かぶれの世界(新)

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デジタル中古家電

2005-07-14 11:03:39 | 社会・経済
中古家電が急増しているらしい。主役は2年前から景気回復の立役者になったが昨年後半から失速、大幅値崩れと在庫増が報じられているデジタル家電である。デジカメ・DVDレコーダー、携帯オーディオなどである。デジタル家電の特徴は商品開発期間が短く次々と高機能化が進み売れ筋がころころ変わり、一言で言うと旬の期間が短い商品である。

デジタル家電市場で生き残る為には、短期間開発と世界同時垂直生産立ち上げを行い、売れる時に売れるだけ作り、売れている間に次期種を投入することが非常に重要である。これをやるのは言うほどに易しくはない、その企業の技術力・販売から保守までの経営管理・海外オペレーションとの連携・これらをリアルタイムで繋ぐIT などの総合力が問われる。しかも売れ筋を外さず世界市場で在庫が出ないよう売り切らなければならない。真の意味で世界同時垂直立ち上げが出来ているところはない、それに近いオペレーションが出来ているのは松下電器だけではないかと私は見ている。 

これは3ヶ月ごとに新製品を投入し、その度に価格改定をしているパソコンのビジネスモデルとよく似ている。違うのはパソコンはWindowsやCPUのアップグレードが独占企業によっていわば平等に与えられ、それに同期してヨーイドンで各社から新製品が出るのに対し、デジタル家電は各社の戦略で三々五々に発売されるので更に商品管理が難しい。イケイケの時は良かったが普及が進み消費者が選別して買うようになると一気にメーカー間の優劣の差が出てきた。従来のアナログ時代の経営管理手法から抜け出せないところが苦戦している。

これだけ頻繁に新商品が出ると一般の人にとっては1‐2年前の商品と何が違うのかわからなくなった。2台目やスナップショット用のデジカメなら新品より半値で1年前のデジカメでいいという人が増えている。デジタル家電はアナログ家電のような劣化が殆どなく、あまり手間隙かけることなく新品と同じ機能・性能に修復できるからである。現在の中古市場価格は比較的競争が限られており新製品よりも利益率が高いと見られており、秋葉原から全国に展開される勢いである。今後更に中古市場が拡大するかどうかは、新製品が魅力的な新機能性能を提供し続けるかどうかであり、技術開発が頭打ちになった瞬間から新製品市場の停滞が始まることになるであろう。■


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8+5,新中国への期待

2005-07-14 00:04:41 | 国際・政治
スコットランドのグレンイーグルズで開催中のG8を狙った先週のロンドン爆破テロは衝撃的であった。ブレア首相が一旦ロンドンに帰り陣頭指揮を取る前に各国首脳を率いて行った記者会見の様子が私には別の意味で印象的であった。それはG8首脳に加え招待された所謂BRIC’sのG5首脳がブレアと一緒に記者会見に並び共にテロと戦う姿勢を見せたことである。

会議中、胡錦濤主席は世界が直面する6つの課題として「地域紛争・貧富の格差拡大・テロ・環境破壊・金融リスク・感染症」を挙げた。さすがに人権問題などは含まないものの敢えて国内問題でもある上記の課題を挙げた。環境破壊やなりふり構わない資源外交を続けてきた中国がG8と同じ席で世界共通の課題に取り組んでいこうという姿勢を示す象徴的な場面のように私には思えた。仮に幾分かはジェスチャーであっても信頼を得る為に面子を大事にする中国の姿勢と切り捨てたくない。

中国の供給能力は余りに巨大になりグローバル化した世界でしか生きていけない、全世界が市場でなければ13億人が生産した商品のはけ口にはなれない。世界から集中的な投資を受けトータル・サプライ・チェーンを担うグローバル経済の中に組み込まれた。その中で最高のパフォーマンスを出して行く為には、世界の課題に取り組んでいく姿勢を見せる必要がありそれがベストの結果に繋がるのである。

中国はそれと言わないが対日関係においてもシグナルを出している。例えば日中事変の端緒となった盧溝橋事件を記念する歴史博物館(どこか忘れたが多分瀋陽)は最近の胡錦濤主席と小泉首相の会談の写真などを掲示した。対立が続く一方で日中関係の悪化は決して中国の為にならない。将来の日中関係を考えていこうというメッセージを国内強硬派に用心しながら出しているようにとれないだろうか。■


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