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「人口減少社会の到来」雑感

2005-07-30 21:14:14 | 社会・経済
総務省が実施した住民基本台帳に基づく人口調査によると、3月末時点の日本の総人口は1億2686万9397人で前年同期比0.04%増とほぼ人口増加がなかった。2年後には人口減少社会の到来が現実に始まる見込である。この人口調査は5年ごとに実施される網羅的な国勢調査と異なり外国人は含まれないが大勢に変わりはない。

報告によると再来年の2007年からついに人口減少が始まると推計している。既に男性の人口は前年比マイナス0.02%で減少が始まった。地域別で見ると関西圏が減少に転じ、大都市にも人口減少が始まった。65歳以上の人口が三分の一になるのも真近い。報道では概して暗いニュースとしてのスタンスを取っているように見えるが私は必ずしもそうは考えない。我田引水のこじつけをこの機会に自説を開陳したい。

人口増を国力増と捉えるか宇宙船地球号の危機と捉えるか見方によって随分考え方が変わってと同様、人口減も見方が変われば悪くはないかも知れない。人口減少社会になっても経済的に元気になれる日本にする為、構造改革をしてGDP貢献人口比率を高め、団塊世代以上の老人の個人資産の有効活用を提案する。国としては散々だが個人としては幸せになる道も悪くはないがそれは又別の機会にしたい。

GDP貢献労働人口
7、8年前のある講演会で日本労働人口の内の50%は公務員等所謂GDPに貢献しない労働人口であるという報告を聞いた。これが多いのか少ないのか判断できる材料がないが、私はマクロ的にこの比率を下げていくのが新しい時代で日本が強く生き抜いていく道だと信じる。別の言葉でいうと構造改革によって小さい政府を実現し、国としての効率化を高め筋肉質にして、競争力を高める事である。

 政府が6月に策定した「骨太方針2005」は、人件費削減に向け公務員定員の「純減目標」を掲げることを明記した。政府には5年間で定員を10%減らす計画があるが、これは削減分だけの数字でトータルでどうなるか明確でなく、既得権益団体との調整を含む従来政策決定プロセスでは骨抜きになり多くは期待できそうもない。

今後10年間で小泉改革が手をつけた民営化による構造改革を更に推し進めその過程で筋肉質の体質への転換を実現しなければならない。過去10年間の停滞で国としての蓄えは使い果たした、この先10年間で何とかしなかったら確実に日本は衰退の道を歩む。国家は衰退しても個人、企業が豊かであれば良いではないかという考えもある。既にグローバル化した企業は日本経済が停滞しようとも何とかなる世界市場が企業戦略のベースになった。昨年収益を回復した日本企業の過剰貯蓄15兆円は全て海外に投資された。

ところが日本に住む個人はそう簡単には行かないのである。子を育て、家族や社会を良くして引継いで行かなければならないのである。その主役は定年を迎えると言うのに依然として団塊の世代なのである。

団塊世代の個人資産の行方
日本の家計金融資産は3月時点で1400兆円を越えているが、そのうち740兆円が長期国債や地方債に投資されている。ところが過去5年間家計の貯蓄率の伸びが止まる一方で、国債は170兆円増加したという構造的な問題がある。財政赤字を個人資産から調達し続ける「強欲のプロセス」をベースにした構図から脱却しないといずれ大変な事になる。家計金融資産は依然としてリスク回避志向が強いのだが、さすがにこの5年間ゼロ金利に痺れを切らし個人預金から5兆円が有価証券に流れ、消費性向に変化が見られ始めた。

日本社会を老人と若者世代にカリカチュアすると、日本の家計金融資産は殆ど老人が所有しているが、強欲にも年金が減ると言って大騒ぎしている。老人は世界有数のお金を持ち、世界一長生きし利権を手放す積もりはなく、政治的影響力が強く若い人達に更に年金を払わせようとしている。若い世代は老人(親)に寄生し、自分達の人口が減ったのに投票もせず政治影響力を更に減じ、将来に希望を見出していない。今後団塊の世代の約1千万が還暦を迎え退職金は総額50兆円を越える見込である。

 団塊の世代は日本の繁栄に貢献したが、今までのところ繁栄を持続させるシステム造りに失敗、団塊ジュニアをシステムのメンバーとして継続的に改革して行く原動力にすることに成功していない。団塊の世代は今影響力を行使し巨額の個人資産を若い人たちの為に投資すべきである。単純に死んだお金として節税するだけに精力を使い子孫に相続させるべきではない。若い人達の社会保障の高負担から解放すべきである。その為に政治的影響力を行使し、自らの資産が公平で透明な政策決定プロセスによって若い人(日本の将来)の為に使われるようにすべきである。■


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