 「男は女に立てられるもの」はどこからきているのか
    江戸時代はそれほど絶対的に「女が男を立てる時代」ではなく、明治民法とともに規定された「新しいイエ制度」が「男は女に立てられるもの」という価値観を固定化した。
     
  4. モテる男になるための会話術
    精神科医は「黙ってただ聴く」。ガン告知を受けて、ショックのあまり泣いている患者さんに対してはひとこと、「おつらいですよね」と言って、ティッシュを差し出し、うなずきや沈黙で対応する。それが患者さんをいちばん安心させる「共感」の最適表現なのだ。
    余計なことを言うよりは、何も話さない。でも、相手が話したらちゃんと関心を持って聴く。そして、言葉以外の行動で、その人の手助けになるようなことをする。
     
  5. 品格と野心、この時代に必要なのは?
     
  6. いつまでも「性的機能」にこだわる男たち
     
  7. 不倫しながら家族を愛する男の本音
     
  8. 熟年離婚が増えている理由
    専業主婦の妻は「いつも気楽で何もしていない」わけではなく、働く女性以上に夫からの情緒的サポートをまっている。週末に妻が「たまには外食でもどう?」と持ちかけても、夫は「オレは毎日、外にでているんだから、週末くらい家で食わしてくれよ」と出かけようとしない、という話もよく聞く。
     
  9. 配偶者を亡くすとき
    ガン告知を受けて、動じないには女性、オロオロするのは男性。
     
  10. 拝金主義と理想主義の折り合いのつけ方
    さもしくもなりたくないし、ひとりよがりの善人やおひとよしなだけの化石人にもないたくない。まずは、「どっちもありでいいさ」と揺れ動くことを恐れないこと、矛盾を抱えている自分を許すこと。
     
  11. 老いることがそんなに怖いですか
     
  12. パワーハラスメント・世代間意識の違い
    入社1年未満の新人がプレッシャーを感じる上司からの言葉は、
    1位「言っている意味わかる?」
    2位「そんなこともわからないのか」
    3位「期待しているよ」
    4位「あれ、どうなってる?」      だった。
    繊細な彼らを余裕で指導できないのは、上司もまた大きなストレス、プレッシャーにさらされているからだ。
     
  13. 男性のDVはなぜ多いのか
    自己愛によりモラハラは「もっとオレを見てくれ、大切にしてくれ」と思うあまり、知らないあいだに妻や恋人を支配し、その人間性を傷つける。
     
  14. 痴漢や盗撮に走る心理
    盗撮に走るフェティシズムの人たちは、まさに「ベニスがついていない女性の裸」を直視するだけの心の準備がない人たちなのだという。
     
  15. 時代や社会は人にどう影響を与えるのか

おわりに

文庫版あとがき

  

『女は男のどこを見抜くか』(2013年3月集英社発行)を改題、再編集。

 

 

私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

タイトル「女は男をどう見抜くか」の回答を期待すると裏切られる。しかし、男と女の考え方に違いについては、多分そうなんだろうなと思う点がいくつか指摘されている。例に挙げられている男性の考え方がちょっと古過ぎるいんじゃないと思うことは多いのだが。まあ、私がナウいのかも知れないが。

 

トラブルの相談を受けたとき「余計なことを言うよりは、何も話さない。でも、相手が話したらちゃんと関心を持って聴く。」というサジェスチョンがあるが、その通りだと思う。

一般に男性は、相談を受けると、何とか問題を解決しようとする。多くの場合、相談する人が求めているのは話を真剣に聴いてもらうことであって、問題解決ではない。

 

そもそも、私などは、奥様からのぼやきを聞いても、「その話、3回目!」など聞く耳もたないことが多かった(もはや過去形に過ぎないのだが)。3回も話すほど、それだけ苦しんでいるということを現在はしっかり理解している。そして、その結果???

 

 

香山リカ(かやま・りか)


1960年北海道生まれ。東京医科大学卒。精神科医。立教大学現代心理学部映像身体学科教授。
学生時代から雑誌などに寄稿。その後も、臨床経験を生かして、新聞、雑誌などの各メディアで、社会批評、文化批評、書評など幅広く活躍。本名中塚尚子で、パートナーはプロレスジャーナリストの斎藤文彦らしい。


おとなの男の心理学』『<雅子さま>はあなたと一緒に泣いている』『雅子さまと新型うつ』『女はみんな『うつ』になる』『精神科医ですがわりと人間が苦手です』『親子という病』『弱い自分を好きになる本』『いまどきの常識』『しがみつかない生き方』『だましだまし生きるのも悪くない』『人生の法則』『できることを少しずつ』『若者のホンネ』『新型出生前診断と「命の選択」

 

 

 

コメント
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