いつもの様に日本経済新聞を開きテレビニュースを見ながら朝食をとった。イラン核協議が最終合意したと新聞はトップで伝えていた。世界のバランスを変える歴史的な合意であると報じていたが、朝のテレビニュースはそれ程重要だとは思ってないのか殆ど扱っていなかった。一方、CNNやABC、BBC等海外メディアはでこの合意の歴史的な意味を興奮気味に詳しく伝えていた。
よくあることだと思ったが、新聞の3ページを開くと中段に「対イラン経済制裁解除へ 日欧企業、商機狙う」という見出しを見て私は嫌な気分になった。経済的には当然の行為で新聞も間違ってはいない。だが、その時頭の中では安保法制に関連し世界に貢献しようという人達が非常に少ないという日本の民意と重なった。
もしそのことが海外で報じられ、一方で核協議の合意の最大の受益者を日本が狙うと海外の読者が見たら、「ヤバイこれは軽蔑される」と思った。他国が(血と)汗を流して実現した合意を狙って経済的な利益をかすめ取る、しかも多分最大の利益を、と見做されたら将来辛いことが起こるかも知れないと真剣に心配になった。
ニュースでは米国ばかりが目立つが、この歴史的な合意に6か国の一つとしてドイツも加わっている。ギリシャ危機ばかりではない、ドイツは欧州の盟主として重要な決定の実質の責任をとっている。メルケル首相はドイツ国民の8割が反対するギリシャ支援に踏み切った。敗戦国として目立つ貢献は避けているが軍事同盟(NATO)の軍事行動でも責任は果たしている。
ドイツの国際貢献は最早隠しようのないが、ここに来てドイツにしかできないと望まれて活動をやっているという自負を感じる。逆説的だがドイツへの非難を聞くたびにそう思う。ギリシャ危機が繰り返すたびに結果的にドイツの存在感を高めた。日本にはそのような覚悟が無い。第2次世界大戦の敗戦国で奇跡の回復を遂げ世界の経済大国になった両国ながら、日独は何という対照的な道を歩んでいるのかとつくづく思う。
日本人は何処で道に迷ったのだろうか。先日NHKの番組での問題、戦争体験を語り継ぐといえばいまだに被害者の文脈でしか語られない、を指摘した。日本人兵隊がアジア諸国でやったことの反省が一言も聞かれなかったのだ。今の安保法制の議論も合憲性や危険かどうかだけだ。私には何時まで経っても非難を恐れ責任を果たさず自分の安全のみを考える子供のままの日本の姿を思い浮かべる。
発想の原点は安保法制公聴会での外交評論家岡本行夫氏の発言「世界が助け合っているときに日本がわれ関せずという態度を取ることは、すなわち日本人の命と財産を守る負担は他の国に押しつけるということを意味します。」とすべきと私は信じる。戦争被害を語ることの多い沖縄で元参院議員が同時に沖縄出身の兵がやったことをアジアの人々に謝罪する姿は新鮮だった。少数でもいい、世界の中で生きる日本に相応しい生き方を求むべきだ。■
よくあることだと思ったが、新聞の3ページを開くと中段に「対イラン経済制裁解除へ 日欧企業、商機狙う」という見出しを見て私は嫌な気分になった。経済的には当然の行為で新聞も間違ってはいない。だが、その時頭の中では安保法制に関連し世界に貢献しようという人達が非常に少ないという日本の民意と重なった。
もしそのことが海外で報じられ、一方で核協議の合意の最大の受益者を日本が狙うと海外の読者が見たら、「ヤバイこれは軽蔑される」と思った。他国が(血と)汗を流して実現した合意を狙って経済的な利益をかすめ取る、しかも多分最大の利益を、と見做されたら将来辛いことが起こるかも知れないと真剣に心配になった。
ニュースでは米国ばかりが目立つが、この歴史的な合意に6か国の一つとしてドイツも加わっている。ギリシャ危機ばかりではない、ドイツは欧州の盟主として重要な決定の実質の責任をとっている。メルケル首相はドイツ国民の8割が反対するギリシャ支援に踏み切った。敗戦国として目立つ貢献は避けているが軍事同盟(NATO)の軍事行動でも責任は果たしている。
ドイツの国際貢献は最早隠しようのないが、ここに来てドイツにしかできないと望まれて活動をやっているという自負を感じる。逆説的だがドイツへの非難を聞くたびにそう思う。ギリシャ危機が繰り返すたびに結果的にドイツの存在感を高めた。日本にはそのような覚悟が無い。第2次世界大戦の敗戦国で奇跡の回復を遂げ世界の経済大国になった両国ながら、日独は何という対照的な道を歩んでいるのかとつくづく思う。
日本人は何処で道に迷ったのだろうか。先日NHKの番組での問題、戦争体験を語り継ぐといえばいまだに被害者の文脈でしか語られない、を指摘した。日本人兵隊がアジア諸国でやったことの反省が一言も聞かれなかったのだ。今の安保法制の議論も合憲性や危険かどうかだけだ。私には何時まで経っても非難を恐れ責任を果たさず自分の安全のみを考える子供のままの日本の姿を思い浮かべる。
発想の原点は安保法制公聴会での外交評論家岡本行夫氏の発言「世界が助け合っているときに日本がわれ関せずという態度を取ることは、すなわち日本人の命と財産を守る負担は他の国に押しつけるということを意味します。」とすべきと私は信じる。戦争被害を語ることの多い沖縄で元参院議員が同時に沖縄出身の兵がやったことをアジアの人々に謝罪する姿は新鮮だった。少数でもいい、世界の中で生きる日本に相応しい生き方を求むべきだ。■