英国代表の女子サッカー選手がピッチに倒れこんで泣き崩れた瞬間、私はその場に行って彼女を抱きしめてやりたくなる衝動にかられた。カナダのバンクーバーで行われているW杯女子サッカーの準決勝で、日本と英国のゲームの延長寸前に川澄がゴール前に絶好のアーリークロスを入れ、英国ディフェンスのバセットのクリアがオウン・ゴールになった直後のことだ。バンクーバーは北海道より北なのに暑くて光る芝が印象的だった。
一瞬にして彼女は英国チームに負けをもたらしたと同時に、世界的悲劇のヒロインになった。私が抱きしめてやらなくとも世界中から慰めと奮闘を讃える声が届いた。彼女はスポーツ選手で悪いことをした訳ではなかったが、理由は何であれ窮地に立たされどうしていいか分からなくなって打ちひしがれた女性に私は人一倍惹かれる。男だったら誰でもそうかもしれないのだが。STAP細胞の世紀の大発見だったはずが偽装と指摘され、手の平返しで誰も味方がいなくなった小保方さんのニュースを見るたびに私は胸が痛くなり抱きしめてやりたくなった。
近年あらゆる場で女性の活躍が目立つ。90年前後に米国西海岸の日系会社に打ち合わせに行った時、後ろに男性スタッフを引き連れて颯爽と会議室に入って来た女性マネージャを凄くカッコいいと思った。彼女がプレゼンし会議をリード、男性スタッフはほとんど口を利かなかった。当時の強い女、出来る女の最先端の例だった。今でもその衝撃は鮮明に記憶している。日本に戻りその会社の本社営業に出向いた時余談になり聞くと、彼女はやり手の美人マネージャで本社までその存在を知られていた。
だが、私には周りの誰も味方してくれなくなり無防備になった女性が耐え忍んでいる後姿が寧ろ美しい。そっちの方がエロスを感じるのだ。言葉に注意してほしい、エロティックではない。まだ若かった当時でも美人マネージャに驚いたがトキメキは感じなかった。私が好みがねじ曲がっているのだろうか。昔は耐える女の魅力とか、そういう声をよく聞いた。だが、最近は聞かれなくなった気がする。
一昨日、いつもの様に川沿いの道を散歩していた時ときどき見かける犬を連れた中年の奥さんに会い挨拶を交わした。iPodで音楽を聴いていたので物音に気付かず、気配を感じて振り向くと目の前に彼女が立っていた。いつもと違う異常接近だったのでどぎまぎした。遠く前を歩く男性が連れた犬がリードを付けてない様に見える、もしそうなら大きなシェパードで怖いので一緒に歩きたい、と訴える口ぶりだった。
彼女の表情がいつもと違って凄く困った表情なので、私のスイッチが入った。暫く一緒に並んで歩たが彼女に後からゆっくり歩いて来なさい、私が先に行ってリードを確認しOKなら合図するからと言い、急ぎ足で前方を歩く男性を追いかけた。リードは付けてないのは確認したが、男性は急ぎ足になり遠く離れて行った。
振り返って合図を送ろうとすると彼女の姿は見えなかった。それではと自宅に戻る道を辿ると交差点で白いランドクルーザーが止まり、彼女が助手席から出て来て礼を言った。電話してご主人に迎えに来て貰ったのだという。私は「それで正解だった、犬はリードを付けないで歩かせていた」と報告し挨拶して別れた。私は出来る範囲で親切してあげ感謝され、何もなくて結果オーライで良かったと思う。一瞬スイッチが入ったけど、下心があった訳じゃない。
自分の趣向を表す意味で表題を「へたれ女フェチ」としたが、これで正しいのか自信が無くネット検索すると少し意味が違っていた。元々関西の方言で「へなちょこ」とか「へっぽこ」と同類の言葉で、臆病な様子や情けない性格の人を指すらしい。私にはそこに一途さとか一生懸命というニュアンスを勝手に加味して可愛いと思っていた節がある。それってフェチ?ま、どっちでもいいけど。■
一瞬にして彼女は英国チームに負けをもたらしたと同時に、世界的悲劇のヒロインになった。私が抱きしめてやらなくとも世界中から慰めと奮闘を讃える声が届いた。彼女はスポーツ選手で悪いことをした訳ではなかったが、理由は何であれ窮地に立たされどうしていいか分からなくなって打ちひしがれた女性に私は人一倍惹かれる。男だったら誰でもそうかもしれないのだが。STAP細胞の世紀の大発見だったはずが偽装と指摘され、手の平返しで誰も味方がいなくなった小保方さんのニュースを見るたびに私は胸が痛くなり抱きしめてやりたくなった。
近年あらゆる場で女性の活躍が目立つ。90年前後に米国西海岸の日系会社に打ち合わせに行った時、後ろに男性スタッフを引き連れて颯爽と会議室に入って来た女性マネージャを凄くカッコいいと思った。彼女がプレゼンし会議をリード、男性スタッフはほとんど口を利かなかった。当時の強い女、出来る女の最先端の例だった。今でもその衝撃は鮮明に記憶している。日本に戻りその会社の本社営業に出向いた時余談になり聞くと、彼女はやり手の美人マネージャで本社までその存在を知られていた。
だが、私には周りの誰も味方してくれなくなり無防備になった女性が耐え忍んでいる後姿が寧ろ美しい。そっちの方がエロスを感じるのだ。言葉に注意してほしい、エロティックではない。まだ若かった当時でも美人マネージャに驚いたがトキメキは感じなかった。私が好みがねじ曲がっているのだろうか。昔は耐える女の魅力とか、そういう声をよく聞いた。だが、最近は聞かれなくなった気がする。
一昨日、いつもの様に川沿いの道を散歩していた時ときどき見かける犬を連れた中年の奥さんに会い挨拶を交わした。iPodで音楽を聴いていたので物音に気付かず、気配を感じて振り向くと目の前に彼女が立っていた。いつもと違う異常接近だったのでどぎまぎした。遠く前を歩く男性が連れた犬がリードを付けてない様に見える、もしそうなら大きなシェパードで怖いので一緒に歩きたい、と訴える口ぶりだった。
彼女の表情がいつもと違って凄く困った表情なので、私のスイッチが入った。暫く一緒に並んで歩たが彼女に後からゆっくり歩いて来なさい、私が先に行ってリードを確認しOKなら合図するからと言い、急ぎ足で前方を歩く男性を追いかけた。リードは付けてないのは確認したが、男性は急ぎ足になり遠く離れて行った。
振り返って合図を送ろうとすると彼女の姿は見えなかった。それではと自宅に戻る道を辿ると交差点で白いランドクルーザーが止まり、彼女が助手席から出て来て礼を言った。電話してご主人に迎えに来て貰ったのだという。私は「それで正解だった、犬はリードを付けないで歩かせていた」と報告し挨拶して別れた。私は出来る範囲で親切してあげ感謝され、何もなくて結果オーライで良かったと思う。一瞬スイッチが入ったけど、下心があった訳じゃない。
自分の趣向を表す意味で表題を「へたれ女フェチ」としたが、これで正しいのか自信が無くネット検索すると少し意味が違っていた。元々関西の方言で「へなちょこ」とか「へっぽこ」と同類の言葉で、臆病な様子や情けない性格の人を指すらしい。私にはそこに一途さとか一生懸命というニュアンスを勝手に加味して可愛いと思っていた節がある。それってフェチ?ま、どっちでもいいけど。■