かぶれの世界(新)

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団地妻!?

2016-02-21 22:54:09 | 日記
自宅建て替えの為の仮住いに転居してからちょうど2週間たった。仮住いは今迄の半分の広さでいささか窮屈になったが、部屋は暖房が不要なほど暖かく短期間の居住環境として決して悪くはない。外に出ると建物の間の広い通路の清掃や庭の手入れが毎日なされ清潔に保たれている。だが、何だか今一物足りない。住宅の周囲にかつての賑わいを感じないのだ。

仮住いはかつての公団住宅で、広大な土地に建てられた12棟9階建て団地だ。私には特別な思いがある。実は40年以上前に我が家の建設が遅れて2、3か月の間会社の同僚Sさんの好意で正にこの団地の部屋に居候させて頂いた。今頃になってSさんに世話になったことを思い出した。普通出来ることではなかったはずだが、今思い返すと特別の好意だった。出来れば久し振りに会って改めて感謝の気持ちを伝えたいと思った。

私は団地という言葉を聞くと、オートマティックに「団地妻」という言葉がひらめく。団地妻という言葉を聞くとノスタルジックな映像が浮かんでくるのだ。昭和40年代後半からだったと思うが、従来の映画とは全く違う所謂『ポルノ映画』がブームになり、団地妻シリーズが大人気になった。

多分ベトナム戦争頃の米国の退廃的な流れが遅れて日本にも汲んだのだと思う。少し前から雑誌プレイボーイが創刊され争って読んだ。まだ未成年だった私は女の裸を見たさに悪友と連れだって場末の映画館に行ったのを記憶している。とは言っても、後年仕事で米国に行って初めてみたポルノ映画の凄さと比べればただの入門編のソフト・ポルノみたいだったが。

何れにしてもその印象は強烈で今でも鮮明に記憶に残っている。その記憶を思い出させるキーワードが「団地妻」なのだ。そんな事が現実の生活であった訳でもないし、ましてや今何かがあるという訳でもない。だが、仮住いに移って来た時から心のどこかに団地妻と知り合いたいというヤラシイ気持ちが湧いてきたのは事実だ。
 
当たり前のことながら現実にはそんなものはあり得ない。実際ここで見かけるのは昔団地妻のお年寄りが圧倒的に多い。子供達も見かけるが、その年代の両親の姿を殆ど見かけないのは都心への通勤の為だろうか。しかし、隣接する商店街は事実上シャッター街になっており、休日でも人通りは少ないから不思議だ。夜遠方から見る住宅の窓の半分も灯が点いてない。

先週、やっとそれらしき人に会った。もう50に近いと思われるのに知的な雰囲気をたたえた女性が中央玄関に歩て行くのを見かけた。集合メールボックスに向かう彼女に、「今週から引っ越して来ましたXXです、宜しく」と挨拶した。彼女は丁寧にあいさつを返したがそれっきりで上の階に行くエレベーターに乗った。それきり彼女とは会ってない。それどころか、それ以降私のイメージする団地妻の面影をたたえた女性に会ってない。■
コメント
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