黒田涼著『江戸・東京の事件現場を歩く 世界最大都市、350年間の重大な「出来事」と「歴史散歩」案内』(2017年5月1日マイナビ出版発行)を読んだ。
徳川家康の江戸入府(天正18 (1590) 年)江戸入城から敗戦(昭和20(1945)年)まで、江戸・東京で起きた354の事件を概説し、そのよすがとなる物のある現場250箇所ほどを、各数点の写真と共に紹介している。
第二部では、第一部で紹介した事件現場を巡る散策コースを地図つきで11設定、提案している。
私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)
本書を読むと、あらためて東京にも時代を象徴する多くの事件現場があることが分かる。そして、目立たないところにけっこう記念碑があることに驚かされる。あなたがいつも通っているすぐ近くも何かの事件跡があるかもしれません。
掲載されている写真の場所がどこになるのか、わかりにくい場所は地図などで明示してほしかった。
事件の概要の説明、場所の説明など駆け足で通り過ぎていく。数を減らしても、1事件あたりの説明をもっと深くした方が本として読むに堪える。辞書的に使うことはイメージできないので。
ことがらの性質上、どうしても都心や下町に限られ、私に身近な山の手はほとんど登場しない。
黒田涼(くろだ・りょう)
1961年生れ。神奈川県出身。作家・江戸歩き案内人。
1985年早稲田大学政経学部卒
新聞社で記者など編集に16年携わる
2011年作家として独立。江戸・東京の有形無形の歴史痕跡紹介。
著書、『江戸城を歩く』『江戸の大名屋敷を歩く』など。