今年の「世界経済は米国次第の年」になる、年央以降に予想される米金利上げの時期とその影響が焦点になるとお正月に予想した。加えて中国の経済成長は7%以下になるが、新興国経済は金利上昇に耐える力がついた、むしろ懸念すべきは日欧だろうと占った。その時トレンドは明確であり、今年の占いにはかなり自信があった。
現時点で見直すと私の大胆占いは半年たって大筋当たっていたと思う。だが、個別に見直すと米国経済はほぼ予想通り推移したものの、ギリシャ危機と中国経済減速・新興国経済の脆弱性で総合すると4-6月の世界経済は私の予想を若干下回りバラ色とはいかなかった。中国は覚悟の上の経済減速だったが、ここに来て習近平政権は予測以上の停滞に焦り気味になっている様子が伺える。今年後半は波乱含みの展開になる可能性がある。
ギリシャ危機は「大山鳴動すれども鼠一匹」の類の騒動程度で済んでも、9-12月に予想される米国利上げは中国や新興国に深刻な影響を与える可能性が出て来た。中国だけでなく新興国経済は自動車販売が低調になるなど既に風邪気味で、その処置を誤れば肺炎を引き起こす恐れがあるからだ。IMFラガルド氏等は米国に金利上昇は世界経済を考慮せよという。米国にとって悩ましい決断を迫られるが、基本は自国経済最優先であり続けるだろう。
4-6月の日本経済はやっと消費税増税後の低迷を抜け出し上向きになり、国内市場向け企業の設備投資が活性化し始めた。上記の様に海外市場減速の影響で輸出の伸びに懸念が出て来たが、国内市場の盛り上がりで輸出の落ち込みをどの位カバーするかが焦点になる見込みだ。アベノミクスの成長戦略第3の矢に過大な期待は出来ないと予測する。
経済成長の数字を具体的に置いて予測を見直すたびに少しずつ下方修正しなければいけないのは寂しい。米国経済の牽引力に陰りが見え、米国金利上昇を控え中国・新興国経済の減速とギリシャ危機で欧州が足を引っ張られるという悪材料が重なってはやむを得ない。
IMF N証券 大胆占 今回見直
世界経済 3.8 3.4 3.5 3.3
米国 3.1 3.1 3.3 3.1
欧州 1.3 0.9 0.6 0.6
中国 7.1 6.8 6.9 6.8
新興国 5.0 4.8 4.7 4.5
日本 0.8 1.5 1.0 1.0
(注)IMFは2014/10時点の予測
その中で、日本株式市場が相対的に元気だったのは救いだ。海外投資家が取引の7割を占める市場で、かつ悪材料満載でも日経平均2万円台を保ったのは悪くない。残念ながら私は日本株を持ってないので恩恵に浴せなかったが、それでも私の投資残高は若干ながら増えたので良しとしたい。その意味では2Qが終わった時点での大胆占いの総合評価は「当たらずとも遠からず」だ。■
現時点で見直すと私の大胆占いは半年たって大筋当たっていたと思う。だが、個別に見直すと米国経済はほぼ予想通り推移したものの、ギリシャ危機と中国経済減速・新興国経済の脆弱性で総合すると4-6月の世界経済は私の予想を若干下回りバラ色とはいかなかった。中国は覚悟の上の経済減速だったが、ここに来て習近平政権は予測以上の停滞に焦り気味になっている様子が伺える。今年後半は波乱含みの展開になる可能性がある。
ギリシャ危機は「大山鳴動すれども鼠一匹」の類の騒動程度で済んでも、9-12月に予想される米国利上げは中国や新興国に深刻な影響を与える可能性が出て来た。中国だけでなく新興国経済は自動車販売が低調になるなど既に風邪気味で、その処置を誤れば肺炎を引き起こす恐れがあるからだ。IMFラガルド氏等は米国に金利上昇は世界経済を考慮せよという。米国にとって悩ましい決断を迫られるが、基本は自国経済最優先であり続けるだろう。
4-6月の日本経済はやっと消費税増税後の低迷を抜け出し上向きになり、国内市場向け企業の設備投資が活性化し始めた。上記の様に海外市場減速の影響で輸出の伸びに懸念が出て来たが、国内市場の盛り上がりで輸出の落ち込みをどの位カバーするかが焦点になる見込みだ。アベノミクスの成長戦略第3の矢に過大な期待は出来ないと予測する。
経済成長の数字を具体的に置いて予測を見直すたびに少しずつ下方修正しなければいけないのは寂しい。米国経済の牽引力に陰りが見え、米国金利上昇を控え中国・新興国経済の減速とギリシャ危機で欧州が足を引っ張られるという悪材料が重なってはやむを得ない。
IMF N証券 大胆占 今回見直
世界経済 3.8 3.4 3.5 3.3
米国 3.1 3.1 3.3 3.1
欧州 1.3 0.9 0.6 0.6
中国 7.1 6.8 6.9 6.8
新興国 5.0 4.8 4.7 4.5
日本 0.8 1.5 1.0 1.0
(注)IMFは2014/10時点の予測
その中で、日本株式市場が相対的に元気だったのは救いだ。海外投資家が取引の7割を占める市場で、かつ悪材料満載でも日経平均2万円台を保ったのは悪くない。残念ながら私は日本株を持ってないので恩恵に浴せなかったが、それでも私の投資残高は若干ながら増えたので良しとしたい。その意味では2Qが終わった時点での大胆占いの総合評価は「当たらずとも遠からず」だ。■