かぶれの世界(新)

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ツールドフランスの魅力

2005-07-03 18:46:55 | スポーツ
今年の夏もツールドフランスが始まった。初日は昨年より大幅に短距離(11.8マイル)のタイムトライアルで始まり、前人未到の7連覇を目指す米国のランス・アームストロングが2秒差で2位につける好調なスタートを切ったようである。今年は直前の予想は芳しくなかったが、又もや対抗馬のウルリッヒを追い越して1分以上の差をつけ衝撃を与えたと報じている。アームストロングが勝って以来、米国では自転車競技の露出度が高まった。残念ながら日本の地上波では中継されないと思うが、先日、昨年の録画を見て改めて自転車競技の面白さを思い出したので紹介する。

先月29日朝方、CATVで昨年のツールドフランス第19ステージの録画が流され、ランス・アームストロングが圧倒的な強さで6連覇を事実上決めたシーンを見た。翌日の第20ステージでパリの凱旋門まで走りツールドフランスが終わるが、パリダカと同じように最終日の順位は変わらないことになっている。彼が初優勝した頃はガンを克服したサクセス・ストーリとしてフランスで好意的に報道されていた。今では余りにも強く過去のフランスの偉大で愛されている選手の記録を次々に打ち破っていくので、最近は勝ちにこだわり過ぎる等と重箱の隅を突いて必ずしも好意的とは思えない記事が報じられている。

テレビで見る絵からでも彼の強さはダントツで、他の選手に絵が切り替わった瞬間力強さや速度が違うことが一目でわかる。第19ステージは総合成績の低い順に1分おきに次々にスタートし個人の能力が問われるタイムトライアルだった。アームストロングが前を走る総合2位の選手を追い越しそうになった。追い越すというのは相当の実力差とかアクシデントがないと起こらない。実力的にただ一人対抗すると見られるドイツのウルリッヒはアームストロングさえいなかったら何度も優勝出来ただろうと言われるが、一度も総合優勝できず(多分)引立て役になっていた。大相撲の柏戸みたいな役回りだ。アームストロングは今年を限りに引退すると報じられている。

ツールドフランスの魅力はピレネーやアルプスの山岳地帯と田園地帯を抜けていく美しいコースを世界一流の自転車選手が高速で疾走していくことであろう。沿道には熱狂的なファンが取り囲み接触事故もたまに起きる。その数日前に1000m以上の山を5回も越えなければならない距離約250キロメートルにもなる昨年の17ステージ後半の録画も見た。自転車競技は後につけると20%程度風力を減らすことが出来るといわれており、先頭を走り続けると一挙に消耗する。しかし一発勝負でその日限りのステージ優勝を狙う選手が一山毎に勇敢に次から次へとアタックをかけ、力尽き吸収され脱落していく。一方有力チームの脇役が献身的にエースの前に立ち集団のペースをつくり、最後に力尽きて落ちていく。ところが17ステージでは脇役のランディスが奇跡的に最後まで勝負し、しかも250kmの最後の1mでアームストロングが勝つという、正にドラマが起こった。録画なのに興奮した。そのランディスは今年移籍してライバルになる。

今年の第1ステージのベスト10を見ると米国4人、カザフ、ハンガリー、スイス、ドイツ、ロシア、スペインが各一人とお家元のフランスやイタリーが一人もいない。昨年もそうだった。日本では人気がないが自転車競技は世界中の選手が参加して競う完全にグローバル化したスポーツなのである。ツールドフランスが世界最高峰の自転車レースの位置を保てるのもこのオープン性による。大相撲もそういう日が来れば逆説的には成功したといえるのかもしれない。自転車競技に余り馴染がない人はアームストロングの恋人が日本でも人気のある歌手シェリル・クローだといえば多少興味が湧くかも。■


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米軍イラク増派が難しい理由

2005-07-03 17:12:18 | 国際・政治
先月「イラク停滞」と題してイラク治安がかなり悪化していると報告した。NYタイムスの名物記者フリードマン氏は痺れを切らし、今までの犠牲を無駄にしないためにはイラク投入戦力を倍増しさっさと安全な環境を作り出せと主張していると紹介した。更なる戦力投入が可能か米軍の実態を報じた記事(Fカプラン氏)を見つけたので紹介する。

米軍の総数は百万人といわれている。40万人が戦闘兵士で、そのうち15万人が現役、残りが州兵と予備役である。そのほかは後方支援と兵站、医療、訓練など多岐にわたっている。勿論兵站といえども戦闘に加わりイラクでも実際多数の戦死者を出している。3000人から4000人の戦闘兵士が旅団を構成、イラクに10、韓国1、アフガン1の旅団が配置されている。これら12旅団は1年置きに交代するため米国に帰還した12旅団がある。更に訓練中の15旅団をあわせ多少出入りがあるが合計37の現役戦闘旅団がある。

現在、志願兵募集が定員に満たず難航している。第2次大戦時には数百万の兵が志願した。ドラフト復活も議論されているが、軍幹部は士気の問題、政治家は国民の支持を得られないとしてどちらもドラフトの導入には否定的である。軍は総兵士数の増員は現実的でないと考え、戦闘支援の効率を改善する構造改革をして戦闘要員の比率を高め戦闘旅団の数を増やす計画を実行中だがその数は限られていると思われる。ブッシュ政権はドル札を刷って資金は捻出できても兵士は刷れないとカプラン氏は結んでいる。■


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米長短金利差縮小が続く

2005-07-03 09:32:43 | 社会・経済
GM社債格付けショックで一時市場は混乱したがこのところやっと落ち着きが出てきた。一時10,000ドルを切りそうになったダウ平均は10,300ドルまで戻した。連銀は何事もなかったように予想通り短期金利を0.25%あげて3.25%にした。欧州の混乱・原油高と連動しドル高が進んだ。年末には3.75%になるというのが大方の見方である。

元々このトピックは「不透明感が増す世界経済」と題して米国短期金利が上昇したのに長期金利が上昇しないという異常事態になったため書き始めた。依然として長期金利は10年物国債の利回りが4%を割るという異常さが続いている。GMの不調の原因の一つは自動車ローンの資金をベースにした金融部門が長短金利差を利用して利ざやを稼げなくなったためでもあった。私には何も解決しないまま事態がどんどん進んでいるように感じ落ち着かない。

グリーンスパンは前回FOMCで長期金利が動かないのを謎だといったが経済人はもう頭をひねるのをやめたのだろうか。私の理解では基本的に長期金利の低下は経済政策に対する信任であり、先々インフレの恐れがないと市場が判断しているというメッセージである。しかし、米国経済はピークを打ったという見方が強まっている。更にこれだけ長短金利差がなくなると逆転する可能性も出て来る。

その原因として専門家は二つに分かれている。一つは輸出国の過剰貯蓄が米国に流入し経常赤字を膨らまし金利を下げているという説である。もう一つがグローバルな過剰流動性が米国債の金利低下と住宅バブルを起こしているというもの。原因をどう考えるかにより対策は内需拡大か金融引き締めのどちらかになる。私には日本はその両方が同時に起こっているようにみえるが。

素人の私が即物的に思いつくのは、まず長短金利差が更に小さくなると住宅ローンがまず影響を受けバブル気味の住宅市場がバーストする可能性があると思うが、調べた範囲ではそんなに騒いでいる様子はない。上記GMだけでなく金融関連ビジネス、つまり金利差で稼ぐ金貸し業(銀行など)はかなり影響を受けるはずなのだが…。素人には理屈で説明できない理解を超える状況が続いている。ほっといても大丈夫なのかー?■


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