かぶれの世界(新)

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プチ農業事情

2005-07-28 10:29:22 | 日記・エッセイ・コラム
先々週田舎に戻って以来、朝夕の涼しい時間に少しずつ母の手伝いをしている。実はプチ農業とすら呼ぶのも恥ずかしい位の家庭菜園に毛が生えた程度のものである。国道沿いの田んぼは製材工場の貯木場に貸し、他の田んぼは農地保全の為稲作を続ける必要があるため契約して稲作を依頼している。老齢の母はもう作れないので当然だが、依頼先の人も老齢化が進み後何年やってもらえるかわからないのが実情である。

残っているのは堤防拡張で切り取られた三角形の畑と山裾の斜面の小さな畑、庭にある文字通りの家庭菜園である。家庭菜園では花やハーブに混じってキュウリ、ニガウリ(ゴーヤ)、ズッキーニ、人参、大根、ニラなどを作っている。家から5分のところにある畑ではイモ類、大豆、小豆、トウモロコシなどの豆類、カボチャ、ごぼう、なす、トマトなどを作っている。

帰省直後は取り立ての新鮮なとうもろこしを毎日2,3本食べ一気に太った。しかし直前の大雨で倒れて殆ど駄目になってしまっていたので1週間余りでなくなった。中国から持ち込まれたと思われるハクビシンが野生化し夜になると出てきて農作物を食い荒らすのも原因で、特にとうもろこしが好きらしい。以前30mくらい先の裏山の道を横切るハクビシンを見たことがある。偶然目が合ったが慌てることなく実に堂々と通り過ぎて行った。狸や狐もいるがハクビシンがはびこっているらしい。

先週までに除草の為、表層10cm程度を耕し大豆の種を蒔き、鳥に食われないよう銀色のテープを張るのを手伝った。昨年は台風が来て冠水するたびに種を3度も蒔いたという。今蒔くと4ヵ月後が取り入れ時期になる。今回は7月初めの大雨で畑の表面が固まっていた。母は今週のつもりだったが、梅雨が明けて畑が乾き始めたので近所の人達が種まきを始めたのを見て1週間作業を早めたという。これが究極の横並び発想、もちろん農業では十分合理的であるが、日本人の発想の源と一人で感心した。

最近まで教わったスコットランド人の英語教師との会話で「ブッシュ大統領がXXXが好きと聞き小泉首相が何て答えたか...」と私が言いかけると彼女が私に唱和して「Me too!」と 言ってお互いに大笑いしたが、心では何だという複雑な気持ちになったのを思い出した。彼等のステレオタイプ化した日本人はまあそういうことだ。しかしこれには深い文化的歴史があるのだ、なんて自分で納得してみた。

鍬を担いで畑に行く途中、車椅子を畔にとめ農作業している腰の曲がった老婦人の姿を見た。これもまた日本の農業の一側面かと暗然たる気持ちにならざるを得なかった。後から母に聞くとその女性は歩けないわけではなく鍬や取り入れた野菜などを持ち運ぶ為、又疲れたときは座って休むためだと私の思い込みを訂正したが、後何年こういう風景が続くのかと思うと感傷的にならざるを得ない。■


コメント
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